配信#33ー3 いるかおねぇたまとうさぎおねぇたまとのお説教配信だよっ!:3
「え、えーっと、とりあえず一旦はわたしのお話は終わりとして……それで、うさぎおねぇたまのお部屋の惨状は理解したし、片付けも終わったので次はいるかおねぇたまの方だね」
「う、うっす」
【あれ? そのままいるかちゃんの家にも行くの?】
【っていうか、家近いの? 二人とも】
【そう言えば、らいばーほーむメンバーって全員が近所っぽいよね】
【たしか、マンションがあるんだっけ?】
「あ、は、はい。えと、らいばーほーむ、が、関わってる、マンションがあって……な、何人かは、そこで生活、してる、んです。あ、わ、わたしはいるかさん、と、隣同士、です」
「ん。実は隣同士」
【マジかよwww】
【問題児が固まってて草】
【よりによって生活能力が限りなく低いの隣同士なのが草なんだよなぁw】
「じゃあえと、一旦こっちのカメラは切って、いるかおねぇたまのお家に移動するね!」
というわけで移動。
今回の配信に合わせて、二人はメインのお部屋にカメラとかを設置してもらっています。
「さて、いるかおねぇたまのお家に来たわけだけど……うん。先に聞いておくね? いるかおねぇたま。お掃除、した?」
「……い、一応」
「……そっか。まあでも、さすがに前回より酷いって言うことはない……って思いたいなぁ……」
【願望ww】
【猫夜はつき:実際、あの部屋はすごかったからね……。まさか、あそこまで汚しているとは思わず】
【まあ、悲鳴を上げてみたまちゃんにくっつくいるかちゃんが見れたからヨシ!】
【基本クール系ないるかちゃんにも苦手な者があったんだなって思ったし】
【それ】
「たしか、前回酷かったのは、お仕事と寝室が一緒になってるお部屋だったよね?」
「ん、それで間違いない」
「ど、ドキドキ、します……! じ、自分以外の、汚部屋を見るの……!」
【デレーナ・ツァンストラ:どこでドキドキしてるのよ!?】
【草】
【まあ、同類だもんねww】
【最悪のポイントでドキドキするコミュ障】
【コミュ障の言う事か? これが】
「じゃあ、開けるね?」
「ん、いつでもバッチコイ。怒られる準備はできてる」
「それじゃあ……って、今聞き捨てならないことを言ってなかった!? まだそんなに時間は経ってないと思うんだけど!」
「……ん、前よりは、マシ」
「……」
マシ……マシかぁ……。
うさぎおねぇたまも同じようなことを言ってたけど……どうだろう。
この場合、本当にマシなのか、それともうさぎおねぇたまよろしく、またひどくなっちゃってるのか……うん、南無三っ!
僕は意を決して扉を開け……。
「う、う~~ん……うぅぅぅ⤴ぅ⤴ぅ⤴ぅ⤴ん⤴???」
反応に凄く困り増した。
「な、なる、ほど、です……!」
【うーん、これはなんて言うか……うん】
【酷い……んだけど、なんかこう……】
【みたまちゃんが反応に困ってるのがよくわかるレベルだよなぁ……】
【狼神いくま:前よりは確かにマシって感じ?】
なんて言えばいいのか……たしかに汚いし、汚部屋っていうジャンルには入るとは思うけど……なんて言えばいいのかな……。
「こう……普通と汚部屋の間を反復横跳びしてるような感じというか……」
【草】
【反復横跳びww】
【たしかに言いたいことはわかるww】
【これはまあ、そうなるわ】
なんというか、いるかおねぇたまのお部屋は、汚いと言えば汚い、んだけど……。
前よりはマシ。
だけど、ゴミ袋が溜まってるし、それによってお部屋自体を圧迫。
中にはゴミ袋から溢れちゃったのか、周りにゴミが落ちていたり、空のペットボトルがちらほらと床に落ちていたり、あとはパンか何かが入っていたと思しき袋とか、そういうのが落っこちていたりしていました。
うさぎおねぇたまとは違って、浮島っていうわけじゃなくて、ある程度の大陸がちゃんとある状態ではある、かな?
ただ……なんだろう。
何か見落としてると言うか、まだ何か隠されていると言うか……そんな気がする。
「うぅ~ん……」
「み、みたま、さん、どうかした、んです、か?」
「あ、うん。たしかにマシではあるんだけど、何かこう、これだけじゃないような気がしてならないと言うか……」
「……ん、な、何もない」
今、いるかおねぇたまが何かを隠すような素振りをした気が……。
でも、一体何が引っかかってるんだろう?
