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学園ダンジョンのパーティを組もう

 朝のホームルームの終わりに、

「今週から学園のダンジョンに潜ることになるから男女2人から5人まででパーティを作ってパーティ表を提出してね。これはクラス関係ないからよく考えて組むようにね」

 と担任のエルシア先生はそう言って教室からでていった。


 先生がクラスからでていくとクラス中ダンジョンパーティを誰と組むかで話題が持ち切りになる。これがアルフグレド学校名物、恋愛修羅場ダンジョンってやつだろう。

 これも、創始者の学長エルガドフが作ったもので、

「10代、20代で恋愛をまともにしなかった男女が30代になっていきなり恋愛をしようとすると、目があっただけで好きだとか勘違いをする大人になってしまう。恋愛の仕方は誰も教えてくれない。しっかりと10代で異性とのかかわり方を学びなさい」


 という理由で男女混合でのパーティらしいが、修羅場になってそのまま学校を辞めていく男女も多いらしい。でも、恋愛は学校で教えてくれないのに人生で一番重要な課題だ。学長の言いたい事もわからなくはない。ただ、それで学校を辞めてしまったらば本末転倒な気もするが。


 マリアが嬉しそうな顔で近づいてくる。

「アルスは誰と組むの?」

「まぁ誰でもいいけど、最速でクリアを目指さない人かな」

 マリアは小声で

「私まだ誰とも組んでないから、どうしてもって言うなら組んであげてもいいわよ。ペースもあわせるし」

 と言っている。別にマリアとじゃなくてもいいが断ると後々……


「アルス君!アスリアさんがちょっと来て欲しいって呼んでますよ」

 とクラスメイトから声をかけられる。

 なんだろう?マリアと一緒にアスリアさんのところに行くと、


「アスリアさんがトカゲ男と……だと!?」

「あの人まで」

「なぜ神はあんなトカゲに」

「マリアちゃんならまだしも、アスリア様では……」


 呼びに来たアスリアを見てクラス中がざわついていた。

 トカゲ男はやめて欲しい。

 ただ、そう呼んでいられるのも後少しだ。


「どうした?アスリア」

「こっちの教室くるの珍しいね」

「あっ……マリアちゃんとアルスくんダンジョンのパーティ組む人決まった?もし良かったら私と一緒に組んでくれない?」

「えっ俺はいいけど、でもダンジョンクリアを最速は目指さないから足を引っ張ることになるかもよ」

「私もかまわないけど。大丈夫なの?」

「うん。同じクラスで組んでくれる人が……ね」


 確かお弁当も俺たちと食べるまで一人だったはずだ。

 なんか聞いてはいけないことを聞いてしまった。

「じゃあ3人で組もう」

 何も知らないフリをして3人で組むことにしてしまった。


 学園のダンジョンは地下120階まであるダンジョンだ。

 各学年で地下50階まで最速で降りたパーティと120階まで降りたパーティは卒業時に表彰される。

 ダンジョンに潜る目的としては、従魔のレベル上げ、従魔との連携強化、そして人生をダンジョンに見立てて楽しむためのものらしい。


 最後のはよくわからないが、このダンジョンで過ごす経験は他の学校ではできない貴重な体験であり、ここを120階まで降りたパーティは社会にでても有意義に過ごせると言われている。

 なかにいる魔物はそれ程、強くないが学生が連携を学びながら戦うにしてはいい経験になる。また、このダンジョン攻略という経験は将来いざという時のサバイバル能力も向上させる。


 魔王がいなくなったこの世界で、平和と共に忘れてしまいがちな危険への対策を創始者の学長は忘れさせないためにこの実習をおこなっているということだ。


 まぁここまでが学校側がだしている公式な情報だが、噂ではこのダンジョンの中では役に立つマジックアイテムが毎年多数発見されるという話がある。俺はどちらかというとこっちのマジックアイテムに興味がある。最速で攻略しなくてもマジックアイテムがゲットできるようになっているという話なので、俺はここでしか入れないダンジョンを楽しむつもりだ。


 ちなみに、1階から10階までの地図は売店で購入することができる。

 毎年、新入生はこの地図を買って10階まで降り、そこからがだんだんばらけていく。

 1階から9階までのダンジョンもそれなりに広く、地図なしだと攻略に2倍から3倍程度の時間がかかる。

 昼休みに3人でパーティ表を提出しに行こうとすると、朝の3人組があらわれる。

 顔を見ただけで疲れてきた。


「アルス、話があるから顔かせ」


 有無を言わさない感じだ。


「先に、パーティ表の提出だけお願い」


「ボルホイ何をするの!アルス君に怪我させたらば承知しないからね」


「アスリア様これは男と男の話しあいですので、いくらお嬢様でも野暮なことはやめて頂きたい」


「アスリアさんすぐ戻るから大丈夫だよ」


 さてと。面倒ごとは嫌だが、後回しにすると余計大変になるからな。

 先に決着をつけてしまおう。

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小説書籍化しています。 ぜひ手に取ってもらえればと思います。 テイマー養成学校 最弱だった俺の従魔が最強の相棒だった件
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