他派閥の動き
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「うーん。まあ、何とかなるだろうと思うけど、結局は相手の動き次第な所があるよな。なんでまだダルバダラゴーナ公爵家が奴隷を輸出しているのかが解らないんだけど」
「それに関しては情報が入ってきています。こちらにも商人が来ているのを確認してます。狙いはポーションを買いに来ているみたいですね」
「大規模に儲けたみたいですからね。この期に乗じて大魔境の開拓に乗り出すみたいですよ。周辺から物資を買い漁っています」
「多分ですか、今回の大魔境の開拓は成功するのではないかというのが見通しですね。奴隷を売りつつ物資を集める。人材については派閥内の貴族が集めているようです」
「ラウレーリン様はこの期にポーションを放出しようとしているようですよ? 他派閥に渡っても良いものだけを売り出す予定みたいです」
「それと動いているのはダルバダラゴーナ公爵派閥だけではありませんね。メラントスカーニ公爵派閥も動いております。ダルバダラゴーナ公爵派閥のロッテンホルン伯爵家も、メラントスカーニ公爵派閥のララホルム侯爵家もポーションを買いに動いてます」
「マクファウスト侯爵家からポーションが一気に消えたらしいですよ? アルローゼンにも買いに来ていますし。まあ、1日あればポーションなんて幾らでも作れるんですが」
「おお、おう。2つの公爵派閥が動いているのか。……組んだ割りにはなんで一緒に動かないんだとは思うんだけど、どうなんだ?」
「ミッチェルハーロウ公爵派閥に対して組んでいるだけで、大魔境に関しては組んでいないのでは無いですか? そこまで協力する義理がないとも言いますが」
「ただ、ラスコシッラ公爵派閥の支援は無いみたいですけどね。あそこは大規模に転封しましたからね。そんな余裕は無いでしょう。今は辺境伯家の領地の方が忙しいのでしょうね。元々2つの派閥を支援する力なんて無いでしょうが」
「片方に注力する訳にもいかないでしょうし、両方ともに介入するくらいならしない方が得策でしょう。結局は自分の領地の為ですけど」
「両派閥とも、ポーションに関してはミッチェルハーロウ公爵派閥から買い漁っていますから、準男爵家の領地を2つ作るくらいはできるのではないですかね?」
「結局はポーションの補給が続くのか、ですからね。マクファウスト侯爵家も沢山ポーションを作っているとはいえ、流石に2つの派閥の戦線を支えるだけのポーションは作っていませんからね。マクファウスト子爵家も同様ですし」
「ですが、程々に攻略に成功してもらわないと、ミッチェルハーロウ公爵派閥の1人勝ち状態が維持されるだけですから。良い事なのではないですか?」
うーん。まあ、ミッチェルハーロウ公爵派閥の1人勝ち状態を何とかしないといけないのはその通りなんだよな。1人勝ちはよろしくない。
アンジェリオニジ公爵派閥との遺恨も2代くらい時間が経てば忘れるだろうしな。今の内に出来る限りの手を打ちたいとは思うんだけど。
ただなあ。他の派閥を裏で支援するのも難しいんだよな。露骨にやり過ぎる訳にはいかないし。露骨にやったら成果を横取りするつもりだと何だのと言われかねない。
こっちとしては、穏便に行きたいところなんだよな。ラウレーリンにも話はしてあるんだけど、ポーションの生産量、これを大幅に見直したからな。うん。3号館が建った。10階建ての3号館だ。これで生産量を増やす算段だ。
増やすのは、ポーションと魔力ポーション、スタミナポーションだな。この3つがあれば、何とかなるんだよ。それを大量に作っている最中なんだ。
そして、さっきも言われていたように、ポーションの市場を限定的にだが商人に解放した。基本は冒険者が買うんだけど、商人にも許可した形になる。
今まででも商人が扱っていたが、それは同じ派閥の貴族家に売りにいったりしていただけで、他派閥には売りに行っていなかった。
それに他派閥の商人を締め出していたんだけど、今回はそれを解放したわけなんだ。まあ、飛ぶように売れていっているぞ。良い事なのかどうかは解らないが、ポーションを貴重品にする訳にもいかないからな。売ってしまえば良いんだ。
その分、農家系統が大変になっているんだけど、それは仕方がない。農家系統は忙しいのが基本だ。今後もそうなるだろうから、よろしくな。
大魔境の開拓は成功して欲しい。多少成功すれば、大成功したミッチェルハーロウ公爵派閥も薄れてくれるんじゃないかなと期待しているんだけど。
まあ、解っているんだけどな。無理だという事は。ミッチェルハーロウ公爵派閥の開拓した領地は、現状で侯爵家5つ分。これ以上はなかなか増えないとはいえ、辺境伯家1つ分の領地にも相当するんだよ。はっきり言って大きくなりすぎたんだ。
それなのに、村に住む人間が足りていないんだから、開拓も進まないよな。村として開拓したは良いが、住む人が居なければ意味がないからな。
「まあ、なんといっても、ポーションだよな。あるのとないのとでは雲泥の差が出来るからな。供給し続けるのは良いが、向こうの資金が持つのか?」
「持たないと思いますよ? だから準男爵家が2つ分で終わると思っているんですよ。まあ、普通なら十分ですけど」
「準男爵家を2つ作るか、男爵家に転封をするのかを選べるんですから、相当な成果だとは思いますよ? 普通に考えればですが」
「ミッチェルハーロウ公爵派閥は辺境伯家1つ分の開拓をしている訳ですからね。ちょっとばかり可哀そうにはなりますが、まあ、人が足りないですよね」
「どう頑張っても人が足りてないです。しかも農家が足りていないので、農村がまったく育たないですよ。これから人口を増やしていくんでしょうけど、それでも20年から50年は必要になりますからね。何事も徐々にが良いと思います」
「まあ、人が足りなくて悩んでいるのはミッチェルハーロウ公爵派閥だけだと思いますけどね。普通は増えすぎた人口をどうしようか考えるのが先です」
「その結果、王領に移民させる羽目になるんですけどね。それをミッチェルハーロウ公爵派閥が貰い受けると。そうするとますますミッチェルハーロウ公爵派閥が大きくなりますね。これは好循環と言っても良いんでしょうかね?」
「いや、駄目だろ。その循環は結局はミッチェルハーロウ公爵派閥が1人勝ちするだけだからな。もう1つか2つか、対抗馬が出てこないといけないんだけどな」
現状、1人勝ちなんだよな。1人勝ちだから駄目なのだ。2人いれば新たな派閥になるんだが、1つだけだと残りが固まっても勝てないんだから意味がない。
何処か伸びてこないかな。ミッチェルハーロウ公爵派閥並に。無理だよなあ。ポーションの利権を握っているってそういう事だからな? 本当に情報を流してしまいたい。1人勝ち状態を解消してしまいたい。
ポーションがあれば、多少は大魔境を開拓できるだろうからな。危ない魔境は迂回すれば良いんだし、開拓は進むよな。
でも、派閥の力関係を考えると出せないんだよな。一応は切り札的な存在だからな。簡単に切る訳にはいかないんだよ。
出し惜しみをしていたら、真似されるだけなんだけど、現状まだまだ大丈夫な気がする。錬金術師を引き抜けば簡単にバレるんだけど、それすらもしてきてない感じなんだよな。ラウレーリンなら真っ先に引き抜きを仕掛けると思うんだけど。
気が付いていないだけでやられているのかね? やられていたら、他の貴族家でもポーションを作れるはずなんだが。
1から10まで教えているんだから、真似されても仕方がないと思うんだが、思ったよりもガードが硬いのかもしれないな。




