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ダルーン王の隠し子

 ダルーン王は平民との恋愛はダルーン王が身分を隠すことで上手くいっていた。

 誰にも言えないからこそ燃え上がる恋。


 王はひたすら身分を隠し続け、身内にも彼女の存在が知れ渡らないように注意をはらっていた。

 でも、彼女の妊娠により事体は急変する。


 今まで王の王妃も側室も王の行動はバレバレだったが、子供さえ生まれなければ見逃すつもりでいた。だが、子供ができるのは話が違ってきてしまう。

 

 その子にも王位継承権がでてきてしまうからだ。

 彼女は可愛い女の子を産む。

 王妃や側室は王に内緒で彼女たちを消すために暗殺者を何人も送り込む。

 男の子ではなかったが、生かしておくメリットがないからだ。


 彼女たちを数々の危機が襲う!

 なんて感じになるかと思いきや、彼女自身は自分を守る力があった。


 実は彼女にも王には言っていない秘密があった。

 彼女は元暗殺者であり、平凡な生活に憧れてバルモノ国へ逃げてきていたのだった。

 

 彼女は平凡な生活に憧れていた。

 愛する人との平凡な生活。

 なにもなくてもよかった。

 好きな人と一緒にいられるだけで幸せだということを彼女は知っていたのだ。

 

 その幸せな生活を守るためならどんな手段もいとわなかった。

 凄腕の元暗殺者だった彼女は、王には絶対に知られないようにと迫りくる暗殺者を撃退していく。


 王は彼女が狙われていることなど微塵も感じずに表面上は穏やかな生活が続いていった。

 知らないのは王ただ1人。

 王を中心に数々の攻防が続けられる。


 そんな中で王がやったことといえば、子供の存在を隠し隠し子として育てていくことにした。

 子供は健やかにすくすくと育っていく。

 暗殺者と近接無敵の王に。


 子供にも向けられる殺意を彼女は何事もなかったかのように守っていく。

 元暗殺者である彼女も王への身分を隠すことで生活が上手くいっていたのだ。


 2人のいびつな恋愛は思わぬところから終わりを告げる。

 王の子が10歳になるころ、王家に伝わる身体強化の力と彼女の母親の暗殺系のスキルがあることが知れ渡る事件がおこる。


 この頃になると王は誰よりも才能豊かな子を表舞台に立たせたいと思うようになっていた。

 だが、それは隠し子として世間に知れ渡るのも困ってしまう。


 王がそんな悩みを抱えているころ、子供の力はどんどん強くなり王とはまったく別のところからその子が発見されてしまう。


 その子が街で暴漢を倒し、それが騎士団の目にとまってしまったのだ。

 王はその事実を隠そうとしたが、反王派はどこから情報を得たのか王の子であることを知り、これを好機として隠し子であることがばらされてしまう。


 平民の子として育ってきた子供がいきなり姫として表舞台にでることになる。

 彼女の母親は自分が元暗殺者であったことが知れ渡るのを恐れ、子供のことを思い国から姿を消す。

 

 城の中に誰も知り合いのいない王の娘はいっきに孤独になる。

 それからの日々は姫にとっては苦痛の日々だったに違いない。


 豪華な食事も規則に縛られ、今まで自由に行動していた時間はすべて監視される。

 それでも、王に迷惑をかけないようにと彼女なりに頑張っていた。


 そして月日が流れ彼女が15歳になり、彼女もなんとかお城の中での生活になれた頃、いきなり姫の結婚の話が持ち上がる。


 その結婚先は豊かな国として知られるポブリコディエント国の王子だった。

 その国は食料の生産が豊かで、国民も勤勉で血縁になるには申し分ない国だった。

 

 ただ、王子は非常に残虐な性格で自分の気分次第では民を処分することで有名だった。

 王はその子の結婚を阻止しようとしたが、政略結婚は国が発展するための手段であり、王の気持と国を天秤にかけたときに中止にはできなかった。


 そして顔合わせの日。

 姫はその結婚への反対の意思を示し、相手側の王子をボコボコにして姿を消した。

 その後姫の行方を知るものは誰もいなかった。


 姫にとって暗殺者のスキルは逃亡用のスキルとして非常に効果的だったのだ。

 それが最近アルスの住む国の方から魔力を感じ、王は秘密裏に姫を守るように父に依頼をしたのだった。

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小説書籍化しています。 ぜひ手に取ってもらえればと思います。 テイマー養成学校 最弱だった俺の従魔が最強の相棒だった件
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