対処の仕方を考えよう
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「という訳で、どうにかしたいんだけど、どうしたら良い? 俺には正解が解らない。使えるものは使うとしてだ、防御が意味を成さなくなったんだけど」
「そうね。使えるものは使う。それはそれでいいわね。あるものを使わないのは勿体ないし。でも、防御の面はどうでもいいのではないかしら?」
「いや、どうでもは良くないんじゃないかな? 一応だけど、敵も使ってくる可能性があるしさ。対策は必要じゃないかなって思うんだけど」
「敵、敵ねえ。解らないでもないけれど、私たちの派閥の敵は、あくまでも魔物だもの。対人戦を考えるものではないわね。言いたいことは解るのよ? 冒険者が暴れたときに、対処が出来ない可能性があると言いたいのでしょう?」
「まあ、言ってしまえばそうだな。冒険者にその武器を渡したとして、酒に酔って暴れられたらどうしようもなくなるんだよ。それは不味くないかって話だな」
「売らなければいい、そういう単純な話でも無いのよね。物が物だから、売らないって訳にもいかないのだろうし。その内販売することにはなるわね」
「だろう? 売らないって選択肢もあるかとは思ったんだけど、兵士に行き渡ったら作らないって訳にもいかないだろうしさ。冒険者にも、金のある人には売っても良いと思うんだよな」
問題があり過ぎる様にも思うんだよ。確かに、俺たちの所属しているミッチェルハーロウ公爵派閥は対魔物戦に重きを置いているというか。隣国との接点が無い以上は、魔物をどうしていくのかという方向に考えがいっても仕方がないんだけど。
でも、こんな武器が出来てしまった以上、敵国が使って来ないという甘い考えが通じるのかという事もあるんだ。多分だが、使われた場合なすすべもなく味方がやられていくだろう。
そうなった場合は防衛戦をしなければならない。物が物だからな。多分だが、砦が機能しないと思うんだよ。砦を破壊できるだけの武器になると思うんだ。
砦は、主な材料は石材だ。木材と石材を組み合わせて砦を作る。厚みを持たせ、多少の衝撃ではどうしようもないくらいには頑丈に作るはずなんだよ。
それが携帯できる武器で破壊できてしまうのであれば、どうするのが良いんだろうな? 恐らくだが、砦を突破するのに例の合金製の武器を持った兵士が100人も居れば突破できてしまうと思うんだよ。犠牲は出るだろうが、その程度の人数で砦の破壊が可能だ。
1人1人が攻城兵器になる感覚だな。そんな武器を持った敵をどう止めればいい? 数の暴力で止めるのか? 犠牲を大きく払って。
それはそれで間違っていると思うんだけどな。だったら、例の金属で鎧を作れば良いじゃないかとは思うかもしれないが、魔力が切れたら、多分だけど死ぬぞ?
重さに耐えかねて死ぬ未来が見える。鎧にするのは無しだと思うんだよな。常に魔力ポーションを飲める状況なら良いが、そんな訳ではないだろうしな。
「結局は、持った場合に超危険人物に指定しないといけなくなると思うんだよな。自分の領地で起こったことならまだマシだ。敵国がこれを使って攻めてきた場合が一番不味い」
「こちらで作れてしまった以上は、向こうが作れないって事にするのも違うものね。ハインリッヒは軍の統括。警戒しないのは愚か者のする事だと、そういう事ね」
「まあ、肩書だけだがな。それでも考えておかないといけないだろう? だからと言って、これを他の貴族家に教えるのは反対だけどな。流石に危機管理もしっかりとしておかないといけないだろうし。隣接貴族が敵になる事もあるんだろうしさ」
「それは当然ね。マクファウスト侯爵家にも教える気は無いもの。秘匿できるものはしてしまわないといけないのよね」
「敵対する気は無いけど、未来永劫敵対しないのかって言われたら解らないからな。孫や曾孫の代で険悪になる可能性もあるし、気を付けておかないといけないのは確かだよな」
