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ゴールデンスライムを探しにいった先生はそのまま帰ってきませんでした。

「アルス君、今年のスライム学は優を与えますからね。もう授業にでなくても大丈夫ですよ」

 マロン先生はにこにこしながら俺にそう言ってくる。


 スライムの波にのまれてからマロン先生は非常にご機嫌だった。

 いつかスライムのプールで泳ぎたいというのが小さい頃からの夢で、それが今日叶ったと大はしゃぎしている。


 スラボウが呼び寄せたスライムの中には先生が今まで生では見たことがないスライムもいて、スライム津波はかなり満足だったらしい。


 俺はあの身長よりも高いのスライムの群れに飲まれるのは今回が最後にしてほしいと心の底から思った。触り心地はいいがあのなんとも言えない恐怖感はトラウマになりそうだ。


 先生は午前の授業内容を訂正してくれた。


「アルス君、今まで私はビッグボールスライムはテイムしても仕方がないと思っていました。でも、この仲間を呼ぶスキルを使えるというのは初めて知りました。先入観というのは本当にダメですね。これなら色々な種類のスライムを集めることができます。私もまだまだ勉強不足でした。スライムの魅力を改めて教えてくれたアルスくんは今年はスライム学は優をあげます。あっでも一応授業にはでてくださいね。まだまだスライムの魅力はありますから」


 先生はそのあと、金を生みだすゴールデンスライムの発見と共に森の中に姿を消していった。

「あのスライムをテイムすれば一生スライムの研究だけをして生きて行けます! 絶対にテイムしてみせますよ。待て! ゴールデンスライムー」

  

 ゴールデンスライムは噂ではなく本当にいたらしい。

 先生始まる前はテイムはやめとけって言ってたのに。

 大人の黒い面を見てしまった気がする。


 でも、あのスライムをテイムするのは非常に難しそうだ。


 ゴールデンスライムも波に混ざって平原まできたが、先生に見つかるとものすごい勢いで森の中に姿を消していった。


 あのスピードは俺でも捕まえるのが難しい。

 そして、そのまま授業は先生不在により流れ解散になった。


 俺とクラウドは……スライムの波に一瞬飲まれはしたものの、そのあとは俺たちのまわりを避けるように平原でちりじりに消えていった。

 どれだけスライムに嫌われているのだろう。


 スラボウがピョンピョン跳ねて、俺に頑張ったアピールをしてくるので頭をなでておく。

 ちょっと大きいが非常に可愛い。


 それにスラボウはかなり頭が良いようだ。

 結果だけを見れば、スラボウは俺の言う通りにしてくれている。


 俺は最初に先生の前にスライムを連れて行かなきゃいけないとスラボウに伝えた。

 量がちょっと桁違いだがスラボウは俺の希望を叶えてくれた。


 スラボウがどうやって先生を判断したのかなど疑問は残るがペガやフェンのように高位の魔物並みの知能があるようだ。


 結局スラボウ以外テイムできてはいないが、それは俺の問題なので仕方がない。


「スラボウ、ありがとうな」

 スラボウは俺の足にすり寄ってくる。

 頭がいいせいかテイムしてすぐとは思えないくらい懐いてくれている。

 

「よし、クラウド、スラボウ学校に戻るか」

「ピギュー」

 クラウドは俺の肩で元気に鳴き、スラボウは嬉しそうに反対の肩めがけてジャンプしてくる。

「いやっお前は……無理……うわぁ」

 

 スラボウを避けようとしたところ、足元にあった石につまづき転んでしまった。

 スラボウは俺の背中へ一直線でダイブしてくる。


「ふぎゃ!」

 思わず変な声がでてしまった。

 スラボウお前の重さは凶器だからな。

 やっぱり頭良くないのか……?

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小説書籍化しています。 ぜひ手に取ってもらえればと思います。 テイマー養成学校 最弱だった俺の従魔が最強の相棒だった件
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