表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
そだ☆シス  作者: Mie
まだ乳児編
22/744

19 You Don't Know?

挿絵(By みてみん)





 かぽーん。

 それは湯殿(ゆどの)における、文化の極みとも言えるあまりに有名な擬音語だが、それは異世界でも当てはまる。



 四方と上下を取り囲む全てが石でできた、天井はやや高めではあるが決して広くはない、四畳半程度の部屋である。

 花崗岩(かこうがん)のような灰色の石の表面は少しザラザラしており、壁天井にいたっては多少の凹凸が見られる。

 そのせいで、一見した印象は無骨な石室のようである。


 入口から見て右側の壁には、四角い大きな窓が高い位置に開いており、(だいだい)味を帯びてきた夕方の光が入ってきている。

 奥には、壁に沿って浴槽が設置されている。 幅と奥行きは一畳より少し大きい程度か。 幅は部屋と同じである。

 深さは五十センチくらいだろう。 どうやら、肩まで湯船に浸かる習慣はなさそうだ。

 この浴槽の石材は、黒みが強く表面もよく磨かれていて、いわゆる「御影(みかげ)石」に酷似しており、高級感を放っている。

 外から水を入れられるようになっているのだろう、右の壁から二十センチ程度の石の管が突き出ている。

 ちなみに残念な事に、管の出口は獅子や美女等を(かたど)った物ではなく、単純な円筒形である。


 その管の下の、浴槽の床付近の壁には、俺の手の掌くらいの大きさだろうか……赤く平たい丸石が四つ、等間隔で横に並んで埋め込まれている。

 そしてパイプの隣には、俺達兄妹の部屋にあった照明器具――〈魔導具〉のそれと同様の〈操作板〉がついている。 これがお湯を沸かすスイッチか。

 石の並んでいる面の右側、入口の方を向いている方の壁の底には木の棒が刺さっており、これを抜けばお湯が外に排水されるようになっているみたいだ。


 浴槽の外には、かけ湯用だろう小さい木の桶と、俺達兄妹を入れるための大きな桶が置いてある。

 小さい方の桶を逆さにして床を叩けば、さぞ素晴らしい「かぽーん」が聞けるハズである。 是非やってみたい。



 そんなオリオール家の浴室で、俺に付き添ってメイド服のまま―― 俺達はまだ浴槽じゃなく大きい桶を使うから脱ぐ必要はないのだ、チクショウ ――入ってきたネコミミちゃんことチャロは、俺の裸を見ると耳としっぽを真上にピンと立て、ほんのりと頬を赤らめて興奮した様子でキンキン声を上げた。



「す、すご~~~~いっ♪

 じゃ、ジャス様、たってますーーー!


 スゴイ……ピンって、たってます~~~~~~~~~ぅ!!」



 ――あのねぇ君、うら若き乙女が何て事を言ってんの!?


 ほら、入口の向こうから「ふぇっ!?」って、マールちゃんの声が聞こえてきたではないか。

 うん……そんなに、こそーり覗こうとしなくても大丈夫だよー?

 しかも何故か、とっても嬉しそうな表情だねー?

 何を期待してるのかな? かな?


 まあ別に、何も隠す事などないし――むしろ、俺の堂々とした見てくれ(・・・・)を見てくれ!

 ほら……スゴイだろ?



 ちゃんと二本の足で立ってるんだぜ、俺。

 ……三本目とかは関係ない!


 霊長類の頂点として進化したヒトに相応しい、立派な屹立(きつりつ)っぷりだと思わないかい?

 我が最愛の妹を導く者として、また一歩先に立てたという事は非常に誇らしいよ。 ぴーす!


「えへぇ~~~♪」



 二人分の拍手の音は、彼女らの歓声と共に、陽の光が橙から朱に変わるまで石室内に響いていた。





 その後。


「奥さまーーっ! ジャスさまがっ! ジャスさまがっ!!

 お風呂場で! 立って! 立って! それはもう、ご立派で!!

 すっごく、ピンピンですーーーーっ♪」


「……。


 ……。


 …………は、はい~?」



「ちゃ、チャロちゃん、そ、そんな言い方したら……♪」



 本っ当に、このにゃん娘は……時々トンでもない爆弾をバラ撒くなぁ。

 マールちゃんも、にやにやしてないでツッコみなさいっての! 顔、赤すぎ!!


「……あら、まぁ♪」


 お袋(あんた)も乗るなよ。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