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第百十五話 オーバーホール②

続きです。


しばらく水曜日は投稿曜日から外そうと思います。これで金日月の週三更新になってしまいますが、これからもよろしくお願いします。


それでは、引き続き本作品をお楽しみください。

 さて。とりあえず作れるだけの複合属性インゴットを作ったけど、こいつをどう組み合わせていこうか。

 んー、まずは基本となるマギアサーベルを改良していこう。

 中身の魔導石を一番いいものに変えて、魔力の通り道になるケーブルをクリムちゃんの素材で補強していく。これで新たな魔導石の魔力量にケーブルが耐えきれない、なんてことは起こらないはずだ。


 持ち手と刀身が現れる鍔の部分には、魔導黒銀・インゴットを使用する。マギアサーベルを作るくらいの数はあるからね。これで、基礎装備であるマギアサーベルがさらに強化されたわけだ。

 で、この強化されたマギアサーベルをさらに強化していくわけだけど……どういう形にしていこうかな。

 基本装備である以上、このマギアサーベルは普段使いしたいし……アタッチメントかなにかで複合属性の刀身を生み出せるようにしてみようか。


 アタッチメントの形としては、直接マギアサーベルの鍔に取り付けるようにして……ガン〇ムXのビームソードみたいなナックルガードもどきも、アタッチメントに取り付けてみよう。

 あ、そうだ。アタッチメントはマギアサーベルを捻ることで着脱可能にしよう。そうすればアタッチメントの入れ替えもスムーズにできそうだね。


 《パーツクリエイト》と《上級鍛冶》スキルを駆使して、形を整えていく。アタッチメント本体は、それぞれの複合属性インゴットを使えば楽に属性の変換ができるだろう。

 というわけで、とりあえずの成果として三つの複合属性アタッチメントが完成した。

 魔血属性のブラッド・アタッチメントに、雷属性のライトニング・アタッチメント、聖属性のセイント・アタッチメントの三種類だ。


 アタッチメントは左のリアアーマーにホルダーを追加し、そこにマギアサーベルを突っ込んで捻ることで取り付けられるようにした。

 まずは試しにそれぞれの複合属性サーベル……いや、この場合はソードって言ったほうがいいかな。


『ブラッド・マギアソード!』


 マギアサーベルを鮮血のような紅色のアタッチメントに突き刺し、捻りを加える。

 カチリ、と持ち手がロックされたのを確認して、ブラッド・マギアソードを引き抜いた。

 その刀身は紅と黒に染まった、まさに血の色をしており、切っ先からぽたりぽたりと、液体のようななにかが滴り落ちている。

 その液体は地面に触れるとジュウゥゥ、と音を立てて煙を上げた。なんだか、酸みたいだね。思ってたのとちょっと違うなぁ。


『さて、次々!』


 私はブラッド・マギアソードの刀身を消し、左腰の元の位置へと戻す。持ち手を捻りブラッド・アタッチメントを外し、次のアタッチメントを取り付ける。


『ライトニング・マギアソード!』


 次に取り付けたのは、雷属性のライトニング・マギアソード。

 鍔から伸びる刀身は雷をまとっており、時折バチバチと音を立てている。

 これに関しては予想通りと言うか、なんの面白みもないと言うか、まぁ、主戦力にはなりそうだ。特に、金属装備が多めの相手に使えれば戦闘においてかなりのアドバンテージを取れそうだね。

 なにより、アタッチメント式だからライトニング・マギアソードでスタンさせた後に、他の属性で追撃ができるってのがいい。

 アタッチメント式のマギアソードはギルド内で共有してみよう。ま、親方あたりならすでに量産計画も立ててそうな気はするんだけどね。


『最後はこれ。セイント・マギアソード!』


 聖属性のアタッチメントに付け替えて抜刀。

 現れた刀身はなんと言うか、ぼんやりとした光のような、形容しがたい形をしていた。少なくとも、マギアサーベルのようなビーム状ではない。

 聖属性、つまり、これは破邪の力を持ったソードってことでいいんだろうか。アンデッド特効……って感じなのかな。

 んー、使い道はあんまりない……かな? 対極の属性である魔属性にも特効を持ってる可能性はあるけど、普段使いはできなさそうだ。


 アタッチメントを取り外し、そっとインベントリの中にしまい込む。セイント・アタッチメントはしばらくインベントリの肥やしになってもらおう。うん。

 さて、と。じゃあ新しく三つ目になるアタッチメントを作らないとね。マギアサーベルを一旦格納し、今までに作った複合属性インゴットを取り出していく。


 火と土を組み合わせた溶岩属性のマグマメタル・インゴットに、土と風を組み合わせた木属性のツリーメタル・インゴット。闇と光を2:1で組み合わせた魔属性のデビルメタル・インゴットに、火と光を組み合わせた浄火(じょうか)属性のセイクリッドメタル・インゴット……これくらいかな。

