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オークとの戦い

一瞬日間2位まであがることができましたm(__)m

本当にありがとうございます!

 その日私は学校が休みだったので、伯父のモルトに呼ばれて食事をしに行く途中だった。

 今回伯父が誘ってくれた場所は、中心街から少し外れた場所。


 悪く言ってしまえば庶民が少し奮発していくような店。

 伯父がそんな店に誘うのは珍しいと思っていたが誘われた以上行くしかない。

 伯父が言うには値段は安くて料理がとても美味しいということだった。


「いずれ庶民になるお前はこういう場所を知っておかなくちゃな。」

 そう嫌味を言われて。


 正直行きたくないというのが本音だった。


 ついつい現実逃避し彼のことを考えてしまう。

 今頃あの人は何をしているんだろう。

 そう思うと自然とため息がでる。

 休みの日に誘ってしまうのはやっぱり悪いだろうか。


 伯父との食事が憂鬱なだけに、余計に楽しかったあの食事を思い出す。

 そんな中、事件が起きた。


 執事のバルサと侍女のミルノと一緒に馬車でお店に向かっている途中、私たちが乗っている馬車が襲われたのだ。そこは貧民街との境界で一番警戒が難しい場所だった。


 馬車を操縦していた御者が引きずり落とされ、異常を察知したバルサが外にでた瞬間バルサの意識は刈り取られてしまった。


「ブッヒヒヒ。」


 醜悪な笑い声が聞こえる。

 そこにはオークの姿があった。

 侍女のミルノは震えながら私を守ろうとしてくれる。

 なんとかしなくちゃ。

 そう思って両手に魔力をこめオークの顔面に火炎弾を撃ち込む。

 焼き豚になれ!


 だが…。

「ブッヒ。痛くないよー。」


 そう言うと私とミルノを馬車から引きずり出し私の両手に腕輪をつける。


「こんな腕輪!」

 外そうとするが腕輪はまったく外れそうにない。


 拘束されたくらいなんだっていうんだ!!

