俺が抱くと泣くんだよなあ
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子供が出来ただろ? ロレシオって名前なんだけどさ。遊んでも良いと思わないか? 跡継ぎだけど、子供のうちは甘やかしても良いと思うんだよ。それなのに、それなのに。
俺が抱くと泣くんだよな。ラウレーリンが抱いても泣かないのに。機嫌が悪い時に抱いている訳じゃないんだよ? ラウレーリンから渡されると泣くんだよ。
使用人に抱かれている時も泣かないんだよな。俺の時だけ泣くんだよ。因みに使用人は女性だ。……これは、あれか? 男性と女性を区別しているのか? まだ産まれたばかりだぞ?
可能性が無いとは言えない。言えないが、それはそれでどうなんだ? 女遊びが酷い子供になるんだろうか。それはそれで人生経験だから、別に良いとは思うけどもだな。貴族がやって良い事と悪い事があるだろう? 女遊びが酷いのは、悪徳貴族のやる事なんだが。
ああ、今でも思いだせるな。昔のあれは酷かった。最悪だったな。腹を大きくした未亡人が結構いたんだよ。絶対にあいつの仕業だろうと思っているんだが。
そんな貴族にはなって欲しくない。が、今の時期から女性と男性を区別するのはどうかと思うんだよ。分け隔てなくとか余計に不味い事にはなって欲しくはないんだが、最低限度の常識を身に着けて置いて欲しいんだよな。心配で心配で堪らないんだが。
「なあ、ロレシオは何で俺に抱かれると泣くんだろうな。ラウレーリンと何が違うんだろうか。使用人と何が違うんだろうか。男だからか? それはそれで、今の歳からそんなのだと、今後が心配で心配で。なんとか矯正できないものなのか?」
「ハインリッヒ……。流石にそれは無いと思うわよ? 単純に腕が硬いんじゃないかしら? 力仕事をしないとはいえ、男性ですもの。筋肉の付き方が違うわ。それでじゃないかしら?」
「筋肉まではどうしようもないんだが。それだと、俺がロレシオを抱くときは無いという事にならないか? こんなに可愛いのに。折角の跡継ぎなのに」
「3歳くらいになる頃には忘れているでしょう? そもそもだけれど、子供の時の記憶なんて残っている方が稀でしょう? 貴方はどの位までの記憶があるのかしら?」
「……3歳くらいまでなら遡れるかな。それ以上の記憶は多分だけど無い。色々と現実を受け止めたのが5歳くらいだったと思うから、確かに記憶がある訳じゃない、な?」
「そういうものよ。子供の時の事なんて覚えている方が稀だもの。普通は忘れるものよ。まあ、貴族としての教育を始めるから、遊ぶのであれば5歳になるまでね。その頃には貴族としての振舞いや作法なんかも教えるもの。ちゃんと家庭教師を呼ぶわよ?」
「5歳……。錬金術を教えるのは駄目か? ポーションくらいなら作れても良いと思うんだが。何かあった時に作れる方が便利だろ? 貴族教育の中に挟めないか?」
「必要ないわね。錬金術をやらせない訳では無いけれど、積極的に覚えさせるのもどうかと思うわ。平民に出来ることは、平民に任せるものよ。人を使う事を覚えないといけないのだから」
錬金術は駄目か。なら俺が教えられそうなことって何もないな。内政の事についても、俺よりもラウレーリンの方が向いているだろうし。俺が教えられることって、戦関係の事か?
