現状の確認
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魔石、ほんの数年前までは、自由に使う事も難しかった魔石が、今では沢山使っても怒られないどころか、むしろ推奨されるくらいになっている。鍛冶師としては、本当に有難い。
炉に入れる魔石が無くては、何も物が作れないからだな。木材では限界がある。高温を維持しないといけない炉は、魔道具の方が好ましい。故に魔石を使う物になっている。
まあ、魔石を使ってくれと言われるなんて、思っても居なかったことではあるんだが。魔石は貴重な物。使ったら、精一杯に仕事をしないといけないと思っていたんだ。それが、近年では、魔石が貴重な物では無くなってしまっている。本当に時代の流れが早い。
「魔石で剣は作れんだろ。試してないが、無理だろうな。常識的に考えたら、そうなるだろ? まあ、やりたいことは解るんだがな。常識で判断していたら、魔石を使うのは無理だ」
「だろう? だから集まっているんじゃねえか。俺も無理だと思ったから、今回の集まりに関しては、仕方がねえなって思ったんだからよ。魔石が余るってのは、異常だろ?」
「冒険者が稼げているって事だからな。うちにも装備の更新をしに、冒険者がよく来ている。冒険者の成長に武器がついて行けてない感じがするのは、気のせいでは無いはずだよな」
「ああ、それは俺も感じてる。冒険者が一気に強くなってきているよな。顔つきも変わってきている。悲壮感があったころと比べると、本当に良くなってきているからな」
「俺んところには、兵士からも依頼が来ているな。兵士も鍛えているらしいぞ。冒険者顔負けってくらいの兵士も居るって話だ。兵士が強くなることには、悪いことはねえな」
「治安が良くなるからな。それに、冒険者も金を持ち始めた。だから余計に治安が良くなっている。金持ちになったら、喧嘩はしねえ。金が無いから暴れるんだ」
「確かにそれはあるよな。だが、俺らの武器が、冒険者に負けているってのも腹が立つ。何かしら良いものが手に入らないと、冒険者に負けるってのは、な」
「こっちにも意地があるからな。冒険者に負けている武器しか作れねえってのは、業腹だな。防具は、依頼があるから、作っているんだがよ。あれは例外だろ?」
「グランドドラゴンの鱗を使ってくれって奴か? あれもなあ。無理では無いんだよ。ただ、完全かと言われると、自信がねえ。全部が全部火属性の耐性が付くかと言われるとな」
「お前んところもか。そうなんだよなあ。つなぎ目には、どうしても金属を使わにゃいかんし、完全に火を通さないってのは、案外難しい。出来ない訳じゃないが、鍛冶だけでは限界がある」
「そうなんだよなあ。冒険者が進歩していっているってのに、俺たちが、その成長を止めていたら、駄目だろって思うんだが、如何せん、技術以前の物が足りないんだよなあ」
「魔石を金属の代わりに使えたら良かったんだろうがよ。そういう訳にもいかないからな。熱には強いんだから、火には強いと思うんだがな。肝心の魔石が使えねえんだから話にならねえ」
冒険者が先へ先へ行けているのに、自分たちは止まったまま。それで、冒険者の足を引っ張っているような気がしている。それがここに集まった鍛冶師の総意でもあった。
グランドドラゴンの討伐。これは冒険者が強くなってきた最近になって起こったことだ。それには、ポーションの存在も大きいんだが、彼らにとっては、冒険者が進歩したようにも見える。
その素材を使って、武器や防具を作るのが、彼らの仕事なのだが、今のままでは、中途半端な仕事しか出来ないと思っている。腕が無いとは思っていない。だが、何かが欠けている。
解らないなりにも、とりあえず、話を進めていく。何かヒントがあれば、それを試す気でいるんだが、今までの考え方から、抜け出すには、後1歩、何かが足りない気がしていた。
「つうか、魔石なんだがよ。そのまま使う事は出来ねえのか? 試したことが無いから解らねえんだが、スキルで加工は出来ねえのか? 出来たら便利だとは思うんだが」
「それは、俺が試してみたな。無理だったぞ。加工は出来ねえ。反応しねえって言った方が正しいのか? なんつうか、金属では無いってのが解っているからなのかね?」
「金属では無いわな。そりゃそうだ。魔石は魔石なんだからな。金属な訳がねえ。つっても、何かしら使わねえといけないのは確かなんだがなあ。何に使えるのかって所だろ」
「だって、魔石だろ? 金属じゃねえんだから、鍛冶師の領分では無い気がするんだがな。鍛冶っつったら、金属を加工することだろ? 魔石は金属じゃないってのによ」
「かといって、魔石だろ? 服飾関係の仕事でも無いわな。魔道具師の領分だろう? そっちで使ってくれりゃあ良いんだがな。魔道具師も結構いただろ?」
「それ以上に魔石が余っているから、こっちにも話が来たんじゃないのか? 使えるって、確証があれば、使えるんだがな。解らんものをどうやって使えって話なんだか」
「しょうがねえだろ? お貴族様に、鍛冶師の何たるかを教える訳にはいかないんだからよ。けど、何かしら成果を上げないといけないんだろ? 厳しいよなあ」
「全くだ。金属なら、何とかなるんだろうけどな。金属じゃねえからなあ。特に変わった特性でもあれば、話は変わって来るかもしれねえが、魔石だからな」
「金属なあ。……なあ。誰か試したことがあるんだったら教えてくれ。魔石を合金にした奴は居るか? 金属であれば、合金に出来るんだろうが、魔石に出来るのかどうかが知りたくてな」
「「「「「……」」」」」
放り込まれた石は、波紋を生んだ。魔石の合金。それは誰も試したことが無いものであった。答えが返ってこない事が、そのことを証明してしまった。
鉄と銀を合金にする事は、よくある話なんだ。重さを増したい時には、使われる手法である。だが、魔石を合金にしたものは、この集まった鍛冶師の中には、誰も居なかった。




