商人が増えている
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「なあ、最近なんだけど商人が増えて来てないか? 都市に活気があるというか、なんか違和感があるんだけど、そっちでは何か知らないか?」
「商人は増えているわよ。それも劇的にね。こうなる事を見越して引き抜いたのだもの。ここまで早く影響が出てくるとは思ってもみなかったけれど」
「増えてるよな。地図作成の進捗がもの凄く速くなったからさ。何が起きているんだって調べてみたらこの感じだ。何で増えているんだよ?」
「色んなところから商人がやってきているからでしょうね。拠点を移してくれる商人もいるけれど、中継地点になっている所もあるわ。地図を渡しているのは拠点を移した商人だけでしょう? それ以外にも沢山の商人が訪れるようになったのよ」
「だけど、そんな特産品なんてあったか? 特に必要な物ってあるようにも思えないんだけど。ポーションは扱わせていなかったよな?」
「ポーションは扱わせていないわよ。特定の商人だけにしか許可していないもの。売り先は決まっているし、それに関しては仕方がないのも。売るのは派閥から。そうでしょう?」
「そうだよな。派閥から売りに行かないといけないよな。で? 商人が何を扱っているのかだよ。塩以外に何を扱わせているんだ?」
「肉と薬よ。薬はアワーバック伯爵家の様な事はしていないわよ。風邪薬や解熱剤、興奮剤なんかを扱わせているわよ」
「薬は解るが、肉もなのか? 薬は作っている所が少ないだろうから解るんだけど、肉は何処にでもあるだろう? 今更売れるのか?」
「忘れているのかもしれないけれど、肉はそこまであるものではないわ。だって魔物を討伐しなければならないんですもの。ポーションが無いのよ? だから肉は本来はある程度の値段がするものなのよ。ここみたいに安く買える訳ではないわ」
「……ああ、そう言えばそうだったか。他よりも安価だから売れているんだな。マジックバッグがあるんだし、保存にも事欠かないと。干し肉の方はどうなんだ?」
「干し肉の方が売れているわね。マジックバッグがある農村もあるけれど、殆どを農産品に使っているもの。自分たちで食べるための肉を保存することの方が少ないわね。だから、保存期間の長い干し肉の方が売れているの。多少割高でもね」
「そういうものか。薬と肉か。確かにこの都市ではありふれているからな。特に精力増強剤は冒険者に売れるんだよなあ。そこまでしたいかねって思うんだけど」
「ふふ、ハインリッヒは体力の方が先に無くなったものね。でも、冒険者だもの。体力はあるわ。無ければ死んでいるのだから当然ではあるのだけれど」
「まあ、俺の話は置いておくとして、薬は材料が枯渇してきているとかは大丈夫なのか? 畑を作る事も考えた方が良いんじゃないかとは思うんだけど」
「まだそこまでは必要ないわね。というよりも、全てを畑で済ませてしまう方が問題になる可能性もあるから何とも言えないのだけれど。戦えない冒険者にも仕事は必要でしょう?」
「そう言えばそうだったな。冒険者で戦えない奴も居るんだった。無限にある訳じゃないから、何処かのタイミングでは畑に切り替えないといけないのかもしれないけど、まだまだ先の話で良いんだな? 材料が枯渇してからでは遅いんだけど」
「採取量も増えているし、問題ないわね。これで減ってきたら考えないといけないのだろうけど、増えている分には問題ないわね」
そうか。薬と肉か。当たり前の様にあるから、他の都市町村でもあるのかと言えば無いんだよな。特に薬は無い。基本的にポーションを優先するからな。
必要な時に必要なだけ生産するのが普通なんだろうと思う。だが、それだけだと遅い場合もあるから、常備しておくことは悪い事ではない。
安いものを仕入れて、他で高く売るというのが商人の基本的な役目と言うか、仕事だからな。その辺を嗅ぎつけてきたと言う事なんだろう。
「だが、それだけだと説明が付かないだろう? 移転することまでなのかと言うと違う気がするし。訪れる商人が増えているのは薬と肉なんだろうけど、それは拠点を移す理由にはならないだろう? 他にも何か仕掛けているんじゃないのか?」
「そうね。仕掛けていないと言えば嘘にはなるわね。簡単な事よ。塩を提示してあげただけなんだもの。先に移転してきた商人の塩があるでしょう? あれを使ったのよ」
「と言われてもな。先に商人を引き抜いたのは解っている。それらに塩を扱わせているのも解っている。でも、新規にきた奴の塩はどうしているんだよ?」
「簡単な事じゃない。商人の持って来た塩の4分の1をこの都市で買っているの。それを他の商人にも分け与えているのよ。ちょっと割高でね。そうしないと、引き抜きに応じた商人たちが不利になるでしょう? その辺は考えてあるわよ」
「……そういう事か。結局は塩なんだな。生活必需品を扱うってなると、本当に商人が群がってくるんだな。思った以上に食いついてきている」
「当然ね。確実に売れる商品だもの。売れない商品を扱うよりは断然良いものよ。需要はそれこそ凄いものがあるんだもの」
「塩が無いと生きていけないからな。それは解っているつもりだ。だが、御用商人を作らないのも何か理由があるのか?」
「作る利点が無いのよ。私たちが欲しいと思っているものを持ってきてもらう方が良いの。御用商人を決めてしまうと、そこを通す必要が出てくるもの。要らないわ」
そういう事なのか。まあ、欲しいものがある時に御用商人を通して買っていたら、そりゃあ高くもなる。利点がない訳ではないんだけどな。
最大の利点は、欲しいものを買ってきてもらう事が出来るって点だな。どれだけ赤字になっても、他の黒字で対処するよって方法が取れるんだよ。何を置いてでもそれを手に入れないといけない場合、御用商人がいると心強い。
が、そこまでの物がないってのが現状なんだよな。言っては何だが、物品の質については貴族社会でもトップレベルの品を持っているんだよな。
基本的に魔境で採れる産品が主力な訳なんだけど、それを得るためには冒険者を育てないといけない。他の貴族家が育てているのかと言えば、頑張っては居るんだろうがマクファウスト子爵家には負けるだろうな。勿論、マクファウスト侯爵家にもだ。
魔物から採れる産品は本当に貴重なんだよ。物を冷やす魔道具の進歩と言ったら、劇的だったからな。ブリザードリザードの素材を使うか使わないかで、魔石の効率が100倍以上も違ってくるんだから凄いよな。
効率化、出来てしまったからな。それを普及させるにはかなりの資金力が必要なんだが、マクファウスト侯爵家は割と進めていっているのが現状だ。
マクファウスト子爵家にも導入されている。買ったからな。必要だと思ったから買ったんだよ。冷えた飲み物は美味しいんだぞ?
そして、氷がいつでも作れるようになったというのが大きい。氷の使い道は多いんだ。料理には欠かせない物となっている。
それが好きな時にある程度の量が手に入ると言うのが良い。もっと大規模にやれば色々と変わってくるのかもしれないが、何が変わるのかまでは解らないんだよな。
昔であれば、雪も使い道があったんだけどな。今はそれよりも魔道具の方が便利だから、魔道具を使うんだけど。良い魔道具が出来たものなんだよ。これで冷たい酒が飲める。こんな贅沢は中々ないんだぞ。良い事しかない。
御用商人を決めてしまうと、そういうものも御用商人を通さなければならなくなってしまう。一応だが、マクファウスト子爵家とマクファウスト侯爵家は違う家だからな。
建前上はな。しかし、商人の耳も速い事だな。いつの間にそんな噂が広まったんだろうか。ラウレーリンが何かしたのは当然なんだけど。




