幕間その一 運営と想定外
VRMMOものの小説で、掲示板回がとても好きなのでいずれ出したいですね。
「さて、FreedomFantasiaOnlineが始まったわけだが、プレイヤーの方はどうだ?」
「受け入れは順調っすね。サーバーが落ちることもなし。ゲームに対する評価も上々っす」
「モンスターと戦うことに慣れないプレイヤーも一定数いるみたいですが、大体のプレイヤーはもう狩りを始めてますね。人型のゴブリンなどと戦っても忌避感はないです」
「やはり、血飛沫のエフェクトをアニメチックにしたことがよかったんすね。あとは、倒した後に死体が砕け散って光になるエフェクトと、ドロップアイテムに変換されるシステムもそれを助けてるっすね。僕も、リアルな血飛沫や死体はキツいっすもん」
「ふむ。ではエフェクト関連はこのままの路線で行こうか。選ばれた種族については?」
「やはりと言っていいのか、人間が一番多いですね。次点で獣人。エルフやドワーフも一定数選ばれています。翼人や魔人は数は少ないですがそれでも総プレイヤー数からしたら多い方ですね。魔機人は……その……二百名ほど、ですが」
「正式サービスでそれだけ残ってたら上々じゃないっすかねぇ〜。明らかに他の種族に比べて初動が大変っすもん」
「開発チームの悪ふざけですからね……その分、成長した時の強さも大概ですが」
「――ちょっと待って欲しいっす。散華の森の隠しダンジョンがクリアされたっす!」
「……どのダンジョンだ?」
「魔機人専用のダンジョンっす。入ってきた人数と装備によって難易度が変わるヤツっすね」
「もうそこまで装備を整えた魔機人がいたと?」
「いや、見た感じ初期装備っす。スキルの方は始めたてにしては高いっすけど。しかもソロっすよ。初期装備の魔機人で、さらに一人であのボスに勝つのは、いくら相手が最弱状態って言っても無理っす。少なくとも僕にはできないっすね。開発の変態共ならあるいは……って感じっすかね」
「ふむ。しかもどうやら、魔機人の仕様について気づいたようだな。戦闘の最後の方、明らかに動きが変わっている」
「この段階で、しかもベータテスターでもないのに?」
「そのベータテスターでも限りなく一部のプレイヤーだけっすけどね。まったく、とんでもないプレイヤーもいたもんっす……」
「要注目プレイヤーだな。名前は……ミオン、か」
「……あれ? たしかあのダンジョンってソロでクリアすると――ま、僕の責任じゃないっすから。なにか問題があったら主任に全部押し付けるっす」
ここまで読んでくださりありがとうございます。
続きもお楽しみください。




