674 道場をどうじょー(ギャグ)
毎週、土の日。
朝食が終わってひと息つくと、マールは手早く支度を済ませ一人「もうひとつの職場」へと向かう。
さほど多くない荷物を肩に提げ、朝日の暖かさと空気の冷たさを同時に感じながら石畳を歩く。 出勤中の男性や道を掃除しているメイドの少女など、知り合いの人は多い。
近所の人達とすれ違うたびに会釈や短い挨拶を交わしながら歩いていると、やがて新築同然の堂々たる姿が見えてきて、思わず目を細める。
と、目前の十字路にもまた、知り合いの女性が立っていることに気づいた。
シンプルだがシックな装いに上品なたたずまい。 普段着にも一定のお洒落を忘れず、まさに貴族の若奥様と呼ぶにふさわしい妙齢の女性である。
「おはよう、マールちゃん」
明るくなってきた住宅街に白い息を漏らしながら、優しく笑いかけてくる女性。
メイド服にコートを羽織ったマールも、まずは微笑みだけを返す。
「おはようございます、ポリーナさん」
ちゃんと挨拶をするのは、女性の前に着いてから。 左右を確認してから十字路を渡る。
馬車がかろうじて行き違える程度の道幅のため、十秒とかからない。
「今日も寒いですね」
「そうねえ」
ポリーナ・メロンファスという名の彼女は、この近所の住む、「まさに」ではなく本物の貴族の若奥様である。 濃い灰色をした髪の左右からは、短く黄色い毛に覆われた丸い耳が覗いている。 髪をポニーテールにしているマールは、なんとなく自分の耳に触れながら「温かそうだな」と思った。
だが、彼女の首にはじんわりと魔導具のチョーカーがあり、そこから絶えず暖かい空気が上下に漏れてくる。
だから寒くはない。
「でも、もっと寒くなるのはこれからだもの。 嫌になるわ」
ポリーナはそう言って白いため息をつき、ロングスカートの横で耳と同じ黄色い柔らかそうな毛を生やすしっぽを揺らした。 その先端は白くなっている。
彼女は多種多様な亜人種の中でも珍しい部類に入る「貂人族」なのだと、初対面のときに聞いた。
「そうですよね……ところで」
「ええ。 待っていたの」
マールが聞こうと思っていたことを、ポリーナは最後まで聞く前に答えた。 先週マールはセスルームへ旅行中だったが、そのときも来てくれていたとセフィから聞かされている。
近所からの要望により、今月から毎週土の日の午前中だけ、子供達のために道場を開放していた。
まさか毎週毎週たくさんの子供達が殺到するとは考えていないが、マール一人だけでは大変かもしれないため、必ず誰かしら大人の手伝い役がつくことを条件としている。
「すみま――」
「いいの」
更に頭を下げようとするマールを制し、ポリーナは橙色の瞳を細め、艶やかに微笑む。
そして後ろを振り返り、二階と半分の高さの建物を見上げた。
「思い出の場所だからね。 私にとっても、子育て合間のいい気分転換になるのよ」
釣られてマールも顔を上げる。 塀の向こうで、白い建物の壁が朝日に照らされ、大きく取られた窓のガラスが輝いていた。
十年ほど前――前の持ち主が住んでいた頃、彼女は掃除などの手伝うメイドとして通っていたという。
そこで今の夫を捕まえて玉の輿に乗ったのだ、とも語っていたが……。
今やすっかりリフォームされているが、彼女の目には当時の道場の姿がありありと映っていることだろう。
チュンチュンと小鳥のさえずりが聞こえる朝の十字路。
マールも口を閉ざし、二人で静かに道場を眺める。
「……それにしても」
「はい?」
「やっぱり御使い様って、小さくてもこんなに待遇がいいのねえ……。
マールちゃんも、いい旦那様を捕まえたものだわ」
「ええええええええっ!?」
後ろを向いたままのいきなりの発言に、マールは反射的にのけ反った。
「つ、つつ、つ捕まえてなんて……!?」
裏返ったマールの声を聞き、ポリーナは丸い耳をぴくりと動かすと、ニヤニヤした顔を前へ向け直す。
「あっははははは! ……だけど、ウチの夫も七つ年下よ? マールちゃん綺麗だから、十年後でも全然イケそうな気がするわ。
どう? 今の内からちょっとずつ」
「え、えええええ……!?」
どう? どう? と、ニヤニヤした顔で迫ってくるポリーナ。
マールは顔から耳まで真っ赤にして、後ろに倒れそうになってよろめくのであった。