うーん、と首を傾げながら唸る。
【唸るみたまちゃん可愛よ】
【天空ひかり:は? みたまちゃんは何しても可愛いに決まってるでしょうがぁ!】
【雪ふゆり:そうですよぉ~! みたまちゃんは何をしても、どんなことをしても可愛いじゃないですかぁ~! そもそも、唸るみたまちゃんはレア系! レアみたまちゃんですよぉ~!】
【うわめんどくさ!】
【まあでも、何しても可愛いは同意】
【さすがみたまちゃんだぁ……】
【でも、何に引っかかってるんだろうね?】
【子供の掃除あるある。片付けたように見せかけて、実はどこかに押し込んでるアレ】
【いやいや、さすがに大人のいるかちゃんがそんなことするわけ】
「あ、それかも」
【え、マジ?】
【いや、さすがにないってww】
【これでやってたらクッソ恥ずかしいことになる】
【それな】
「でも、なんだかそういう雰囲気があるので……いるかおねぇたま。ちょっと、色々と確認していい?」
「え、あ、いや……」
「確認していい?」
「あ、あー……んー、えーっとですね……」
「か く に ん し て い い ?」
「……うっす。心置きなくどうぞ……」
【圧www】
【みたまちゃんの圧が強すぎる件】
【生活関係の話題になると、途端にお母さんモードになるみたまちゃん】
【にっこり笑顔で言ってそうなのはわかるんだけど、それ以上に般若的な何か後ろにいそうだよねw】
【めっちゃわかるわーw】
というわけで、何か隠されていないか捜索。
もちろん杞憂だったらいいんだけど、そうじゃなかった場合は問題なので。
いるかおねぇたまのお部屋にあるものと言えば、クローゼットとか、作業用の机、あとはベッド……意外とシンプル。
だけど、僕の勘がなんかあるって言ってるんだよね。
なので、ゴミ袋からゴミが出ないように動かしつつ確認をしていくと……。
「……」
僕は何か異様なオーラを放っているクローゼットの前で立ち止まりました。
「み、みたま、さん?」
「そ、そこには、何もない、よ?」
「……いるかおねぇたま」
「な、なんざんしょ?」
【ざんしょww】
【おい語尾語尾w】
【語尾が変わるくらい、そこには見られたくない何かがあると言う事だろう】
【ほぼ確実にゴミって言うか、何かが入ってると思われ】
「ここ、クリエイターとしての意味で、見られたら困るものは入ってないよね?」
「……は、入ってない、ような、入ってるような……ん、わ、わからないから開けない方が――」
「いるかおねぇたまは、基本的に本当に困らない時はバッサリと困らないって断言します。しかも、記憶力はいい方だよね、って思ってたんだけど……今のいるかおねぇたまはすごく怪しいです。ほっぺたに食べかすが付いた状態で、つまみ食いをしてない、って言ってる子供の様に怪しいです」
「うぐっ」
【たしかにそれは怪しい】
【1000%嘘よ】
【↑100じゃ足りないレベルなのはわかる】
【猫夜はつき:吐いてしまった方が楽だぞ、いるかさん】
【天空ひかり:楽になっちゃおうぜぇ……?】
【雪ふゆり:みたまちゃんに逆らってもいいことはありませんよぉ~。あぁでも、お説教は嬉しいですよねぇ~!】
「というわけで、開けます!」
「あっ!」
何か声を零すいるかおねぇたまを無視して、僕はクローゼットの扉を開け……
「わわっ!? っとと……えぇぇぇ……」
中から雪崩のように出て来た袋! 袋!! 袋!!!
よく押し込めたね、と驚くレベルで溢れ出て来た袋を、僕は軽く後ろに跳んで埋もれないように回避。
すると、目の前には歪な状態のゴミの山が完成していました。
それも、それぞれのゴミ袋の中をよくよく見てみれば、そこに入っているのはカップ麵の容器や使用済みの割りばしなどなど。
コンビニのお弁当なんかのゴミは少ないみたいだし、前よりはその数は少ないように見えました。
「わ、わぁ……」
「……くっ、殺せっ……!」
【ギルティッ!】
【こぉれはダメっすわ……】
【カップ麵食ってるんだろうなー、とか思ってたら想像より倍のものをお出しされたわ】
【いるかちゃん。悪いことは言わん。出頭した方がええ……】
【出頭は草】
【まるで犯罪者みたいだww】
【天空ひかり:でも、みたまちゃんはこの手のことになるとすごく厳しくなるからねぇ。あれだよ。生活習慣が悪い人=犯罪者、みたいな感じ?】
【酷すぎる……!】
「えーっと、いるかおねぇたま? これは……ど う い う こ と か な ?」
僕はにっこりと笑みを浮かべながら、後ろで片膝をついて俯いているいるかおねぇたまに問いかけました。
これは何というか、色々と言わないとダメな気がします。
「いや、あの、ですね……こう、思いの外、モデリングが興に乗ったと言いますか、ちょっとやることがあったと言いますか、配信とか旅行とかイベントとか、色々あったと言いますか……」
「くどいです。一言でまとめてください♪」
言い訳がすごいと言うか、必死に取り繕うとしているのかはわからないけど、いるかおねぇたまは、くどいくらいに言葉を並べて来たので、微笑みながらそう返しました。
【くどいwww】
【みたまちゃんが言わなさそうなこと言ってるぅ!?】
【それくらいってことなのか、これは!】
【いるかちゃん、みたまちゃんの逆鱗(?)に触れまくってね?】
【これは草】
「……面倒くさくなってカップ麵ばかり食べてました! すみませんでしたぁぁぁぁぁぁ!!!!」
僕の言葉を受けたいるかおねぇたまは、それはもう綺麗な土下座を披露しながら、謝罪の言葉を叫びました。
「……なぁにをやっているんですかぁぁぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!」
そして、そんないるかおねぇたまに対して、僕の方もそんな声が叫びとなって発せられることとなりました。
とにもかくにもお説教! これはお説教ですっっ!!
これは酷い!!
怒られてる人の年齢、23歳ってマ? 怒ってる人の方16歳ってマ?




