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スライムテイムの授業

 午前中マロン先生からスライムの講義を受けた俺たちは街の外の通称スライム平原へきていた。

 ここの平原にはなぜかスライムだけが沢山増えておりスライムの楽園になっている。

 草がほどよく生い茂りスライムはそこに隠れているので天敵から身を守るのに適しているようだ。

 

 平原の奥には森が広がっており、森の入口辺りまでスライムが多い。


 スライムの場合、特に街を襲ったり、田畑を荒らしたりしないので国も近くにスライムの大群がいても放置している。


 ここの平原にはここだけでも数千種類のスライムが生活をしているという話だ。

 なかには変わったスライムも沢山いるとのことなので、ぜひ変わったスライムをゲットしたい。


「それでは、午後はここでスライムをテイムしてもらいます。スライムのテイムの仕方は簡単で相性のいいスライムというのは近寄ってきたり、勝負を挑んできたりしますから、自分と相性のいいスライムを探してくださいね。途中一度休憩をはさみますので、魔笛がなったらこの場所に集合してくださいね。今日の授業はスライムをテイムしてきた人から学校に戻って自習になります」


 うちの学校に入ってくる生徒は入学の時に魔物に好かれやすいかどうかのテストがあり、それをのりこえてきているため、今回のスライムのように数が多い場合、適当に探してもだいたい数時間あれば1匹くらいは見つかるという話だ。


「よし! クラウド俺たちは変わったスライムゲットだ!」


「ピギュー」

 クラウドは任せてくれと言わんばかりに胸をはっている。


 さて、スライムはどこにいるのかな。

 気配感知で辺りを探る。


「うわぁ!」

 気配感知で探るといたるところにスライムがいる。

 スライムの小さいのだと直径5㎝くらいからおり、どうやら擬態しているものも多いようで気配感知だと多すぎて見つけにくかった。


「こんなにスライムがいるのか。ん?」


 気配感知をした時に何か違和感があった。 

 確かにいっぱいスライムの気配はある。


 だけど、おかしい。

 もう一度気配感知をする。


 すると俺のまわり半径3mくらいにはスライムの気配がまるでないのだ。

 えっ? どういうことだ?

 スライムよけとか使ってない。

 

 俺が数歩歩いてからまた気配感知をする。

 そうすると、俺の移動にあわせてスライムも移動しているようだった。


 ちょっと待て。

 俺そんなにスライムに嫌われていたか?


 小さい時を思い出してみるが、普通にスライムを狩っていたりした。

 昔と今で違うのは……。


 クラウドの方を見るとまだなにもわかっていないのか、『なんで早くいかないの?』という顔で俺の方を見てくる。


 もしかしてクラウドがスライムに嫌われる魔力をだしているのかもしれない。


「クラウド悪いんだけど1度地面に降りてくれるか?」」

「ピギュー!」

 クラウドは器用に俺の身体から地面に降りていく。


「よし、そうしたらちょっとそのまま待っててくれ」

「ピギュ」


 クラウドは短い前足を持ち上げて了解のようなポーズをする。

 クラウドのその姿めっちゃ可愛い。


 クラウドを可愛がるのはあとにして、俺はクラウドから距離をとり気配感知をする。

 非常に残念だが、クラウドと俺を中心に2つスライムがいない円ができていた。


 どうやら、俺もクラウドもスライムから嫌われる何かを持っているようだ。

 どうするよ。このスライムテイムの授業。

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小説書籍化しています。 ぜひ手に取ってもらえればと思います。 テイマー養成学校 最弱だった俺の従魔が最強の相棒だった件
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