配信＃３２ー２　四期生の反省会コラボ：２

「さて、このままだと俺の胃と頭が再起不能になるので、さっさと反省会に入ろう」

【再起不能ｗｗ】

【大丈夫だ、新人君。らいばーほーむでツッコミができる人は、並大抵の耐久力じゃない。つまり、平気だ】

【↑草】

【どんな理論だよｗｗ】

【まあでも、ツンデレちゃんとからいばーほーむに堕ちてるからあながち間違いではないような気はする】

【あれは作家としての側面とツッコミとしての側面が多大なる負担、そしてストレスを与えまくった結果誕生した、悲しきモンスターだ。一緒にしてはいけない】

【ひでぇｗｗ】

　うんまあ、二期生のあの人に関しては、もう手遅れなところにまで行ってるからな……。

　みたまとコラボしてから速攻で常識人としての一面が死んだと言っても過言ではないだろうからな、あれ。

　そう考えると、俺とたつなさんの二人だけで十二人相手にツッコミを入れまくるのは問題なのではなかろうか。

　……いや、先のことを考えても仕方がない。

　とりあえず、目の前のことをどうにかしよう。

「それで、誰から行きますの？」

「ここはやはり、トップバッターのかざり様からが妥当かと」

「うんうん。うちは三番目でいいですぜ」

「では、私は二番目を」

「最終的に俺が最後じゃねぇか！？　みたま狂い三連星の後にやるとか、どんな罰ゲームだよっ！？」

【罰ゲームは草ァ！】

【確かに罰ゲームだわｗｗ】

【みたま狂い三連星ｗｗｗ】

【ジェット〇トリームアタック仕掛けてきそう】

【こいつらならやるｗ】

「何をおっしゃいますか、司さんはブレーキ！　であるならば、ブレーキとして、わたくしたちアクセルを止めてくださいまし！」

「そのアクセル、三つある上にジェットエンジンともつながってそうなんだが！？　俺一人でどう止めろと！？」

「司様のつっこみ、そして停止装置としての役割に対する適正は最高です。問題なありません」

「そのブレーキが一つしかないんですが！？」

「まあ、うちは二人に比べたらキャラが薄い方なんで、問題ねぇですね！」

「薄い人は、らいばーほーむに入る前にあんなに爪痕を残さないんだが！？　っていうか、話が！　一向にッ！　進まねぇッッ！」

「「「もっと頑張らないと」」」

「どの口がァ！？」

【ｗｗｗｗ】

【お、お腹痛いｗｗｗ】

【これだよこれぇ！】

【あー、元祖らいばーほーむって感じのこの感覚……いいわぁｗｗｗ】

「はぁ、はぁ……と、とりあえず、夜久嬢さんから、反省をお願いします……！」

【もう疲れとるｗｗ】

【草】

【そりゃあねｗｗ】

【まあ、未成年だからね】

【高校生疑惑あるけどな】

「了解ですわ。では、反省を……そうですわね……やはりわたくしとしては、みたま教の信者として、そしてファンとして、もう少しこう……みたま様の素晴らしさを伝えられなかったのがとても口惜しくっ……！」

　あぁ、うん……だろうなぁっ……！

「共感します」

「わかるわー。やっぱり、うちらにとっての唯一神なみたまちゃんのことをあまり話せなかったのはいてぇんですよねぇ」

「その通りですわ！　やはり、みたま様のあの難病すら一瞬で癒し、消し飛ばしてしまうような愛らしい笑み！　癒しのオーラ！　死にかけている状況でさえ、みたま様の声を聞けばたちまち体は回復し、死の淵から蘇ることのできるほどの綺麗で可愛らしい声！　どれをとっても一級品なみたま様の良さを語れないなどっ……くっ！　夜久嬢かざり、一生の不覚ですわっ！」