それについては貴族教育で教わるだろうからな。俺に教わる程でもないか。何も出来ない気がするな。父親としてはどうなのかとは思うが、こればかりは仕方がないよな。
貴族の何たるかなんてものは解る訳もなく。教育も家庭教師の方が教えるのが上手いだろうしな。下手に手を出さない方が良いんだろうな。しかし、それで本当に良いんだろうか。
昔は、昔もそうだったか。錬金術を教える事くらいしか出来なかったよな。息子に教えたのも錬金術くらいだ。それ以外は母親から教わっていたと思う。なんだ、結局何も変わってないじゃないか。
だからって、無理やりに錬金術を教える訳にもいかないしな。知っていた方が便利ではあるが、ラウレーリンの言う通り、人を使う事を覚えさせないといけないんだからな。自分でやらなければならないとなる場合は、最終手段になる。貴族ってそんなものだと思うんだよな。
もっとも、もっと爵位が低ければ問題は無いのかもしれないが、仮にも侯爵家の分家の子爵家なんだ。上に立つ立場である以上は、そういう事をしっかりと教えないといけない。
「俺が出来る事って、何もないんだな。錬金術くらいしか教えることがない。それ以外に教えられることって言っても、この最近になって覚えた事ばかりだしな」
「基本的には家庭教師から覚えさせるのよ? それで学校に行ってもらうの。そこである程度の貴族社会に揉まれて、このアルローゼンに帰って来るの。そしてから内政の事を教えていくのよ。私だって、殆ど教えることは何もないわよ」
「そんなもんなのか。まあ、親から教えて貰ったことって、殆ど何も無いからな。両親は冒険者だったみたいだし。しかも、早いうちに亡くなったからなあ。殆ど覚えていないんだよ」
「それで何故錬金術の道に入っていったのかが解らなかったのよね。両親が冒険者、祖父母が魔道具店を営んでいた。錬金術に触れる機会なんて無かったはずなのにね。どうしてかしら?」
「まあ、色々とあったんだよ。初めて魔道具を作って貰ってから色々とな。当時はそれしかないと思い込んでいたからな。まあ爺さんにはかなり世話になったと思っているけど」
「そう。でもその位で丁度いいのよ? 頼って来た時に教えてあげるくらいで。積極的に何かを教えても忘れるだけよ。何かを知りたいと思ったときに力になってあげられれば、それでいいのよ」
「そんなものなのかねえ。ロレシオが頼ってくる事なんてあるのかね? 口を聞いてくれるのかさえ、怪しい感じがするってのにな」
「流石にそれは無いでしょう。そのような子供に育てるつもりは無いもの。間違えないように出来ることが一番いいけれど、間違いを侵した時、どのようにして立ちまわるのか、それを教えられれば一番いいと思うわよ。間違えない人間なんていないもの」
「成功ばかりの生活もあり得ないからな。かといって、積極的に間違えろというのも違う気がするし、なんて言えば良いんだろうな。言葉にならないけど、頼ってくれるのかね?」
「人に教えを乞う事は間違いではないもの。正しいと信じ込んで進む方が間違えるの。それを矯正するのには時間がかかると思うわ。素直な子であれば良いんだけれど」
「ただ、信じたことを突き進む気概が無いと、物事は前に進まないからな。どうしても1歩を踏み出さないといけない時が来る。その時に間違えないかどうかは、ある意味運次第だな」
「運は凄く重要な事よ? 幸運に恵まれた人というのは居るもの。逆に不運に恵まれた人もいるけれどね。運は利用してこそよ。運だけで片付くのであればそれでいいもの」
そんなもんなのかねえ。それだと、俺はどうなるんだろうな。2度目の人生を生きている俺は、幸運だと言えるんだろうか。不幸とも取れなくはないんだよな。
必ずしも恵まれて育つ訳ではない。それは貴族として産まれてきたとしてもそうだろうな。今後どうなるのかは解らないが、頼りない父親ってのは避けたいな。
とはいえ、背中が小さいのは仕方がない。平民から貴族になってしまった男の背中なんだ。大きいわけがない。ただ、頼って来た時は目一杯大きく見せるようにしないとな。
これからどうしていくのかは良く解ってないけど。内政は順調だと思うんだよな。そんなに考えないといけない事態にはなっていないからな。軍事関係も問題無いし。
徐々に人は増やしていっているけどな。引退する兵士も居るからな。まだまだ先だろうとは思っていたんだが、初期の50人は結構いい歳になっているからな。そのまま1万人にまで拡大していくが。