 両手に魔力を集中させ魔法を…。

 いっきに魔力が空中に分解されていく。

『封魔の腕輪!!』


 それでも最後まで諦めないでーーー。

 そう思ってオークをにらみつけた瞬間顎にすごい衝撃が走る。あっダメだ。ミルノを助けな…。

 薄れゆく意識の中にでてきたのはあの人の顔…もう二度と会えない…


 ★


 そこは貧民街にある寂れた倉庫だった。

 見張りのオークが1匹いたが、すでに倒され気絶している。


「レオン!お前まさか先に忍び込ませたのか!」

 レオンの胸ぐらを掴むがレオンは平然として、

「はい。マスター。ただお叱りは全員で後から受けます。今は急ぎましょう。」

 とだけ言って倉庫の中に入っていく。


 倉庫の中にはオークが5人と縛られて動けなくなっている女性が2人いる。

 女性の横には血を流し倒れているコボルト3人の姿があった。


「なんだ。わんこの次は人間か。今から楽しむところなんだからブヒッ。邪魔するな。痛い目みないうちに帰んな。」


 ブッヒヒヒと嫌な笑い声が聞こえてくる。

 身体中が怒りで燃え上がり、逆に頭の中は冷静になっていく。


「アルス様、あそこの女性2人を助けるのはお任せしますわ。私は手前の豚を。」


「わかった。」


 レノバさんを見て1人のオークが

「すごいタイプだブヒッ。俺と結婚するブヒッ。可愛がってやるブヒヒヒ。」

 という声が聞こえる。

「気持ち悪いんだよ!この豚!」


「ぶっ豚じゃない!俺たちは誇り高きオーク族だブー!」

 良かったねレノバさん。モテキ到来だ。


 残りのオーク3人はどうやら静観を決め込むようだ。


 俺は一瞬で彼女たちの横に移動する。

「なんだ。今度はスピード自慢か。かかってこいよ。」


 彼女たちの顔には袋をかぶせられているため顔はわからないが乱暴されそうになったのか服が乱れている。どれほどの恐怖だっただろうか。

 自分の上着を脱ぎ彼女たちにかけてやる。


「クラウド、彼女たちを守ってやってくれ。」

 クラウドを彼女たちの横におろす。

「ピギゥー」


 彼女の横にはコボルトたち3人が瀕死の重傷になりながら横たわっていた。

 俺がくるのを信じて1秒でも長くこの子たちに危害が加わるのを阻止してくれたのだろう。


 クラウドは何も言われなくても彼らに回復魔法をかけてやっている。


「これをやったのはお前か?」


「グフフ。ブッヒヒヒ。そうだ。俺が一番強いから俺が一番に頂くんだ。ちょうど今からなのにそれを邪魔した犬コロは万死に値するだろ?それにしても…ブヒヒ…お前いい顔してる。もっとお前のいい顔みたいな。女よりもお前の顔の方がそそるな。仲間痛めつければお前の顔もっといい顔になる…ブヒッ。」


「…だまれ。」


「クプププ弱い、弱い、弱小種族の人間がだまれだって。ブッヒャハハハ。面白いぞ。その手の震えはなーんだ?怖いんでちゅか?」


「…いいから黙れ。」


「かませ犬も弱かったが、お前がきたところで何も変わりはしないんだよ。種族の差って言うのを教えてやるよ。」

 オークは近くにあった斧を持って俺の方へ歩み寄ってくる。


『ドクンッ』

 心臓が高鳴る。


「コボルトたちは弱くない!種族の差か…見せてもらおうじゃないか。」


 オークが振り下ろしてくる斧がゆっくりと見える。

 こんな豚の攻撃わざわざ避けてやる必要もない。


 振り下ろされる斧を右手で受け止め、左手でオークの顔面を殴りつける。


「ほら、どうした?種族の差をみせてくれるんじゃないのか?」


「ブヒッ。今のは油断しただけだ。俺たちオークにかかればお前たち人間なんて簡単に殺せるんだ。あの人が約束してくれたんだ。もう我慢する必要はないって。俺たちオークが一番になる世界がやってくるんだ!もうお前らに差別される生活なんてうんざりなんだ!」


「わかった。もう終わらせよう。」

 俺が彼女たちを背に向けオークに向かった瞬間。


「ブヒッヒヒヒ。今だ!お前らそこのトカゲを殺して女たちを人質にとれ!」


 今まで傍観していたオークの3人が動き出す。


「なっ」


 一瞬俺が目をそらした瞬間、左肩を思いっきり殴られる。

 ダメージはないが体重差がありすぎて吹き飛ばされる。

 あっくそ。いつも自分で注意しろってクラウドに言っておきながらこれだよ。


 先にあっちのオークをどうにかしないと…と思っていると、

「ブヒヒ。俺と遊んでくれよ。」

 そう言って目の前のオークが手数を増やして攻撃してくる。


 俺を焦らすのがむこうの作戦なんだろう。

 3人のオークは彼女たちを守るクラウドに斧や長剣で切りかかる。


『ガキン!』

『ボキッ!』

『ポキン!』


 渾身の力で攻撃したはずが白いトカゲの防御壁によって防がれる。


「「「…ブヒッ」」」


 トカゲが魔法障壁を使っているとは思わず間の抜けた声をだす。


「クラウド、彼女たちの安全を一番に守ってやってくれ!すぐにそっちに行く」


「ピギゥー」


 クラウドの魔法障壁ならばすぐには破られないはずだ。

 まずはコイツをどうにかしよう。


「ぐぬぬ…人間のくせに!人間のくせに!人間のくせに!弱いんだから強い僕たちのいいなりになればいいだ!」


 オークの渾身の一撃が振り下ろされる。

 先ほどまでの動きよりも格段にスピードと力があがっている。


 ズドン!!

 紙一重でよけた場所の地面がえぐれる。


 なんだこのオークの急激な変化は。

 何かすごく嫌な感じがする。

 コイツはここで早く倒さないといけない。


「クフフ…人間よ感謝するぞ。俺はお前のおかげでまた強さを得られる。」


 まずい。そう思い渾身の一撃をくらわす。

 確かな手ごたえがあるが…。

 オークから黒い光がみなぎってくる。


 ―――――ブラックオークに進化しやがった。

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小説書籍化しています。 ぜひ手に取ってもらえればと思います。 テイマー養成学校 最弱だった俺の従魔が最強の相棒だった件
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