マールちゃんが道場へ行くのを見送り、リビング兼ダイニングでまったりとしたひとときを過ごす。
さっきまでキッチンに二人並んで金色の髪を揺らしていたお袋とセーレたんも既におらず、今は先に出たチャロちゃんと三人でせっせと洗濯に励んでいるハズだ。 明日くらいから天気が下り坂かも~、という予報を聞いたからな。 雪になるかもしれない、とも言っていた。
しかし、俺が手伝うワケにもいくまい。 我が家の洗濯物の大半が女物だからなー。
ちなみにその予報を伝えた我が娘もまた、ネッ友のところへ遊びに行ってココにはいない。
テーブルにいるのは俺と、今日が休みでのんびりしている親父……それから、その親父の隣でもぞもぞしているマイブラザーの三人であった。
「えっと……お茶のお代わり、いる?」
「いや、もう十分だ」
「……」
……うん、暇だ。
親父には勧めておいてなんだが、俺も三杯目はもういらない。 本来は学校のある日だが、今は年休み。
特にコレといってやることも思いつかず……考えてみると、休みに入って何もない日って今日が初めてじゃないだろうか?
さあ、どうしよう?
勉強って気分でもないし、かといって、せっかくくつろいでいる親父に稽古を頼むのも気が引ける。
外は寒そうだけど、軽く素振りでもするか――。
「うー! おーりーうー!」
「!」
リソ君の声で我に返る。 退屈にしびれを切らしたらしい。
おお、そうだよ! こんな日こそ、ウチのリソベル君とたっぷり遊ベールではないかっ!
「……」
くだらない脳内ジョークはさておき。
なるべく空いた時間には相手をしてあげたりはするのだが、普段はなかなかまとまった時間を作ってあげられない。
こういう休みのときこそ、まさにうってつけではないか!
「なあリソ君――」
「そうだな。 そろそろ――」
……モロに被った。 親父もまた、じっと座っているのに飽き始めたブラザーと遊んであげるつもりだったようで。
共にブラザーへと向けていた顔を見合わせ、二、三度瞬き。
「……あはは」
「ははは」
やっぱり親子だなあ。 ていうか、素振りでもすっかなーって脳裏によぎったコト自体、思えば暇を持て余しているときの親父と同じ思考回路だ。
師匠も暇さえあれば木刀を振ってる人だけど、趣味というよりも鍛錬としてやっているところは、親父も俺と一緒だろう。
「じゃあ、三人で遊ぼうよ」
「フッ、そうだな」
親父とうなずき合うと、リソ君は「わあーーーー♪」と諸手を挙げて喜んでくれた。
――ずいぶん身体が丈夫になってきたとはいえ、ウチの王子様を氷点下かもしれない寒空の下で遊ばせる気にはなれない。 風邪を引いてはいけないし、転んでケガをしてもいけないしな。
マイドーターとはよく外で追いかけっこなどしているが、そこんところは気をつけるように言ってある。 庭の気温操作くらいはワケない。
男の子なんだから多少は……とも思うけど、それは幼児園に行くようになってからでも遅くはない。
と、いうことで。
「なんだ、この面妖な遊びは……」
「ええー」
面妖とは失敬な……って、親父の目にはそう映っても仕方ないんだよな。
ティーカップを片付けてリソ君の部屋に移動した俺とブラザーは、あぐらをかくような体勢のまま縦になったり横になったりして、床をぴょんぴょんと跳ねまくっていた。
不意にぶつかりそうになるときもあるが、そこはお兄ちゃんたる俺が手で防ぐ。
「はっはーーーー!」
「わああああーーーーー♪」
正しくは、絨毯の上に厚めのスライムマットを敷いて、大きい波を作っているんだけどなー。
親父の目からはきっと、自分の息子二人が宙に浮かんで七転八倒しているように見えていることだろう。 ……そりゃ面妖か。
ちなみに親父だけは、マットの外で見学になっていた。 柔らかさを重視してマットを厚めにしているので、あまり広くできないのだ。 今はたぶん、二畳くらいの大きさだろう。
そのためリソ君が外に飛び出しそうになったら触手で保護するつもりでいるし、親父も念のためスタンバってくれている。
王城を守るプロがいるのだ。 警備は万全である。
「おにー! びよーん!」
「おっし、びよーんだな?」
おおっと、新しいリクエストが来ましたよ?
