ロレシオ学校へ行く
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日々の内政を熟していたら、もの凄く時間が経ってしまったように感じる時がある。いや、今なんだけどな? もうなんだかんだ言って、ロレシオが9歳になる年なんだよ。
9歳になるとどうなるのか。学校に通わないといけない。学校は1月15日から12月15日まである。つまりは今年には王都に行っていないといけない訳なんだよ。
もう12月20日。ロレシオが今日、王都に向かって旅立っていく。4年間はお別れなんだよ。月日が廻るのは本当に早いなあ。
「母上、父上、私は学校に行ってまいります。そこで貴族としての学びを得、必ずやマクファウスト子爵家をこれまで以上に大きくしてみせます」
「よくぞ言いました。と、言いたいところですが、ロレシオが帰って来る頃にはマクファウスト子爵家は侯爵家になっていると思います。それ以上に発展をさせることは難しくなっているでしょう。ですが、必ずできると信じております。私の子供ですもの」
「はい、母上。ですが、そうなった場合はどうしたら良いのでしょうか? 学校には知らせてくれるのですか?」
「知らせは送ります。大丈夫ですよ。立場が変わる事があっても、ロレシオは必ず期待に答えてくれると信じていますから」
「ご期待に添えることを誓います。安心してください。私はいずれこのマクファウスト子爵家を継ぐのです。4年間で学び、成長して帰ってきます」
「学ぶのも良いが、王都なんだ。遊んでこい。領地に帰ってきたら経験できないことをやってこい。失敗しても構わない。王都という場所を見てこい。まあ、供を連れていくことになるだろうが、下町やスラムも見てきた方がいいぞ」
「ですが、父上。そう言ったものは必要ないのではないですか?」
「いや、必ず必要になる。ロレシオ、アルローゼンは治安の良い場所だ。スラムも無く、下町が活気づいている。王都は、もっとどす黒い所だ。論功行賞で行ったが、覚えていないだろうし、覚えていたら凄い方だ。王都の裏側まで見てきなさい」
「王都の裏側、ですか? 母上。王都とはそのような場所なのでしょうか? アルローゼンとは全然違うのでしょうか?」
「全然違うわよ。そうね。裏側を見てくることも課題にしておきなさい。余りにも汚く、余りにも近づきたくない所でしょうけれど、見ておくのは悪い事じゃないわ。知っておくのも1つの勉強でしょうね。ただし、裏の住人との約束はしては駄目よ」
「裏の住人と約束をした場合、守らなかったら酷い目に合わされると思った方が良いな。あそこはそういう場所があると思う」
「解りました、母上、父上。学校の他にも王都を見て回ります。色々と学んで帰ってきた暁には、お話をさせて貰ってもよろしいですか?」
「ええ、楽しい話ばかりではないでしょうけれど、話は聞くわ。私は1度行っているもの。その時の話も出来たらいいわね」
「俺は行ったことがないから、土産話を楽しみにして待っている。ロレシオ、まだ守るものがないお前には何でもできるだけの力がある。楽しんで来い」
「母上、父上、行ってまいります」
賢そうな子供に育ってしまって。もっとやんちゃでも良かったんだがなあ。これも貴族の教育の賜物か。ただ、裏の事も知っておくべきなんだろうな。そういう助言はさせて貰った。知っておかないと、後で辛い目をするだろうからな。
特にスラム関係は見ておくべきところだ。アルローゼンにはないからな。いや、昔はあったと言っておこう。今は無くなってしまったけどな。仕事が増えるとスラムは無くなるし、アルローゼンの周辺にあまり領地がないから、流入が少ないんだよな。
社会の弱者層を見ておくべきだ。どんな生活をしなければならないのかを知っておくべきだ。王都には国で一番のスラム街がある。見ておくべきだろう。
それに、王都の空気はあまりよくないんだよな。なんと言うか、アルローゼンと比べると重いんだよ。アルローゼンが特別軽いという訳でもないんだよな。
あそこは、上流階級、中流階級、下流階級、スラムと、全てが何かしらの重しを乗せられてしまっているように感じたんだよな。それがなんなのかまでは解らなかったが、吸っている空気が違うと感じてしまったんだよ。
あそこに染まるのは、あまりよくない様な感じもするんだけど、それは言わなかった。ある程度は染まってしまわないと居心地が悪いだろうからな。
「行ってしまったなあ。元気でやれればいいが、王都の空気はアルローゼンよりも重いからな。それを感じ取ってさえくれればいいかな」
「そうね。王都は、それなりに色々とあるのよ。下町やスラム街を歩いてくるかしら? 歩いてきたら、アルローゼンとの違いに驚くでしょうね。あそこでは、最低限度の暮らしというものが解るはずよ。私は在学中には見なかったけれど」
「昔はアルローゼンにもあったからな。今は無くなったけど、スラムの空気は良いものではないからなあ。その辺を解ってくれれば良いんだけど」
「スラムは覚えているわね。私が学校を卒業して直ぐにここに来たもの。その時はスラムがあった。無くしたのも私だけれど、無くなる下地があったから無くなったのよね」
「結局は人手が足りないとスラムは無くなるし、人手が余るとスラムが出来る。それはどうあがいてもそうなるんだよな。俺も思い知ったし」
「ハインリッヒはスラムを無くした側の人でしょう? どうしてスラムが出来る方を思い知ったのよ? そんな機会は無かったでしょう?」
「いや、戦争の時にな。あの兵士長の作戦で色々とやっていたんだけど、どんどんとスラムが出来てしまってな。敵ながらにこれはなって思ったんだよ。時間は短かったけど。出来ていくのが可哀そうに思えて来てな」
「ああ、結局は最終的には戦争に行かざるを得ない人が出てくるのが、その前に占領されてしまったからね。戦争に行かなくても良かったのだから、良かったのよ」
それは解っているつもりではいるんだけどな。でも、そういう人を見て、無力だなって思ったのも事実なんだよな。
内政でどうにかしてやれるって思い上がってもいたわけではないんだけど、俺も下手をしたらああなっていたんだろうなって思うと、な。色々と考えてしまう事もあるんだよ。錬金術が出来なければ、家の税金の事を知らなければ、追い出されていただろうからな。
いくら爺さんの遺産があったとしても、無知であれば、全てを失っていた可能性がある。昔の事を知っている俺が特殊なだけなんだよ。
まあ、昔の事を考えても仕方がないのは、俺もよく解っているつもりだ。過去は過去だ。今しかないからな。過去はどうあがいても過去なんだよ。変えることは出来ないし、変える必要も無いと思っている。俺が俺であるのは今だからな。
「まあ、ロレシオが何を学んでくるのかだよな。貴族的な人脈を作ってくるのは当然として、王都から何を学んでくるのかねえ」
「さあ? でも、自分から動かないと大した事は教えて貰えないわ。私もそうだったもの。今思えば、もっと見ておくべきところがあったとは思うのよね。土地を実際治めてみて解る事もあるもの。それから学んでも遅くはないわ」
「だろうな。ロレシオに公務をさせていた方が良かったか? 重要な案件だけはラウレーリンがすれば、ロレシオでも公務は出来ただろ」
「そうでしょうね。けれど、私はやらせない方が良いと思ったのよ。何もない状態でこそ、見えることもあるでしょうし。結果待ちね」
まあ、結果がどうなるのかは解らないよな。どうすれば正解なのかってのが無いんだから。正解を選び続ける事なんて出来ないんだし。




