番外編1 めりーくるしみます…萌え的な方向で
当作品をお読みいただきまして、ありがとうございます。
ご愛顧への感謝の気持ちとして、ささやかながらクリスマスSSを用意いたしました。
本編よりも文章量が多い位なのにSSって……という気もしますけど、お楽しみいただければ幸いです。
※ご注意:このお話は、本編とは一切関連を持ちません。
今日は、十二月二五日の夜。
冷たく澄んだ夜空には、いつも以上に輝く無数の星々。
その頂点には赤い月と、まるで恋人のように寄り添う小な青い月。
そんな二人を祝福しているかのように、すぐ側をキラリと一条の流れ星が通り過ぎた。
眼下に広がるのは、多くの家族や恋人達が過ごしているのだろう、無数の家々。
街には灯りがほとんど無くしんと静まりかえっているが、あちこちから上がる白い煙が、そこに確かに団らんがあるのだという事を教えてくれる。
そんな街の中にある、灯りの見える数少ない中の一軒に、彼らは住んでいる。
☆≡☆≡☆≡☆≡☆≡
いつもの、俺達兄妹の部屋。
壁には、星形に切り取られた色紙があちこちに貼られており、天井からは同じく色紙を輪っかにして鎖状に繋げられたものが、いくつもアーチを描いて垂れ下がっている。
普段一カ所に集められているぬいぐるみは部屋中に置かれており、部屋の賑やかさを更に盛り上げる観客のようだ。
ソファーの前には折りたたみ式の小さなテーブルが用意され、白いクロスが敷かれた上にはたくさんのお菓子やジュースが所狭しと並べられている。
そのソファーにちょこんと座っているのは、今日の――いや、いつも家族の中心として大切にしてくれる、小さな主役達。
すなわち、俺と妹様である。
そして、テーブルを挟んで向こう側に並んで立っているのは、三人の美少女達。
彼と彼女らは、『今日だけの特別な衣装』を身に着けていた。
それは赤と白に彩られた、鮮やかで温かそうな生地の服。
「うふふふふ~♪ みんな、と~っても可愛いわよ~♪」
頭の上には、白い毛玉の付いた、赤い三角帽子。
「えへへへっ♪ ありがとうございます、奥さまー!」
赤を基調とした上着には、やはり白い毛玉が三個ボタンのように縦に並んでおり、襟や裾、袖なども同様に白く縁取りされている。
丈は短く、腰のくびれやおへその窪みが白い素肌と共にそのまま見えている。
それどころか、腰の動きによっては更にお腹までチラリと見えることさえあり、非常に大胆だ。
ただし、胸元や袖のデザインについては少女三人でそれぞれに異なる。
「奥さまも、とーーってもカワイイですよー♪」
ネコミミを生やし、オレンジっぽいピンク色の髪の少女は、大きめのセーラー襟の付いた半袖タイプ。
襟の中央には大きな金色の鈴が付いていて、忙しなく動く度にちりんちりんと音がする。
屈託のない笑顔と相まって、とても可愛らしい。
「あらあら~♪ ありがと~、チャロちゃん」
金色のウェーブがかった髪を、今日はアップにせずにそのままお尻辺りまで流している少女は、チューブトップ――袖も肩紐もなく、白い素肌と大きな胸元がより強調されるデザインになっている。
それに反して、彼女の無垢な笑顔は見る人によっては幼いという印象すら与えかねない程であり、そのアンバランスさが可愛らしくも危険な魅力を醸し出す。
……これで二児の母だと言われたところで、果たしてどれくらいの人が信じるだろうか。
「あ、あの奥様……さ、さすがにこの服は大胆すぎますっ! と、特に、この……」
帽子を被っているため、空色に近い青の髪をポニーテールにせず、肩の少し下までストレートに伸ばしている少女は丸襟で袖のないノースリーブ。
襟の中央にある、ちょっと大きめの白いリボンがアクセントになっていて、意外と豊かな胸元へと目を引かれる。
普段見せない肌と髪型によって大人らしさが影を潜め、更に彼女が纏う衣装が彼女の年齢に相応しい少女らしさと愛らしさ、そして色気を前面に押し出している。
そして――――
「このスカートの短さっ!!
こ、こっ、こんなの……破廉恥ですっ! 恥ずかしすぎますぅ~~~~っ!!」
裾に白い縁取りをした赤いスカートの丈は三人共、膝どころか太腿が半分以上見えるくらいに短い。 実際、テーブルとかセッティングしてた時に色鮮やかなモノが……ゲフンゲフン!
普段は決して見せることがない、白くすらりとした脚が大胆に晒されており、綺麗なのは勿論、その脚の長いこと長いこと。
マールちゃんは顔を真っ赤にして一生懸命スカートを下へ引っ張っているが、当然それで丈が長くなる訳もなく。
「た、確かに、私も今まで見たことがないくらい短いけれど……。
他の人に見せる物ではないし~、ここだけで穿くなら、私はこれも可愛くていいと思うわ~♪」
「そ、そうですよねー♪
わたしもちょっと恥ずかしいけど、カワイイと思うよ、お姉ちゃーん?
えへへへ……」
にっこりと微笑んでいる二人。
しかし、セフィア―― この場では、何故か名前で呼んだ方が良いように感じるので―― は両腕を伸ばして手を前で組んでおり、チャロアはふりふりしているしっぽの付け根を両手で押さえるようにして後ろに組んでいる。
頬も少し赤く染まっており、実は少なからず恥ずかしいのを我慢しているらしい。
赤信号も何とやら、という心境なのかも知れないな。 赤いだけに。
そんな、恥ずかしげな三人の美少女の足元は、今の俺からはテーブル越しで見えないが……服と同じような生地で作られた、室内用のブーツを履いているのを既に見ている。
高さは足首程度で、上部は服の襟のように十センチ程度折り返されていて、その折り返された縁と靴底の部分が白く縁取りされている。
「だ、誰もって……じゃ、ジャス様がいらっしゃるじゃないでしゅか……はぅ」
その上噛んでしまって耳まで真っ赤になり、上目遣いで睨むようにしてじーーーっと俺を見つめるラリマール。
「うっ……」
初めて見るその仕草があまりに年相応で可愛らしく、視線が合った俺は一秒も保たず目を逸らす。
そして、横を向いた視線の先には。
「きゃあ~~んっ♪」
彼女達と同じデザインの赤の帽子。 ちょっと大きくて、すっぽり頭に被ってしまっているのが余計に可愛く感じられる。
上下はさすがに彼女らとは違って長袖になっていて、赤地に白い縁取りをしたジャケット風の上着とズボンを着ているセーレたん。
ふかふかの生地と、これまたちょっと大きめのサイズの服が、赤ちゃんらしい可愛さを尚一層強調している。
長い袖からちょこんと覗く、白い靴下や指先の見え具合がもう最高……♪
俺と目が合うと、ぴゅあぴゅあ純度四〇〇%のパーフェクツ・スマイルを見せてくれる。
「お、おぉーー……♪」
あまりの眩しさに目を細める俺。
……ちなみに、俺の着ている服はセーレたんと全く同じだ。
ま、俺の服なんてどうでもいいな。
どーでもいいや!
後半に続きます。
……後半以外には続きません?