マットの波を止めて薄くすると、代わりに触手を出して天井にくっつけ、更にV字ターンする形でリソ君の胴体に巻き付けて引っ張り上げた。
まるで、理科の教科書に出てくる滑車の実験みたいだ。
「そーら、ぐるぐるも追加だー!」
「うわああああああーーーーー」
更に軽く触手をひねり、上下に揺らすだけじゃなく横回転も加える。 ちょっとしたバンジー状態……もしくは人間ヨーヨー。
三半規管の弱い子だったら酔いそうだが、普段から宙づりに慣れているこの子はその点で非常にタフだ。
なので、往復スパイラル運動にも大はしゃぎである。
「な、なあジャス。 まさかセーレとも、前からこんな遊びをしていたのか……?」
「うん? ちょっと違うけど……まあ」
さすがにコレは、リソ君が男の子だからやっていることだし。 ワイルドさ三割増しといったところ。
でもセーレたんの場合は女の子だからもっと穏やかに、ブランコとかターザンとか――大して変わらないかも? いやあ、懐かしいなあー。
あの頃は「バレちゃいけない!」と兄妹でコソコソやっていた「禁じられた遊び」。 それが今では我が娘と王子様のおかげもあって、こうして家族の前では堂々とやって見せてもすっかり大丈夫になった。
昔は何度も見つかりそうになって、そのたびに肝を冷やしていたが……。
うーん、いい時代になったもんだ。
「……セーレのあの運動能力は、これで鍛えられたのか」
「そうかも」
もともと運動センスもかなりあったように思うけど、なにより「楽しく努力できる」才能があるよな。 それがイチバンだと思う。
びよーんびよーんと楽しそうに上下するブラザーを目で追いながら唸る親父に、俺も首を上下させながらうなずいた。
「わああぁぁーーぅぅうううぅぅーーゎぁぁああぁぁぁーーぁぁぅぅううわあぁぁ……」
「……」
「……」
……うっ。 首を動かしすぎて、ちょっと気分が悪くなってきた。
間近で見上げていると、特にヤバイな……。
「――ただいま。 遅くなりました」
昼をちょっと回ったくらいに、マールちゃんが帰ってきた。
聞くと、年休みに入って道場にやってくる子供が少し増えたらしい。 いつもは片手で数えられるくらいだったのが、今日はその倍近く来たんだとか。
しかもマールちゃんは、子供達の遊びに誘われることも少なくないようで……断れないんだろうなあ、きっと。
「さすがに、少し疲れましたね」
みんなで囲むおやつのテーブルで、マールちゃんが笑う。 でもそう言うわりに、あまり疲れているようには見えない。 孤児院時代から小さな子供の相手には慣れているというだけあって、マールちゃん自身も楽しんでいたようだ。
それに近所の人も何かと助けてくれているようで、大人どうしの付き合いも順調な様子。
俺はまだ見た目が子供だから、ちゃんとした大人であるマールちゃん達が管理してくれて本当に助かるよ。
「ふわわ~ん♪」
おやつを食べてひと息つくと、再び道場へとんぼ返りするマールちゃん。 ……の前を、俺とマイハニーが手を繋いで歩いていた。
俺がちょっとした用事を思い出したので、マールちゃんについて行くことにしたのである。
更にセーレたんも、洗濯のお手伝いが無事に終わって午後からは完全にフリー。 ということで、この三人で半分散歩のような気分で道場を目指す。
