第4話:お買い物
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「ねぇ憂兄、高校はどうだった?」
菫は、ずっと気になっていたのか、帰り始めてからすぐに聞いてきた。
「どうって言われても……。 中学とかと、そんなに変わらなかったな〜。」
「え? そ〜なの?」
「うん。 楓と雅瑠はど〜だった?」
僕は変化も何も感じなかったから、2人に聞いてみた。
「私も憂と同じかな。」
「俺もだ。 まっ、高校と言っても結局は学校だしな〜。 寝に行く場所には変わらん。」
2人とも僕と同じ意見のようだ。でも雅瑠……。学校は勉強をしに行く場所だよ……。
「ふ〜ん、あんまり変わんないんだ……。」
菫は、自分が予想していたのよりはだいぶ違ったみだ。
「あっ、そうだ菫。 朝僕がぶつかった人いただろ? あの人とあったよ。」
ふと、波場白さんのことを思い出したから、何気なく言ってみた。
「え? それってあの、ロングヘアーで顔がすごく綺麗だった人?」
「うん。 あの人さ、あの時高校がどこかわからなくて迷ってたみたい。」
「え!? あの人迷ってたの!?」
やっぱり菫も驚いたか〜。ま〜普通なら誰でも驚くけどね。
「そ〜いや憂。 お前、波場白さんと知り合いなのか?」
「いや、登校中にぶつかっただけだよ。 あの後、僕たちが来た道を戻って行ったから、てっきりあっち側に用事があるのかと思って、僕たちはそのまま登校したんだよ。」
真実をそのまま話すと
「へ〜、そんなことあったんやな。 しかしその人と同じクラスって、なんか凄い偶然だな。」
「確かにね。」
「でも、私が思うにあの波場白って子、ただ方向音痴なだけじゃないと思うんだよね〜。」
ど〜やら楓も、僕と同じ感想みたいだ。
「それは俺も思ったけど、今はまだ何もわからんな。」
「そ〜ね。」
そんな感じで話していたら、別れ道に出た。
「おっ、もうここか。 それじゃ憂、楓、菫ちゃん、また明日。」
「あっ、うん、また明日。」
「そうね、また明日。」
「うん。 バイバーイ。」
みんなで挨拶をして雅瑠と別れたあと、僕たちは再び、家に向かって世間話をしながら帰った。
「「ただいま〜。」」
「おかえりー。」
ふぅ〜、ようやく帰ってきたよ。さて、早くこの窮屈な制服を脱ぐか。制服ってなんか、縛られてる感じがして窮屈なんだよね〜。
「よし、着替えも終わったし、何しようかな?」
着替えが終わって何もすることがなく、ボッーとしていたら
ガチャ
「憂兄〜。」
菫が入ってきた。
「ど〜した、菫? ってか菫、何度も言ってるがちゃんとノッ」
「はいはいはい、それはわかってるって。 それより憂兄、今暇?」
わかってるって……。いつも言ってるけど、一度もノックしたことないじゃん……。
「今? ま〜暇だけど……。」
実際さっきまでやることなくて、ボッーとしてしね。
「よし! ならさ、一緒に買い物行かない?」
「買い物?」
「うん。 せっかく学校が早く終わる日なんだからさ、どこか行きたいな〜って。」
買い物か〜。ま〜今はやることないし、行ってもいいかな?
「ん、わかった、いいよ。」
「やったー! 早く行こ行こ!」
「うん。」
それから行く準備を済まして、下にいる母に
「菫と一緒に出かけてくる。」と言って、菫と一緒に家を出た。
「んーーーー。 やっぱりお日様は気持ちいいね!」
「そうだね。 それで菫、どこに買い物に行くの?」
買い物とは聞いたけど、まだ詳しい場所を聞いてないのを思い出し、聞いてみた
「近くの商店街でいいんじゃない? あそこ、いろんなのあるし。」
家の近くには商店街があって、なぜかあそは『売ってないものなどない』と噂されるほど、いろんな物が売っている商店街なのだ。……改めて考えてみるとすごい商店街だな。
「そうだね。 じゃ、行こうか菫。」
そして、2人で商店街へ向けて歩き出した。
「到着!」
ようやく噂の商店街に着いた。
「着いたね。 それで、何を買うの?」
今になって、何を買うか聞いてないのを思い出した。いったい何を買うために来たんだろ?
「決めてない。」
「え?」
あ、あの、君は今、なんて言いましたか?僕の聞き間違いだよね?そうだよね?
「だから、何も決まってないんだって。」
「買い物誘ったの菫でしょ!? なんで決まってないの!?」
普通買い物って、行く前に買うもの決めてから、行くものだよね?
「それじゃおもしろくないじゃない。 お店で何かあるかを、探すのが楽しいのよ。」
「は、はぁ。」
いまいち納得できないまま、買い物に付き合わされることになった。
「ねぇねぇ憂兄、これどう?」
僕は今、洋服屋で、菫の服選びに付き合わされている。
「似合うんじゃない?」
「ん〜、反応がいまいちだな〜。」
そんなことを呟いて、菫はまたほかの服を探しに行った。
「はぁ〜。 なかなか終わらないな〜。」
さっきからこれの繰り返し。菫は楽しそうだけど……。僕は、菫の可愛い姿が見れてるから、世間様からしたら羨ましいんだろうけど……。僕にとっては妹だし、見飽きてるからなんとも思わない。
「ねぇねぇ憂兄! これは?」
「どれどれ? おっ、今までの中で一番良いんじゃないか?」
「えっ、ほんと?」
「うん。 菫の明るい雰囲気にぴったりだと思うよ。」
菫の持ってきた服は、正直何が良いとかはわからないけど、なんだか雰囲気がすごく合ってる気がする。
「えへへ、じゃあこれにしよ♪」
菫はすごい上機嫌で、その服をレジに持っていった。何がそんなに嬉しいのか知らないけど、喜んでいるならいっか。
「ただいま、憂兄。 これからど〜する?」
「これからね〜。 僕は特にはないから、もう帰る? 時間的にもいい感じだし。」
「ん〜そうだね。 帰ろっか。」
僕の提案に、特に否定することもなく、素直に帰ることにした。
「「ただいま〜。」」
「おかえりー。」
「母さん、ご飯はいつ頃できそう?」
「もう少しでできるわよ。」
「じゃあ何か手伝うことある?」
「手伝ってくれるの? それなら、皿でも並べといて。」
「わかった」
特にやることもなかったから、手伝うことにした。
「ねぇねぇ、お母さん。 私は?」
「憂がいるから大丈夫よ。 ゆっくりしてなさい。」
「は〜い。」
それからしばらくして、ご飯ができたから、みんなで食べた。
「ふぅ〜。 今日はこれで終わりか。」
食べ終えたら風呂に入って、その後自室で明日の用意などをしてると、いつの間にか寝る時間になっていた。
「明日に備えてもう寝ようかな。」
そしてベットに入って目をつむり、少ししたら夢の中に入っていった。




