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レノバはそっと剣を抜き……

「アルス様本当にありがとうございます」


「レノバもういいよ。100回くらい聞いたから」


「嬉しいことがあったら何回お礼を言ってもいいんですよ。幸せだなー」


 レノバに服を買ってからレノバは嬉しそうに袋を抱きかかえてずっと俺にお礼をいっている。

 こんなに喜んでもらえると俺もちょっと嬉しくなる。


 レノバが距離をつめようとしてくるが、絶妙な距離でクラウドが魔力障壁をはってくれている。さすがうちのできる子だ。


 後で美味しいお肉でも食べさせてあげよう。


 俺たちは今度は亜人街へむかっていた。

 もし隠れるなら管理が行き届いていない亜人街の方かも知れないと思ったからだ。


「レノバそれで次は……」


 なんだこの感じは?


「ん? アルス様どうしました?


『やっ……つながった……こ……分水……みせる……夢……回……』

 頭の中に何か断片的な声が聞こえる。

 頭が割れるように痛い。何か堅い物で殴られたような痛みだ。


「うわぁー! 頭が……」

 急に目の前に真っ白な景色が見える。

 一瞬でどこかへ移動したようなそんな不思議な感覚になる。

 ここはどこだ?

 

 その白い世界の中を見渡すと何もなかった空間にヒビが入り光が差し込んでくる。

『必ず……助け……』


 この声は……?

 一瞬大きな光に包まれると目の前に慌てふためくレノバいた。


「アルス様大丈夫ですか!! 体調悪いなら言ってくださいよ。本当にビックリしたじゃないですか!」


 先ほどまでの頭痛が嘘のように今はなんともない。

 今のはいったいなんだったのだろう?


 クラウドも俺のことを心配してくれているのかぺチぺチと頭を叩いている。

「悪い、俺はいったいどうなったんだ?」

「急に頭が痛いって言ったかと思うと意識を失ってしまったんです。本当に死んでしまったらどうしようかと思いましたよ。頭の痛みは大丈夫ですか?」


 手の握力や足の感覚を確かめるが特に痺れや麻痺はない。

「大丈夫。今はスッキリしている。俺はどれくらい倒れてた?」

「数秒ってところでした。本当に大丈夫ですか? 治癒院へいきますか?」

「いや、大丈夫。このまま探しに行こう」

「わかりました……でも、何か違和感を感じたら言ってくださいね」

「あぁ」


 どうやらレノバに相当心配させたようだ。レノバの目から涙がこぼれている。

 俺はレノバの頬に手をおき親指で目から涙を拭いてやる。


 この距離で見るレノバ……レノバの髭の部分に触れているはずなのに違和感がある。

「ひゃっダメですよ。アルス様まだ早いです」

「悪い。レノバ……」

「アルス様!!」


 一瞬何が起こったかわからなかったが、俺たちのまわりにいつのまにか複数の者に囲まれていた。

「レノバのファンクラブか?」

「似たようなものかと思います。恋する乙女を邪魔する障害ってところでしょうか」

 レノバはそっと剣を抜きその者たちをにらみつけた。

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小説書籍化しています。 ぜひ手に取ってもらえればと思います。 テイマー養成学校 最弱だった俺の従魔が最強の相棒だった件
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