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クラウドいきなり蹴りをくらう!?あれ倒れているのって…

 翌日、いつも通り朝早く魔法訓練場に行く。

 最近はアスリアとマリアの3人で朝練をするのが日課になっていた。


 アスリアからは昨日のことのお礼と殴ったことへの謝罪を改めてされたが、別に気にしなくていいとだけ伝えておいた。


 この朝の時間を使ってクラウドと2人の従魔の訓練も一緒におこなう。

 今日は俺が担当だ。

 相変わらずクラウドは他の従魔との魔法を使わない徒手格闘は最弱だった。


 クラウドに格闘の才能がないわけではないと思うのだが、やはり一番の問題は身体の小ささだ。

 今日も2人の従魔からすればいいおもちゃにされている。

 早く魔法を解禁にしてもらいたい。

 でも、これを乗り越えられた時、必ず他の従魔には負けない力を得ると思うので日々訓練あるのみだ。

 目指せ最強のトカゲ。


 従魔たちの訓練をしているとそこに3人の男たちがやってきた。

 確か同じ1年だったと思うが特に話したことはない。

 俺がそのままクラウドたちの訓練を続けていると、その男の1人がクラウドをいきなり蹴りつけた。


『ガンッ!!』


「イッテェ!!」


 クラウドは突然の攻撃にも無意識で魔法障壁をはりガードした。

 蹴った男は相当痛かったのか地面に転がり、のたうちまわっている。


 クラウドには従魔との制限付きの訓練と実戦との区別がちゃんとついているようだ。


 おぉ!すごいぞ!それだよ!それ!

 レノバの時のように言われてから魔法障壁をはっていたのでは後手に回ることがある。

 さすがクラウドだ!

 成長が早くてつい嬉しくなる。


 2人の従魔が唸り声をあげて警戒しだすが、特に問題はないので制止する。

 むしろ不意打ちをしてくれたおかげでクラウドの成長を見れたので嬉しいくらいだ。


 こらクラウド、いくら相手が弱そうだからってあくびをするのはやめなさい。


 そんなことを思っているとクラウドを蹴りあげようとした男が、

「てめぇ!何すんだよ!」

 と因縁をつけてきた。


 なんだろう。この人。

 自分から一方的に攻撃してきてはじかれたら文句を言っている。

 正直、これが学校外なら殺されても文句を言えない状況だと思うのだが。


「やめろスワイフ。お前がアルスか」

「だって、ボルホイ」

 クラウドを蹴り上げようとした男はボルホイと呼ばれる男からにらまれると黙ってしまった。

 どうやらこいつがリーダーのようだ。


 確かに見ただけで他の2人立ち振る舞いが違う。

 コイツはそれなりに訓練を受けてきている。


「そうですが、どこかでお会いしました?」


「いや、初対面だが害虫がいると聞いたんでな。害虫退治にきたんだ」


 大丈夫か。

 俺の言葉通じているのか?

 彼が何を言いたいのかまったくわからない。

 どこに害虫がいるんだ。

 こう見えて何か特殊な害虫の駆除業者の方だろうか。


「えっとどんな害虫が」


「いいからひざまずけ!」

 いきなりもう一人の男が俺に足払いをかけてくる。


『ステンッ』


『ドン!』


「てめぇ俺にまでやりやがったな」


 俺に足払いをかけようとした男が見事に空中に投げ出される。

 俺への攻撃ももちろん魔法障壁で防がれる。

 この人たちは新手のコント集団なのだろうか。


 従魔が魔法障壁使えるんだから俺だって使えると考えないのか。

「やめろ、コルノ」

「いや、ボルホイ」

 コルノはボルホイからにらまれると黙ってしまった。


 えっデジャヴ?

「えっと…それでどんなご用件でしょうか?」

 危ない人にはさっさと帰ってもらうにかぎる。

 きっとこのボルホイって人は話せばわかるはずだ。


「お前がアルスだな。俺は害虫がいると聞いたんでな。害虫退治にきたんだ」


 あぁ〜話してもわからない人だったー。

 どうしよう。この人レノバさんとは違った意味で怖いよー。


「そうですが。えっとさっきとセリフがループしているようなんですが」

 全員が黙り沈黙が流れる。


 えっこれ俺のせい?


 その沈黙を破ったのはアスリアだった。


「何やってるのボルホイ」


「あっこれは奇遇ですねアスリア王女様。ご機嫌いかがでしょうか」

 そういうと急にかしこまった態度でアスリアにこびを売る。


「あなた何度いえばわかるの?私を家の外で王女と呼ばないでと言っているでしょ。特に学校では絶対やめてと言っているのに嫌がらせ?」


「いえ、そんなつもりは」


「それに何しにきたの?」


「はい。アスリアおう…アスリア様のまわりに害虫がいるとの噂を聞きまして、害虫退治に」


「害虫っていったい誰のこと?」


「このアルスとかっていう男です」


 へっ俺?何を言ってるんだろう。


「あら残念ね。私がアルスさんにまとわりついているのよ。ごめんなさいね、私みたいな害虫がアルスさんにまとわりついて」


「いえそんなつもりでは」


「そろそろ授業が始まる時間ですからボルホイさん早く教室へいかれたらいかがですか?」


「わかりました」

 ボルホイは青い顔をしながら魔法訓練場をでていく。


 俺とすれ違いざまに、

「覚えてろアルス。必ずお前をこの学校から追い出してやるから」

 と小声で言っていた。


 ん?俺いったい何かしたのか?


「アルスさんごめんなさい。あの人私の遠い親戚らしいのだけど」

 アスリアが言うには忘れてしまうくらいかなり遠い親戚らしいのだが、同級生ということでなぜか色々勘違いをして絡んでくるらしい。


 強く言ってやりたいのだが、彼の父親が国の中でもそれなりのポストにいるので子供同士でも、もめにくいということだった。


 朝から変なのに絡まれどっと疲れた。

 これで終わってくれればいいが、そうはきっといかないのだろう。

 今後のことを考えると少し憂鬱になった。

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小説書籍化しています。 ぜひ手に取ってもらえればと思います。 テイマー養成学校 最弱だった俺の従魔が最強の相棒だった件
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