9 現実の壁
改めまして、魔法である。
たかだか一度や二度くらいの挫折で諦めてはいけない。
諦めたらそこでシューリョーですよ! 星ひとつですよ!!
立て、立つんだ、俺ーっ!!
って、脳内でなに意味のないことをやってるんだよ……。
一人で沈んでいると、メイドちゃんズやお袋達、そして妹様にも慰められて即復活。
美人&美少女&美幼女の涙目×四とか、反則でしょでしょ?
例え墓の中からだって蘇って見せるさ! 額に黄色いお札を貼ってな。
ま、いい加減に冗談はこのくらいにして、冷静に何をすべきか思い返してみた。
……つーか、既に魔力感知してるじゃん、俺!
今はOFFになっているが、今も見ている天井の照明。
あの、ONの時には『ブゥゥゥゥゥン……!』という、ライト○ーバーみたいな音が聞こえてきそうな感じのするアレですよ。 実際には無音だが。
ちなみに口元がωの某キャラクターとは一切関係ございません。
魔力感知と言えば、異世界モノでは定番中の定番ではないですか!
あの時の感覚を思い出せ!!
目を瞑り、自分の身体の内部に意識を向ける。
心臓の鼓動、血液の流れを感じる。
とく、とく、とく、とく――。
そして血液とは違う、身体の中を駆け巡るような――いや、身体の中を満たす、大きなかたまりだ。 これが魔力だ!
それに手を伸ばすイメージ。 伸ばす、伸ばす、伸ばす。
届け、届け、届け……。
――――っ!? 届いたっ!?
何とか、魔力……らしいモノ? に触れることに成功!
よっしゃーーっ! テンション上がって来たぁーーーーーーっ!!
よし、次は、ここから魔力を指先に集めてみるんだ。
摘むように。 摘んで、腕に流すように。
……。
…………。
………………。
・
・
・
ぜーーーーはーーーーーぜーーーーはーーーー。
無理!!
コレ、絶対無理っ!!!
いつの間にか夕方になってるし、全身汗びっしょりになってるし。
また、お袋達に心配されるぞ……?
それにしても、まるで見えない壁を引っかいてるような感じがした。
引っかいても傷一つ付かないし、押しても、てんでビクともしない。
……でも今は、これ以外にできる事がないしな。
万が一、傷が付いて何かあったら困るし、取り敢えず押し出して動かすことを目標にしよう。
筋力トレーニングでも、全力で動かない壁を押し続ける事で鍛える方法もあるらしいし、続けてりゃ何か変化があるかもしれん。
何もやらんよりはマシだろ。
どうせ、時間はたっぷりあるんだ。
身体も少しずつ動くようになってきたし、起きていられる時間も延びてきたしなー。
気長にやるさ。




