スライム捕獲作戦!
俺とクラウドはスライム平原を走りまわっていた。
少し大変だが、気配感知の範囲を狭めながらスライムを探す。
スライムたちはキレイに俺たちが近寄ると逃げていく。
これだけスライムがいるのに俺たちに1匹も懐かないなんてどうなっているんだ。
ひたすら走っていたが俺たちの近くにくるスライムがいないので作戦を変える。
よし! 俺とクラウドでハサミうちにしよう。
捕まえられれば、あとは勢いでなんとかするしかない。
「クラウドはそっちから、俺はこっちからいくから」
「ピギュ」
二手に分かれてスライムたちを挟み撃ちにする。
待ってろ。今に俺たちの仲間にしてやるからな。
もはやテイムでもなんでもない。
ただのスライム捕獲作戦になっている。
俺とクラウドは二手にわかれ少し距離を置いたところから徐々に距離をつめていく。
2人のちょうど真ん中あたりにはまだスライムがいる。
こんなことで使いたくはないが、少しずつ気持ちを落ち着かせ集中力を高めていく。
徐々にまわりに感覚が遅くなっていく。
クラウド行くぞ!
高速でスライムの確保に走る。
狙うスライムは小さくて今後の可能性に溢れたスライム!
スライムは俺のスピードについてこれないのか逃げ出すが、クラウドがいるせいで左右にしか逃げられない。
さぁ待ってろ。
「クラウド!」
「ピギュー!」
スライムたちの逃げ道に魔力障壁をはる。
これでスライムは一網打尽だ。
「クラウドよくやった。そのまま魔力障壁ははったままだぞ」
俺が寄って行くとスライムが逃げていくがもう逃げ道はない。
なぜかフルフル震えている。
さぁ楽しい時間を過ごそうか。
結果……スライムを大量にゲットすることはできた。
だが、1匹として俺たちにテイムされるスライムはいなかった。
多くのスライムは気絶するか、錯乱状態になっている。
おかしい。俺だって魔物に好かれる才能があったはずだ。
「アルスー調子はどう? って何やってるのそんなに大量のスライム捕まえて」
マリアが俺のところへやってくる。
マリアの従魔のペガも一緒だ。
「あぁマリア。とりあえずスライムを捕まえたんだけど、なかなかテイムが難しくて。マリアは?」
「私はもうテイムできたわよ」
マリアと一緒にきたペガの頭の上には黄色いスライムがプルプル震えている。
「うまっ!」
ペガが俺の顔を近づけながらドヤ顔で黄色いスライムをアピールしてくる。
マリアにテイムされた黄色いスライムは俺たちのことを怖がってはないようだ。
ペガの頭をなでようとすると、すかさずペガに甘噛みされる。
あいかわらずペガも可愛い。
そのままペガを抱きしめてやろうとすると避けるので、ちょっとペガも追いかけて無理矢理なでさせてもらった。いやーペガの手触りは相変わらずいい。
特にたてがみの部分はいつまでも触ってられる。
「ピギュー」
そんなことをしていたら捕まえていたスライムが一部逃げ出していた。
「クラウド悪い!」
クラウドは俺に前足をあげてグーといった感じでつきだす。
だんだんとできることが増えてきて本当に可愛い。
「それでアルスそのスライムどうするの?」
マリアのことをすっかり忘れていた。
「いったん解放して新しいスライム探すかな。それかマリアのスライム俺にくれてもいいよ」
「アルス、スライムくらいテイムできないとどのみち今後大変よ」
マリアに呆れ顔で言われてしまった。
こればっかりは相性だと思うんだけどなー。




