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【書籍化】庭師の錬金術師【★10月10日★販売!】  作者: ルケア


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魔石合金

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

 魔石の合金。考えたことも無かった。合金とは、金属と金属を合わせて行うものであり、魔石は金属ではない。故に、合金にしようとは誰も考えていなかった。


「魔石の合金。出来るか出来ないかっつったら、どっちだ? 俺はやったことがねえ。試してみる価値はあるとは思うが、どうだ? 無理だとは思わねえ。なんとなくだが、いける気がする」


「合金か。考えたことも無かったな。普通は金属同士を合わせるからな。魔石でも出来ないことは無いとは思うが、どうなんだろうな。とりあえず、炉を使わせてくれ」


「ああ、いいぞ。その為にここで会議をしているってのもあるしな。最近は炉に火は入れっぱなしだからな。弟子が使っているだろうから、どいてもらえ。こっちの方が優先だ」


「出来たら、出来たで、なんて言えば良いのかは解らんが、まあ、発想としては有りだよな。出来るんであれば、もうちょっと配合比率なんかを研究したいんだが」


「研究は後でも出来る。とりあえずは、試してみるしかないだろう。魔石がどの位必要なのかは解らねえが、とりあえずは、そこにあるもんを適当に使ってくれ」


 案が出てきたら、即実行。とりあえずの案でしか無いんだが、誰も知らない事が議題に乗っかったんだ。試してみない事には始まらない。合金を作るスキルは、鍛冶師にはある。


 無い職業もあるんだが、それでも、合金作成のスキルを持っている弟子は居る筈だ。研究はそいつにやらせればいい。とりあえずは、結果が必要だった。


「鉄で良いよな。銀は流石に勿体ないだろ? 出来れば良いが、出来なければ大損だからな。とりあえずは鉄でやるとしてだな。……そろそろだな。よし、こんなもんか。合金作成!」


「「「「「……出来たな」」」」」


 そう、出来てしまった。金属と金属を合わせるのが合金だと思っていたところに、魔石を合わせることが出来てしまった。これは、画期的な事ではあった。


 合金は、金属以外でも出来る。そういう事例になったんだ。これをなんと表現すれば良いのかが解らなかったが、とりあえず、出来てしまったからには、試してみるしかない。


 合金が出来たらどうするのか。とりあえずは、武器を作ってみるのが基本だ。そして、試し切りをしてみるのが基本だ。どんな性能なのかを決める必要があるからだ。試し切りは必須と言っても良いだろう。とりあえずは、剣を作って、広場に出てみた。


「魔石で合金が作れちまったし、剣も出来た。後は試してみて、どう判断するのかだよな。研ぎも終わっているし、後は、的だけなんだが、まだか?」


「準備は終わったぞ。とりあえず、弟子の作品の鉄鎧だ。店売りできるくらいの品質はあると思っている。試し切りには丁度いいだろう。藁では、解らんだろう?」


「だな。いい選択だ。藁なら俺でも切れるからな。それで判断するのは違うだろ。鉄鎧相手に、どのくらいできるのかが知りたいな。脆くなっているとは、考えづらいんだが」


「まあ、とりあえずだ。こいつの耐久度を計るのを兼ねて、全力で振り下ろすからな。そこから判断しようや。いくぞ、……ふん!」


 ガキンっと音がして、剣が叩きつけられた。鍛冶師はある程度は剣の扱いが得意だ。というよりも、色んな武器を扱える。何せ試し切りをしないといけないからな。ある程度は使えるんだ。


 勿論、スキルは無い。鍛冶師としては、武器の扱いに長けるというのは、当然の事であった。どんな武器でも、人並みには使える。それが鍛冶師というものなんだ。


「……刃こぼれは無しだな。強度はそれなりにありそうだな。鎧の方は、ちょっと凹んでいるか? それなりの商品価値があるもんだって話だよな?」


「ああ、店売りするくらいには、そこそこの出来だぞ。それが、一撃で凹むのか。強度が上がっているというのも、あながち間違いでは無い気がするな」


「となると、連続使用をした時にどうなるのかだよな。直ぐに刃こぼれするようじゃあ使えねえ。配合がミスっているって可能性もあるが、適当な配合でも、多少はやれないと困るだろ」


「だろうな。今度は連続で斬りつけてみるか。強度を計るから、それなりにやらせてもらうぞ。ちょっと離れててくれ。では、……ふん!」


 ガキンガキンガキンと音が響く。本職ではないが、初心者くらいなら倒せる実力があると見てもいい。それなりの剣士が鎧を相手にどんどんと斬りかかっていく。


 次第に大きくなる音に、鍛冶師が興味深そうに見つめている。それなりに腕がある鍛冶師連中だ。あそこまで鉄鎧相手に振るったら、流石に刃こぼれはしているだろうと予想できる。


 30撃、40撃、50撃程したころ。息を上げて、漸く耐久テストは完了した。鉄鎧はボロボロ。凹み、所々に斬れた跡が残っている。そして、肝心の武器の方なんだが。


「……刃こぼれは無しだな。正直言って、予想外だった。ここまで変わるとは思っても居なかった。ちょっと軽くなったのが気になる所だが、銀を混ぜちまえば、気にならないだろう」


「合金に出来ることが解ったんだから、成功ではあるだろう。成果無しで報告するのは、流石に辛かったからな。成果が有って喜ばしい事ではある。配合比率を変えて、色々とやらないとな」


 今回集まった鍛冶師に安堵の表情が伺えた。流石に、お貴族様に、何の成果も得られませんでしたでは、済まされないだろうと思っていたんだ。少しでも成果が有ったことに喜びを感じている。


 このまま商業ギルドに報告をしてしまおうと、誰もが思っていた。そして、独自の配合方法を生み出し、自分の利益に繋がる様に策を立てる。どのようにして、顧客を捕まえようか、そう考えていた。

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