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不死の騎士団

「いやー初めまして。私は防衛大臣のマーカスといいます。よく来て下さった。リコロもよく戻ってきた。それに……そちらの凛々しい方は王様の隠し子の方ですよね?」


「あなたのような下っ端には用がないわ。お父様を呼んでくださる?」

 レノバは大臣相手に一歩も引かず、大臣に命令するような口調でいいつける。


「ハハハッ! あなたに権力があるとでも思っているんですか? あなたたちは残念ですけど、城の中には入っていないんですよ。この意味がわかりますか? 残念ですがここで死んでもらいます」


 俺たちが入っていないということは、すべてなかったことにするつもりということだろう。

 なんかずっとこんなのばっかりだ。

 もういい加減飽き飽きしてくる。


「あぁわかった。わかった。もういいよ。兵士でも何でも連れてくればいいよ」

「それではそうさせてもらおうか」


 マーカスが指を鳴らすと、部屋の床に魔法陣があらわれ、亜人や兵士たちがあらわれる。

 

「あっ使えないからリコロも殺しちゃっていいから。終わったら俺の部屋に報告にきて」

 マーカスはそのまま部屋をでていく。

 残された男たちは不気味な笑いを浮かべて剣を抜く。


「ガキにオッサンとか、さっさと終わらせようぜ」

「ほんとにこんなんで呼び出されるこっちの身になれってんだ」


 男たちが自信満々に挑発してくる。


「はぁ、あと何回くらいこれをやればいいんだろな?」

「うーん。アルス様それなら全部倒してしまうとかいかがですか? この国ごと全部アルス様の手にいれてしまえばいいのです。そうすれば私も大手を振ってお姫様になれますし」


 レノバが無茶なことを言ってくる。

「はぁ。それはそれで面倒だよ。だけど、俺もそろそろ限界だよ。こんなことさせているなら、こいつ等に農業でもやらせた方がいい。本当に国が亡ぶぞ。王様は何をやってるんだ」


 父さんが苦笑いしている。

「俺がフォローするのもおかしいけど、ここの国の王様はいい人だからね。2人ともムチャはしないようにね」


 兵士や亜人たちから叫びなら飛びかかり、切りかかってくる。

「ゴチャゴチャうるせぇんだよ。俺たちはさっさとお前たちを倒して終わりにしたいんだよ」

 

 本当に……。

「クラウド」

「ピギュー」


 レノバが踊るように亜人たちを切りつけていった。

「一応、私の国の民なので手加減はしていますが、私にも限界はありますので、早めに降参することをオススメします」


 部屋の中でもお構いなしにクラウドが炎を吐く。

 周りは石作りだし、それほど燃えないだろう。


「父さん、可哀想だからリコロを守ってあげて! 俺たちがこいつらを倒すから。あとお前ら、1人ずつだとめんどくさいからまとめてかかってきていいよ」


「クソガキが! 調子にのりやがって! 大人の怖さを教えてやるよ!」

 狭い部屋の中で大人が一気に動いたため、横の動きが阻害されている。

 こいつら素人なのか?


 レノバと俺が一発で気絶させていく中で、クラウドにやられた奴らは火だるまになりそうになっている。可哀想だけど、さっさと降参しないのが悪い。

 あとで覚えてたら回復してやろう。


 もちろん、全部終わってからだけど。


「レノバ、マーカスがどこにいるか聞きだせる人間はとっておけよ」

「アルス様……こそ?」


 俺たちは、ちょっと調子に乗りすぎたようだった。

 全員気絶させてしまった。


「どうする? 起こして聞きだす?」

「いや、もういいんじゃないですかね? この城を乗っ取りましょう」

「そうだな。仕方がないか」

「ピギュー」

「いや、あの穏便にね。戦争になっちゃうからね」


 俺とレノバは部屋からでると、問答無用で兵士を片っ端から切り伏せ、マーカスか王様のいる場所を聞きだす。兵士が色々言ってくるがどこにもいない。

 この数時間は誰も姿を見ていないそうだ。


「よし、片っ端から探して行こう。レノバは前に住んでたからある程度わかるんだろ?」

「大丈夫です。道案内は任せてください」


 それから俺たちは片っ端から城の中を探索していく。

 まずは一番上から。


 本当なら、こういう時って敵の方からやってくるのが普通だと思うんだけど。


 時々兵士に絡まれることはあったが、レノバが全部一瞬で気絶させていく。

 姫の反乱なら戦争にならないという理由らしい。


 それから、俺たちは兵士たちを倒していったが、本当にキリがない。

 一度戦闘不能にしても、また復活してくるし、殺すわけにもいかないし。


 だが、それも城の大広間にたどり着いた時に終わりがやってきた。

 そこにはマーカスと豪華な服を着ている見るからに王様という男がいた。


「お父様を放せ!」

「よく、ここまで来たな。まさか、城の兵士たちが、まったく手足もでないとは思わなかったよ」

 王様はうつむいたままぐったりとしており、レノバの声にさえ反応をしめさない。


「もう少しわかりやすいところにいろよ! 探し回っちまったじゃねぇか! お前はいったい何が目的なんだ!? この国の現状を見たがやっていることに一貫性ない。武力を増強させるにしても、彼らが食べられるものがなければこの国は亡ぶ。なのに戦争をわざわざ仕掛けようと画策するなんて」


「目的なんて決まっているじゃないですか。この世界を混沌に陥れること」

 マーカスは懐から不気味な仮面を取り出す。

 その仮面は前に見たことがある、悪魔のクラプスが持っていた仮面によく似ている。


「お前もしかして悪魔の一味なのか?」

「ほぉ、よく知ってるじゃないか。だが、私の仮面を見たお前がたちが生きて戻ることはない」


 マーカスが王様の頭に手を置き、魔力を込める。

「お前何をした!?」

「簡単だよ。世代交代だよ」


 王様が力なく、椅子から崩れおちる。

「王様が死にさえすれば、あとは何とでもなるからな。いでよ我がしもべ。我が敵を殲滅せよ」

 

 部屋のいたるところから、骸骨剣士がでてくる。

 剣士が着ている甲冑はこの国の騎士団が着ていたものと同じだった。


「お前……もしかしてこの国の人をアンデットにするために!?」

「いいカンをしているじゃないか。さぁ不死の騎士団よ。お前たちの力を見せろ」

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小説書籍化しています。 ぜひ手に取ってもらえればと思います。 テイマー養成学校 最弱だった俺の従魔が最強の相棒だった件
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