「派閥内でそんな事をしていたら、本来は駄目なのだけれど。派閥が変わる事もあるかもしれないからね。用心はしておいて損は無いわ」
「防御するすべが無いんだよ。これに関しては鎧を作って解決とはいかないからさ。根本的な対策しか出来ないと思うんだよ。出てきたら、それこそ諦めるくらいの潔さが無いといけないのかなって思っている。今はその位しか考えられない」
「結局は、剣が出てきたら剣で止めるしか無いって事ね。盾も有効でしょうけど、何処まで効果があるのかが解らないし。それよりも魔力の話の方が気になるわね」
「ああ、魔力の話な。とりあえず、魔力には得意不得意があるのと、絶対に無理な物がある。魔剣を作る魔道具師系統がよく解ると思うんだけど、付与できない属性があるんだよ」
「そうね。火属性が付与できない魔道具師も居れば、闇属性を付与できない魔道具師も居るわ。それについては何も解っていなかったはずなのだけれど。でも、魔力に属性が宿っているのであれば、確かに説明は出来るのよね」
「その辺は調べて貰うしか無いんだけど、例外を除けば、6属性に関係があるんだよ。半分くらいの人は6属性全てが使える。でも中には5属性や4属性の人も居るんだよ」
「例外ねえ。例外で一番解りやすいのは聖属性ね。奇跡の魔法。職業で聖者か聖女でしか扱えない魔法があるというのは有名な話よね」
「……実はその辺はよく知らないんだけど、ポーションに似た魔法があると言うのは知っている。詳しいことは何も知らないんだけど」
「聖者と聖女については、教会が囲っているから、知らないってのも無理はないのよね。もっとも、あること自体が秘匿されていると言ってもおかしくないのに、何故知っているのかしらね?」
「知る機会があったから、一応な? 後は全員が持っているとされている無属性。これについてはそもそも魔法が無かっただろ? だからこっちも全くわからない」
「そうね。無属性魔法使いというのは聞いたことがないわね。なのになんでハインリッヒは知っているのかしらね?」
「……まあ、掘り下げないで貰えると助かる。これについては、半分くらい解ってない事もあるからな。ただ、無属性ってのもあるって事だけは覚えておいてくれ」
「……いいけれどね。では、今日の話題で1番の問題を話し合いましょう。魔法は訓練次第で誰でも使えるというのは、本当の事なの?」
ああ、話してしまったんだ。話の筋から話さないといけなかったんだけど、今の世の中、魔法は確職で魔法使いにならないと使えない。これが常識だった。でも、実はそんなことは無くて、修行さえ積めば使えるものなんだよな。
これに関しては、がっつりと聞かれた。どうしてそんな事を知っているのかは置いておかれたが、それ以外の事に関してはがっつりと。修行の方法までを聞かれたが、それは知らないので調べて貰うしかないんだけど。
ただ、魔法使いがスキルを使う感覚と大差がないと思うんだよな。同じ魔法を使っているんだから。まあ、スキルで使うよりも、修行で使えるようになる方が自由度は高いと思うんだよな。スキルって一定の事にしか働かないらしいし。
応用は出来なくもない。いつもやっている堀を掘る魔法なんて、応用魔法の賜物だからな。そんなピンポイントな魔法は無いんだよ。
だから、魔法使いが属性を増やすのは簡単だと思うんだよな。問題は剣士が魔法を使えるのか。使える筈なんだけどな。スキルを使えるんだから。
昔はスキルが無かったから、魔力の使い方を覚えるのにも苦労しているはずだ。でも、スキルは魔力を使う。感覚的には似ていると思うんだよ。アクティブスキルを使ったことがない俺が言うのもなんなんだけどな?
実験は始めるそうだ。もしかしたら、魔導書が要らなくなるかもしれないんだけど、魔導書でしか使えない魔法もあると思うし、冒険者には必要だろう。
とりあえずは、俺の仕事が増えたわけだ。魔法使いの教育が始まる。別に良いけどな。そこまで難しいことは解らないし。あ、例の金属だが、恐竜渦魔金という事になったから。




