11 ニートの辿り着く場所
――――何故だ。
何故、まだ乳児なんだ?
本来だったら、俺は既に十五歳くらいに成長してて、どこかの学園に入ってモテモテになったり、ギルドに依頼されてドラゴンやっつけたら幼女化して懐かれたりしてても、決しておかしくないんじゃないのかっ!?
くそぅ、理不尽だ。
……まあとにかく。
精神年齢約二十歳の俺は、一日中美女&美少女達に囲まれて至れり尽くせり―― それこそシモの世話まで―― その上、食っちゃ寝ばかりで労働ナシ! という、まさに男の夢のような生活を数ヶ月に渡って過ごしてきた。
あれれ?
俺、何も間違った事は言ってないハズなのに……。
なんだか、もの凄ーく居たたまれない気持ちになってきましたよ?
いやいやいやいや!! ちゃんと俺だって頑張ってたし!
端から見りゃ、あーうー言いながらジタバタしてただけかも知らんが!
俺からすれば、「白い大きな部屋の中で、数ヶ月間、限界を超えるべく修行」の日々だった訳で。
むしろ、俺の銀髪がパツキンになるんじゃないかという位の勢いですよ。
……ホント、夏の暑さにも負けずによく頑張ったと思うよ? 感動だよ。
この何ヶ月かの努力の成果として、言葉を話すのはともかく聞き取りは大体できるようになったし、文字だってマンガくらいなら読めるようになった。
身体に至っては首も据わったし、ハイハイだって可能! 離乳食も始まったし、今は密かに立つ練習しているよ。
妹様はようやく手遊びを始めた段階だから、どれだけ早いか分かる人には分かると思う。
そして魔力の練習。
これは一〇〇%完全に手探りだから、自分でもよく分からない事になってる……。
しばらくずーっと、自分の意思で体内の魔力のかたまりを動かす練習をしていたんだけど、少しずつ引っ張り出して手から出すことができるようになってきた。
自分の魔力を手に集めてみたり、集めた魔力を固くしてみたり、水飴状にしてみたり、糸状にしてみたり。
空気中にも僅かに魔力の流れがあるみたいだから、水蒸気を集めて水を作るような感覚で魔力を集める練習もしてる。
ただ……そこから先が進まなくなった。
異世界のテンプレとして、魔力を収束してイメージをしっかり持てば、それでドカーン! と発動するのかと思っていたが……どうも違うようだ。
かといって他にできる事もないので、特に気に入った水飴状の魔力をうにょ~~ん、ふにゃ~~~ん、ふにふに~~~~っと練りまくって遊んでいたら、やたら手先が器用になってしまった。
それを妹様が見てとても喜んでくれるので、俺も調子に乗っちゃって……。
今では、ちょっとした鳥やら犬やらを作ったりと、完全に飴細工と化している。
最早職人の域である。
いずれは、東洋の龍とか鳳凰とか……。
最終的には、等身大セーレたんを作れるようになってやるぜ!
……何処へ行こうとしてるんだ、俺?