親父は一日家でのんびり過ごすことにしたようで、リソ君ははしゃぎ疲れてお昼寝に入ったのでそっとしておいた。
「僕も、向こうでちょっと稽古んで行こうかな」
「わたしも~!」
せっかく我が妹様もいるのだから、一曲お願いするのもいいな。 ちっとばかり、物騒なダンスだけれども。
なお俺の用事というのは、マリエルさんのレポートの回収である。 昨日の内に書いて、置いといてくれるって言ってたからな。
ただ、モノがモノだけに、二人には「俺の忘れ物を取りに」としか言ってないけど。
「……あ。 そういえば」
マリエルさんで思い出した。 歩きながら後ろを振り返り、マールちゃんに尋ねる。
オルスターマイナの服のままで来ちゃったの、近所の人に見られなかったかな? ウワサとかになってなけりゃいいんだが。
まー、もしもときは「御使い」の仕事の関係で……って答えるつもりなんだけどさ。
「いえ、特に誰からも」
「そうなんだ」
その辺は、さすがと言うべきか……。 そこそこ閑静な住宅街とはいえ、歩行者や掃除をしている人、井戸端会議をしている奥様達なども普通にいるっていうのに。
それに……近所の子供達にとっても、道端は絶好の遊び場だ。 ボール遊びとかはさすがに怒られるけど、それならそれで、他に遊びようなんていくらでもあるのが子供だからな。
場所や時間帯にもよるが、前世のように車がバンバン通るってコトもそんなにないし。
「おっ?」
見慣れた道場と十字路が見えてきたなーと思っていると、その道場の前に複数の人が立っている。 まず一人は、黒っぽい服を着た、茶色くふわっとした長い髪の女の子。
で、その娘と話しているらしいのは……こう言うと本人に怒られそうだけど、遠くから見るとそんなに歳が離れているようには見えないフリフリな服を着た、紫色の大きなリスしっぽが特徴の女の子。 そして最後に、スラッとしたカッコイイ立ち姿とぼよよーんと螺旋を描くポニーテールが特徴の、全体的に黒い色合いのお姉様。
エミーちゃんと、シャルちゃん先生・アズミーリ先生のコンビである。
「こんにちはー!」
「こんにちわ~♪」
向こうもこっちに気づいたので、ハニーと一緒に手を振る。
一見するとなかなか珍しい組み合わせではあるものの、エミーちゃんはいつもだいたい午後になるとマールちゃんを手伝いに来てくれているので予想通り。 先生ズもまた、すぐ近くに住んでいるので十分に予想できる範囲内だ。
「おお、オリオール兄妹も一緒だったか」
「お久し振りですねー!」
まずは道場の管理人さんであるマールちゃんと挨拶を交わし、それから俺達ともご挨拶。 エミーちゃんは近づく前から小さく手を振り返してくれていたので、セーレたんと順番にぱちっと手を合わせた。
そういえば先生達とは、学校が終わって以来か?
「先生達もお休みですか?」
話しかけると、二人は同時に首を振った。
アズミーリ女史は縦に、シャルちゃん先生は横に。
「ああ、今日はな」
「生徒のみんなはお休みでも、先生にはなかなか休みがないんですよー……」
「そうなんです~?」
隣でハニーが可愛らしく小首を傾げてるけど、そうなんだぞー?
