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そだ☆シス  作者: Mie
幼児編
34/744

30 るんるんらんらん双生児

挿絵(By みてみん)




 ――――ああ、ハズイ~っ!

 柄にもない事しちまった。

 穴があったら入りたい、無ければドリルで掘ってやる! ドリルは男のロマンなのである。

 ……ちなみに、あの後の事は聞かないでいただきたい。

 一言で言えば、日本一になったプロ野球の監督状態。 いや、さすがにビールかけはないが。

 まさに、上を下への大騒ぎであった。




 で、翌朝。


「今日は、たくさんお客様が来られるかと思いますけど、いつも通りになさって下さいね」


「おひゃう~?」

「やう~……?」


 兄妹揃って首を傾げると、『はあぁぁぁぁ~~んっ♪』と、ちょっと悩ましい声を上げながらぎゅ~~~っと俺達を抱き締めること数分の後、マールちゃんは満足げに部屋を出て行った。

 今日も隣のリビングが騒がしいが、何かしているらしい。


「……なんら?」

「おにぃ~?」


 まあよく分からんが、とにかく何時も通りで良いというなら否やはない。

 何方(どなた)かは存ぜぬが、客人が参られると申すならば、(それがし)斯様(かよう)に振舞わねばなるまい。 ……この口調は何だ?

 では、今日は二人で歩行訓練といきますか。


「しぇーれたん、はい!」


 まずはお手を拝借と俺が立ち上がり、両手を差し出す。

 男ならばレディをリードするのは当然の務めだ。

 ……三本締めではありませんよ?


「……ぅ? あ~♪」


 一瞬きょとんとしていたが、ちゃんと両手を出してくれる妹様。

 ぷにぷにおててを離れ得ぬようぎゅっと掴むと、俺自身がバランスを崩さないように気を付けながら、セーレたんを立たせる。


「おにぃ~♪ きゃあ~!」だきっ!


「ぉ、おうっ!」


 そのまま抱き付いてきたセーレたんに驚き喜びながら、そのままよたよたと歩いてみる。


「……ほ、……おぅ! ……よっ」


「あ~い♪ やぁあ~♪」


 思いっ切り体重をかけてこようとするセーレたんを何とか押しとどめ―― 気持ちは嬉しいが、今の俺じゃ支え切れん―― 垂直に立たせると、リードしながら部屋の中をくーるくる。

 俺の気分としては「シャル○ィーダンス?」なんだが……人から見れば「今日の大一番」って感じかも知れん。 のこったのこった。

 そんな事を考えて、ちょっと微妙な気分になっていると――



 コン、コン。


 ガチャ。


 ノックまで優しい、多分お袋だろうそれの続いてドアが開けられると、やっぱりお袋と、隣に見知らぬマダム? がいた。

 抱き合ったまま振り向き、固まる俺達。


「あらまぁ、とっても可愛らしくて元気でござんますわねぇ~」


 三〇代くらいか? 化粧しているのでイマイチ判然としないが、紫系のセレブなドレスを着たマダムが口を開いた。

 ……それにしても、何か武田○矢みたいな口調でござんますなぁ。


「昨日二歳になりました、左手が私の息子のジャスパー、右手が双子の娘のセレスティアですわ~♪」


「あ、おー」

「おにぃ~♪」ぐぐぐっ!


「……おわっ!」ずとん!


 お袋の紹介に合わせて、取り敢えず相手の目を見て挨拶っぽい声を返す俺。 俺的には『あ、どうも』って感じ。

 妹様は動きが止まったのを幸いと、再び俺にしだれかかってきた!

 支え切れずに、セーレたん諸共尻餅をつく。 結構痛い……。 決まり手は押し倒しか。


「あらまぁ♪ なんて可愛らしくて仲が良いのでしょう~」


「ふふふ……そうなんです~♪」


 服も髪も紫で化粧もちと派手なマダムではあるが、その表情は穏やかだ。

 良い人そうである。


「おにぃ~! おにぃ~♪」のっし!

「わうっ!」こてん。


 そのまま押し倒されて、ころんころんしている俺達。

 まあ確かに微笑ましい光景なのだろうが、もしこれが一五年後くらいだったら大騒ぎだな……なんて、ふと思ったり。 そんな事はあり得んだろうが。

 そうこうしている内に、二人は話をしながらドアを閉めて出て行った。



 何故かはよく分からないが、今日のセーレたんは何時も以上にスキンシップにご執心で、その後もずっと上になったり下になったり、上になったり上になったり下に上に上に下上下上上上下上……と、延々部屋中をころころしていた。

 その間に十数人の女性男性がお袋に案内されて来ては、可愛い可愛いとお褒めの言葉をいただき、また出て行った。

 俺的には、色んな意味で目の回るような忙しさで体力がヤバかったが……どうやら大人達には、じゃれ合う俺達の姿が上野かどっかのパンダの赤ちゃん的な光景に見えたらしく、とても喜んでもらえた。

 だけど、最初はテンション上がりまくりだったが、自分と同じくらいの重さを身体に乗っけて長時間転げ回るというのは、特にこの身体には堪える……。

 無論、レディ相手に死んでもそんな事は言わんがな!



 ……ところで妹よ、君はいたくマウントポジションがお気に入りのようだね?

 嬉しい反面、将来がちょっと心配である。




「きゃあきゃあ! やいやいや~♪」


「おうっ! も、も、やめ……」


「おにぃ~~~~っ♪♪」



「のほほほぉぉおおお……!!♪」


 な、中身出そう……!





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