引き剥がしに行く順番を決めよう
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夜会も終わり、何事もなく帰ってきた。とりあえずは及第点を貰えたので、交渉をしに行く事になるんだけど、ミッチェルハーロウ公爵家から手紙が届いた。
内容は簡潔だ。引き剥がして良いよって内容だな。難しいことは書いてあるけど、注意事項と言うかこれだけは頭に入れておけという事だった。
なんでも、引き剥がしをする際に、アンジェリオニジ公爵家から、借金の返済を言われるだろうと言う事だった。
寄子たちが沢山借金しているらしい。援助ではない。貸付金だ。それを返せと言ってくるだろうと言われてしまった訳なんだけど、対処法が踏み倒せだったんだよな。払うんじゃないのかよとは思ったが、当たり前の事なんだそうだ。
そもそも、返せない借金を作らせたのが問題だよねって事で突っぱねろという事らしい。俺なら素直に払っていた自信がある。
ラウレーリンからしたら、踏み倒す気満々だったらしいんだけどな。全部の責任をミッチェルハーロウ公爵家に丸投げする作戦を取る気だったらしい。
向こうも任せろと言ってくれているんだ。借金は踏み倒す。それでいいんだ。……良いのかなって思う時点で、平民の感覚が抜けてないんだろうな。貸したものは返ってこない物と思えとは言うが、踏み倒す側になると話は違うと思うんだよな。
基本的には、返すのが当然であると思うのが常識だろう? 派閥を変えたから返さなくても良いよねってなると、限界貴族が寄親を変えまくると思うんだけど。
そんな事をラウレーリンに言ったら、寄親を変えられる方が駄目なのであって、寄子に罪はないと言っていた。うーん。
金を借りる方が立場が強くならないか? それは良いんだろうか。全力で踏み倒せと言っている訳なんだけど、本当に良いんだろうな?
良くなくても、ミッチェルハーロウ公爵家に全部丸投げをするんだけどな? 多分だが、何かの貸し借りがあるんじゃないかと思うんだよ。それで清算すると言う事だよな? まったく何もしないと言うのは、無いと信じたいんだけど。
小市民の考え方なんだろうな。仕方がないだろう? 平民の方が長いんだから。まあ、平民でも借金を返さないって人は居るんだけど。
気が付いたら、家ごと無くなっていたって事は、割とよくある話なんだよな。町から出ていきましたって事があるんだよ。
だから、貸した金は返ってこない物と思えって言われるんだけど。俺がそれをする側になるとは思ってもみなかった。
そんな事をしたら、元居た派閥から総スカンを食らうのは当然だよな。周りからも、お前は借金を踏み倒した敗者なんだと思われているって訳なんだろう?
そういう感情があってもおかしくはないよな。結局は自分も敗者なんだが、それに耐えきれなかったあいつはもっと敗者なのだと言い聞かせて、心の平穏を保つのが普通だと思う。
まあ、そんな事を考えても俺にはどうすることも出来ないので、ミッチェルハーロウ公爵家に丸投げをするんだが。向こうで勝手に対処してくれるはずだ。
「さて、俺が考えないといけないことは、どういう順番で貴族家を回るのかなんだけど、これについて作法とかはあるのか? 行った順番で格が変わるとか、そんな面倒な事にはなっていないのかが心配なんだけど、知らないか?」
「順番は好きにしろとラウレーリン様から言われております。例え格が決まるのであっても、問題ないのではないですか?」
「そもそもですが、その程度の格などは意味をなしていないです。流石に、伯爵家と準男爵家に行く場合に、先に準男爵家に行くのは問題ですが、この場合は全ての貴族家が格下なので、どう回っても後でいくらでも変更が利きます」
「ですね。目上の貴族家を含む場合は、勿論ですがその貴族家を優先しないといけないです。今回は全て格下ですし、格も大した違いがないので、好きにすればいいと、そういう事だと思います」
「好きにしていいと言われると、こういう順番になるか、反対から回るかの何方かになると思うんだが、どうだ?」
「どうだと言われても、判断のしようがないですよ。どっちからでも同じなんですから、好きな方から回れば良いんじゃないですか?」
「ここまで来たら好みの問題でしょう。ハインリッヒ様が優先したいと思う主要産業の方の貴族家を先に回ったらどうですか?」
うーん。主要産業の好みで決めるか。そうだな。その位しか決めようがない。本当にどうでも良さそうなので、完全に好みで決めるか。
そうなると選択肢は、羊の毛を主要産業にしているチョークステイト準男爵家か、パンを主要産業にしているロマンピース準男爵家になるんだが、好みであれば、パンを主要産業にしているロマンピース準男爵家になるな。
そうしたら、順番はおのずと決まる。ロマンピース準男爵家、 ブラウンスミス準男爵、 ピーチモーア準男爵、 チョークステイト準男爵となる。
さてと、交渉がどのくらい必要なのか、だよな。これに関しては俺の手腕が試される訳なんだけど、どうしような。
「交渉期間については、何か案があるか? 正直な話、1日で纏めたいとは思っているんだが、長引く可能性は無いか?」
「長引くでしょうね。1日ではまず無理です。1日目である程度の説明をして、その夜に家族と主要な使用人に説明をします。そこで同意を貰えれば2日目に交渉成立です。最短で2日かかります。1日で決められるのであれば、そもそも困窮をしていないかと」
「余裕を見て5日間程の交渉期間を設けておいた方が無難でしょう。1日で判断できる内容であれば、当主1人で判断できます。が、今回のはそういう訳ではないので」
「こういう時の定石では、1日目の夜の会議では、とりあえず難色を示すものです。特に使用人の長となる人物は反対意見を述べるでしょう。それを跳ね返して2日目で決まるようであれば、かなり優秀な部類の当主になりますので、困窮状態は脱しているでしょうね」
「あー、そもそも1日では決まらないのか。と言うか、使用人の長が反対をするのか? 簡単にいうと、文官が反対するのと同じだろう? その意見が通るのか?」
「お忘れかもしれませんが、使用人とは何処かの貴族の傍流であることが多いんです。縁のある貴族家からその家に使用人としての身分で来ておりますので」
「簡単に言うと、自分の出身貴族家が別の派閥になるのです。それを嫌うのもあります。ただ、殆ど縁は切れていると思うので、形式上反対をするというのが普通ですね」
「勿論ですが、大賛成してくる場合もあります。お家の一大事ですからね。今の現状よりも格段に良くなるのであれば、大手を振って賛成してくれるでしょうが、そういう場合の方が稀ですね。とりあえずは反対と言うのが大きいかと」
「後は、積極的な当主と反対意見を言うのが仕事というのもあります。当主が賛成であれば反対を、反対であれば賛成を言うと思います。使用人の使命感次第ですけど」
……それはすなわち、余程の事がない限り、長期戦になると言う事ではないか? 時間を長くとっておいた方が無難なのか。仕方がないか。5日間くらいの時間を設けよう。それで決まらなければ後日改めて訪問しよう。
交渉って、そんなに面倒なのか? もっと簡単に考えていたんだけど。良いよね? って押し切れば良いものだとばかり思っていたんだけど、押し切って良いんだよな?
押し切って最後は納得してもらうってスタンスで良いと思うんだよな。こっちの要求はガンガンとしていくし、支援の内容も示していかなければならない。
まあ、失敗したらしたで、またくれば良いんだしな。気楽に考えていこうか。長期戦になるのは仕方がないとしても、引き剥がしに同意してもらえるかは半分くらい運だしな。