 風と火とか、組み合わせやすいし複合属性でありそうなもんなんだけどね……なぜか属性としては存在してないんだよね。


 うーん、この中だと魔属性のデビルメタル・インゴットか、浄火属性のセイクリッドメタル・インゴットがいいかな。語感というか、名前にかっこよさがあるよね。

 よし、とりあえず浄火属性のセイクリッドメタル・インゴットでアタッチメントを作ってみよう。セイント・アタッチメントの時のように肩透かしはやめてほしいけどね。


『よし、いくよ! セイクリッド・マギアソード!』


 カチリとアタッチメントをロックし、一気に引き抜く。

 現れた刀身は、簡単に言うなら光をまとった炎だ。メインの刀身部分は炎の部分が担っており、その周囲をキラキラとした粒子のような光がおおっている。

 炎の色も赤色ではなく青……いや、蒼と言うべきか。揺蕩(たゆた)う水面のように揺らめき、それでいて確かな存在感を感じる不思議な剣だ。


 うん、いいね。三つ目のアタッチメントは君に決めた!

 私はセイクリッド・アタッチメントを取り外し、左腰のホルダーに取り付ける。これで、三種類のアタッチメントが完成したわけだ。

 まぁ、他の複合属性も使い道があるだろうから、それぞれアタッチメントを作ってインベントリの中にしまっていく。


 よし、とりあえずマギアサーベルの改造……もとい改修はこんな感じでいいかな。これでかなりパワーアップしたはずだ。ブランシュヴァリエソードに頼りきりってのもあれだからね。ロボットの武装として、サーベル系統は必要だと思うんだ。

 と、あとはマギユナイト・ライフルをどうするべきか……ぶっちゃけで言えば、マギユナイト・ライフルも魔導黒銀・インゴットで改修したいところだ。ま、量がまだ足りてないし、マギユナイト・ライフルの方は後回しにするしかないかな。


 ひとまず中身の魔導石を一番いいものに変えて、内部構造を新しい出力に耐えきれるように調整。あとはちょちょいと外装を手直しするくらいかな。

 これで多少は火力が向上したと思う。マギスティアモードが切り札なのは変わらないかな。今までは150%までしかチャージできなかったけど、今回中身を見直して新たに魔力タンクを取り付けたから250%まではチャージ可能になった。ま、250%の威力に銃身が耐えきれないから一発撃ったら修理しないと使い物にならなくなるんだけどね。


 よしよし。とりあえず武装の調整はこんなものでいいだろう。さて、時間は……げ、もう夕飯の時間だ。そろそろログアウトしないと兄さんに迷惑がかかっちゃうな……。

 仕方ない。ご飯を食べに行くかと急いでゲームからログアウトした。

 現実に戻ってきた私は、美味しそうなご飯の匂いに釣られてリビングへと向かう。今日の夕ご飯は兄さん特製のスペシャルカレー。ぐっ、お腹が減っている今、この匂いは強烈だ……!


「ははは。そんなにがっつかなくても、おかわりはあるからね」

「むぐむぐむぐむぐむぐむぐ……」


 PvPイベントのことは気になるけど、まずはこのどうにも美味しいカレーを何杯おかわりできるか、それが一番の問題だね……。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

続きもどうぞお楽しみください。

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― 新着の感想 ―
[一言] 単純な装填式の属性チェンジか(゜ο゜人)) 引き抜く時に刀身が出るならカウンターの居合斬りなら見破れず斬り伏せられるな(⑉⊙ȏ⊙) 色々新兵器や未使用な転神も見所になりそうなイベントになり…
[一言] もきゅもきゅ食ってやがる……www
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