「「それな」」

「反省するポイントがずれまくってる上に、みたま関係だけだろうそれ！？」

　あと、心底悔しそうにしているのがいかに本気なのかをうかがわせるなこれ。

【知　　っ　　て　　た】

【デスヨネー】

【これは酷いｗｗ】

【ガチ信者で笑うｗｗ】

【そして、ツッコミが一人だけという地獄よｗｗ】

【ちゃんと放置しないでツッコミする辺り、マジで誠実やなァｗｗ】

【誠実……これ誠実って言うの？】

「もし、世の中に反省すべきことがあるとすれば、それは義理人情を捨て去った愚か者や、悪人、カタギに手を出すような阿呆、そしてみたま様の良さを広めないというみたま教信者の風上にも置けない者ですわ！」

「明らかにみたまと同列に語るのはおかしいことがあったんですか！？　ってか、お嬢様はカタギとか言わないぞ！？」

【ｗｗｗｗ】

【それはそうｗｗ】

【ところどころ血なまぐさい感じがあるのがおもろいｗｗ】

【明らかに反省してないんだよなぁｗｗ】

「……ちなみにだが、夜久嬢さんはみたま関係以外で反省するところはあったのか？」

「みたま様以外…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………」

「いや長い長い！　どんだけ考え込んでるんだ！？」

　みたま以外で何かないのか尋ねた結果、夜久嬢さんは悩ましげな顔で長考したが、あまりにも長かった。

「というか、そんなに考え込むほどないのか！？　頭の中みたまで九割埋まってるだろそれ！？」

「失礼ですわね！　わたくしの脳内領域の九割九分九厘はみたま様ですわ！　お間違えなきように！」

「クッソどうでもいいっ……！」

【草ァ！】

【クソ長い思考ｗｗｗ】

【自分の欠点がみたまちゃんへの愛意外にないと思い込んでいる信者】

【くっそ濃い】

「まあでも、あれですわね。みたま様への愛以外に問題はありませんわ！」

「総評、みたま教信者ガチ勢は頭がみたまに侵食されている」

「当然ですわ！」

「褒めてないが？？？」

「？？？」

「皮肉とかも通じなさそうな気がして来たな……」

【それはそうｗｗｗ】

【強い】

【みたま教はヤバいのしかいない、はっきりわかんだね】

【↑みたま教にヤバいのしかいないんじゃなくて、みたま教に入った奴がヤバくなるんだよ】

【草】

【草】

「はぁ……なんかもう、一人目から色々と疲れたが……じゃあ次、弩さん」

　一旦狂信者は流して、さっさと次の人に順番を回す。

　配信時間も限られているし、一人に時間を割き過ぎるのも問題だからな……。

「かしこまりました。では、私の反省をば」

「ほんと硬いな……」

「めいどですので」

【やっぱロールプレイガチ勢かｗ】

【いいじゃんいいじゃん！　ロールプレイができるのも普通にすごいしな！】

【らいばーほーむは一人しかいなかったからね。ちょうどいいでしょ】

「では。そうですね……私はあまり話題がなかったことが問題だったかと」

「……」

「あら？　どうかなさいましたか？　司様？」

「あ、いや……なんか、まともな反省が出て来たなと」

「従者として、当然でございます。さて、私の反省ですね。そうですね…………やはり、少々私怨が籠り過ぎた結果、須佐之男命に対する敵意、そして殺意を抑えきれなかったことでしょうか」

「初配信の時にも思いましたけど、一体何があったんだ……？　普通、神話上の神を嫌うってあんまりないと思うんだが……何かのキャラクターってわけじゃないんだよな？」

【よく言った新人君！】

【それ俺たちも気になってたんだよッ！】

【マジでそれ】

【気になり過ぎて仕方なかった！】

「いえ、大したことではありません。少々……そうですね。私、恩知らず、そして恥知らずといった存在を嫌っているのです。どれだけ改心しようと、それ以前にしていた悪行の数々が帳消しにできないほどであった場合、許せぬと言うものです。まあ、そういうことですね」