自主的に勉強したい子のために学校は開いてるし、毎月の魔術・武術の検定試験もあるし……。 場合によっては、先生自身の試験や勉強会なんかもあったりするらしいな。 事務のお姉さんが言ってた。
シャルちゃんの深ーいため息が、その大変さを物語っている。 一方、アズミーリ先生は相変わらずシャキッとしていた。
いつもちゃんとしている人だよなーと思うが……シャルちゃん先生いわく、その代わり家事の方はダメダメらしい。
なんというか、うまくバランスが取れているコンビであった。
「それで今日、ご迷惑でなければ道場の片隅でも貸していただけないかと思ってな」
「おー、そうですかー」
たぶん気晴らしも兼ねてるんだろうけど、せっかくの休みにも鍛錬だなんて。 ウチの親父と一緒だな。 ちなみに俺達が家を出る前、親父も「素振りでもするか」とリビングを出ていって……すぐに気まずそうな顔をして引き返してきた。
冬場は洗濯物の乾きが遅い。 ならばその分早く洗って、なるべく日当たりのいいところに干さなければならないのが道理。
戻ってきて「……すまん」と呟いた親父に、洗い物で手を離せなかったメイドちゃんズは揃ってうつむいていた。
「構わないだろうか?」
みんなの視線が俺に向くけど、当然俺に断る理由などない。
むしろ好都合だと言ってもいいくらいだ。
「もちろんです。 それで……僕達も稽古しようかなーと思っていたので、できれば付き合ってもらえると嬉しいんですけど」
「それこそ、もちろんだ」
クールに微笑むアズミーリ先生を見て、俺とセーレたんも顔を見合わせにっこり。 意図せず、いい先生をGETできてしまった。
そして、俺とマールちゃんを何度も見ながら何かを言いたそうにしているエミーちゃんに、俺から笑いかける。
「もちろん、エミーちゃんもね」
「あ……うん!」
その様子を見てマールちゃんがくすりと笑みをこぼし、言外にお手伝い免除の許可をあげた。
で、ひとり家に引き返しそうな気配だった、お疲れ気味な顔のシャルちゃん先生に声をかける。
「シャルさんはお茶でもいかがですか? 少しなら、買い置きのお菓子もありますよ」
「わあっ! いただきますっ♪」
リス耳としっぽをぴこぴこと動かし、先生は一転眩しい笑顔になってすぐさま食いついた。
相変わらずお菓子に弱い……けど。
「実は、ちょっと凹むことがありましてー」
「えっ、どうかなさったんですか?」
「いえ……どうも、来年も正担任には上がれなさそうで」
「あら、それは残念ですね……」
「……フーリエ先生は上がるらしいんですけど」
門の鍵を開けるマールちゃんを後ろで待っていると、シャルちゃん先生との会話が耳に入ってしまった。
エミーちゃんはそんな二人のすぐ側に立っていたので、とても気まずそうな視線を俺に送ってくる。
『……』
思わず、二人でアズミーリ先生を見上げてしまった。 長身の先生は苦笑を浮かべ、薄い唇に人差し指を立てるジェスチャーを返してくる。
俺達は深く、二度うなずいた。
「私も三年掛かった。 気にするほどの事ではないさ」
「そうなんだ……」「そうなんですか……」
こっそり教えてくれたその言葉に、俺とエミーちゃんは感嘆の声を漏らす。
厳しいお仕事なんだなあ。
「おけいこ~、おけいこ~♪」
一方セーレたんは、久し振りの「授業」に胸を躍らせているようだった。
どこまでもピュアな君に、乾杯。
「あああ、同期なのにぃぃ……」
「ええっと……また頑張ってくださいね?」
俺達の前でがっくりとうなだれるシャルちゃんと、それを優しく慰めるマールちゃん。
それにしても……。
「……」
いつも眠たそうな、あの一組の副担任の先生。
やはり、ちゃっかりと成果を上げていたようだ。




