表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】庭師の錬金術師【★10月10日★販売!】  作者: ルケア


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

113/406

試作品は出来た

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

 さて、合金作成は成功した。3つの素材が合わさり、1つの合金に生まれ変わった。じゃあその性能は? それを調べない事には始まらない。始まらないのだが……。


「ちょっと待ってくれ。いや、待たなくてもいい。もっと火力を上げてくれ。今の状態じゃあ熔けねえ。全然金属が熱くならねえ。魔石をどんどん入れてくれ。並みの火力じゃあ太刀打ち出来ねえ」


 そうなのである。何でこんな状態になっているのか。原因はただ1つ、グランドドラゴンの鱗を合金に使用したからだ。グランドドラゴンの鱗には、耐火特性がデフォルトでついている。


 それがどういう事になるのかと言うと、合金が熔けない。普通は合金を熔かしてスキルを使って武器の形にするのだが、耐火特性があるせいで、温度が上がらない。


 いや、上がっているのは確かなんだ。物には限度というものがある。限界を超えてしまえば、この合金とて、熔けるのだ。が、如何せん融点が高すぎるのである。


「炉が、段々青くなっていくぞ。ここまでの高温にしないといけないのか⁉ これでも熔けるのかは不明だが、とりあえずは、炉の魔道具が壊れるまで温度を上げてくれ」


「って言ってもよ。熱すぎるんだよ。近くにいるだけでも苦しいぞ。これはあれだろ、耐火ポーションだっけか? あれ飲んで作業しないと、死んじまうんじゃねえか?」


「鍛冶師だろ! 気合で何とかしろ! 熱いのなんて今に始まったことじゃねえ。慣れろ。いつもよりも数倍熱いだけだ。今が一番大事な時なんだ。とっとと魔石を入れろ」


「入れてるっての。どんだけだよ。青々としてんぞ。まだ熔けないのか? 魔石はまだまだあるから良いけどよ。炉の方が持たねえんじゃないだろうな」


「限界までやるしかねえ。結果が出ませんでしたでは話にならねえ。結果を出すんだよ。お? きたきたきた! 熔けてきたぞ。赤くなってきた! もうすぐだ!」


 正直な所、鍛冶師とは言えども、限界ギリギリである。職業上、火に耐性を持っているだけで、常人が近づけば溶けるくらいには、高温になっている。かなり危ない。


 溶けるとか、溶けないとかの話では無い。生命として危機的状況である。普通なら死んでいてもおかしくはない。ただ、彼らは鍛冶師。神によって選ばれた火の化身の権能を分け与えられた者。


 並みの人間では耐えられない。鍛冶師とて、レベルが低ければ耐えられないだろう。ただ、彼らは耐えた。新しい合金の可能性を見ているから。目が焼けるのもお構いなしに。


 そして、それを取り出すのにも一苦労だった。なんと、掴みばさみが熔けたのだ。これは駄目だと思いつつも、高速で動かし、何とか3本目の掴みばさみで外に取り出せた。


 そして、出来上がった剣は、綺麗な水色の刀身をしていた。まるで炉の火の色が焼き付いたかのような、綺麗な色だった。実に芸術的な物だったが、鍛冶師たちは限界だった。


 出来たのを確認するや否や、我先にと井戸の方に走り込み、水をぶっかけ合い、がぶ飲みした。さもありなん。普通なら死んでいてもおかしくはない。職業のお陰で生きていただけに過ぎない。


「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”。生き返る! 目が痛い。焼けたように痛い。なんと言うか、本当に耐火ポーションが欲しいな。効くのかどうかも解らないが、とりあえず、皆、生きてるか?」


「ああ、なんとかな。気合で何とかしたっつうほうが正しいけどな。炉が青々としているのなんて、初めて見たぞ。どれだけ魔石をつぎ込んだんだ?」


「解らん。数千は放り込んだんじゃないか? あれだけあった魔石の山が半分以上無くなったんだ。その位は放り込んだだろう。本当に死ぬかと思った。死ななかったけどな」


「とりあえず、あの出来た剣を取りにいかないといけないだろう。あの状態の中に突入しないといけないのか。弟子共は早々に退避してたしなあ。まあ、解らんでもないが」


「……とりあえず、俺が行ってくる。今後もこの作業をやらないといけないのではないかと思うと、色々と思う所があるんだが、とりあえず、拾い上げるくらいは出来るだろう」


「頼むわ。こっちで鎧の準備をして待っているからよ。無理せん程度に行ってくれや。あれで、何ともない普通の剣でしたってなるのは、ちょっとどころではなく、効くな」


「流石にそれは無いと思うがな。あそこまでなって作った剣が、鉄と魔石の合金よりも弱かったら泣けてくるから、勘弁してもらいたい。何処までの物になったのかねえ」


「少なくとも、普通の銀製の剣よりはマシだろう。マシレベルの物だと、割に合わなさすぎて、作る気力も起きないがな。あれを作るのは、無い方が良いんだろうが……」


「優秀な武器になった場合は、あれを毎日作る破目になるぞ。先に道具を作らんことには、どうにもならないぞ? 炉に近づけただけで、掴みばさみが熔けたんだからな」


「最低でも、道具は同じ素材で作らないと駄目だろうな。研究するにしても、最低限の道具は必要になってくる。魔石が足りるのかの心配もしなければならないんじゃないか?」


「魔石は大丈夫だろ。冒険者が頑張るさ。俺らの仕事は、武器を作る事だろ。まあ、合金の配合比率なんかを考えないといけないんだから、もの凄く苦労はするんだろうけどな」


「お待ちどうさん。剣を拾ってきたぞ。……凄え事に全く熱くなかった。部屋は熱いんだが、剣自体はひんやりとしてやがる。これは本格的にやばいものかもしれないな」


 一体何を作ったのか。どうしたらこうなるのか。理屈は解ったが、理解が出来ない代物に、若干の戸惑いを見せながら、広場の方に行った。


 とりあえずは、これの切れ味を確認しない事には、話にならない。鉄鎧に当たって砕けた場合、ここにいる鍛冶師が全員膝を付くことは目に見えているんだが、果たしてどうなるのだろうか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