「全く意味が分からない……！」

　この人は一体何を言っているんだろうか。

【うん、なんもわかんねっす】

【むしろ理解できるわけないんだよなぁ……】

【意味わからんくて草】

【ただ、やっぱこれあれじゃね？　めいちゃんって、天照大御神を信仰してるとかありそう。もしくはゆかりの地に住んでいたとか】

【伊勢神宮とかそっち系か？】

「うふふ、近からずとも遠からずですね。少々実家がそちらに縁がありまして」

　須佐之男命……天照大御神……たしか、天岩戸が有名だよな？

「あ、そう言えばうち、あんまし神話には詳しくねぇんですけど、なんでスサノオ関係で天照大御神が出てくるんですかね？　チラッと調べたことはあるんだけど、思い出せねぇんですよねぇ」

「あー、脱線しまくって時間が無くなる可能性があるんで、ものすごく簡潔にすると……スサノオがやらかしまくって、天照大御神が天岩戸に隠れてしまったって感じだな。たしか、その過程で死者も出ていた気がするが……」

「そうですわね。たしか、かなりの乱暴者で、最初は天照大御神もかばっていたようですけど……最終的には怒って引き篭もってしまったものですわね」

【いや知ってるんかいｗｗ】

【意外と頭いいとか？】

【うんまあ、あれについては本当に酷いけどなｗ】

【もちろん、いい部分もないわけじゃないけど、ある意味ではやらかしも多いからなー……】

　しかし、天照大御神か……。

　そう言えば、元日に美月神社の神から、天照大御神からもらいばーほーむは加護を受けてるとか言っていたな……………………うん？　何か今引っかかった気が……。

　一体何に引っかかったんだ……？

「司様。どうかなさいましたか？」

「あ、いや、なんでもない。だが、反省ポイントはそこだけなのか……」

「他と言われましても……そうですね。やはり、未だ横文字になれていない、ということでしょうか。どうにもいんとねぇしょん？　が少々おかしくなりがちなのです」

「あ、それはわたくしも思いましたわ。そもそも、めいさんって横文字をあまり使用しないように見えますし」

「たしかに。なんか、年寄りみたいなイントネーションとか言われてましたねぇ」

　言われてみれば、二人の言う通りだな……。

　というか、横文字に慣れてないって言うか、そもそも横文字を使ったことがなかったのではないか、なんて感じもするけどな。

【たしかにそうだな】

【掲示板でもちょこちょこ突っ込まれてたな、それについて】

【現代日本でそんなことある？　って思っちゃうけど、ド田舎はこうなんかな？】

【どうなんだろうな】

「そのような物とは無縁の生活をしておりましたので、未だ私の中では目新しいのです。やはり、変でしょうか？」

「いやまあ、それに関しては環境のせいだし、気にすることでもないだろう。むしろ、その方がキャラとしても立ってるしな」

「そうですわね。変になれる必要もないと思いますわ」

「むしろ、横文字苦手系メイドとかクッソ美味しいキャラじゃねぇですか！　最高オブ最高！」

「うふふ、ありがとうございます。そう言っていただけて、心が軽くなりました」

【うん、いい光景だ】

【頭はおかしいけど、やっぱらいばーほーむっていい人ばっかなんだよなぁ……】

【狂人がいい人なだけだからね】

【草】

【ってか、横文字と無縁て、よっぽどド田舎なんだろうなぁｗｗ】

【今時珍しいレベルだよねｗ】

【だが、いなりママも言っていてたが、これはこれで個性でいいキャラじゃん？　全然好き！！】

「ともあれ……まあ、弩さんは比較的マシな反省でよかったな……」

「本当は少々反省しなければならないこともあるにはあるのですが、そちらは表沙汰にできないものですので、私はこのくらいにしておきます」

「なんか不穏なこと言わなかったか！？」

「気のせいでございます」

「にっこり笑顔で言っても、説得力皆無なんだが……」

【一体何があったんだｗｗｗ】

【気になるｗ】

【表沙汰にできないレベルの反省ってなんだよマジでｗ】

【らいばーほーむなんて表沙汰にできないこととか、普通に配信でやってんだろ】

【それはそう】

　弩さんって、色々と謎な人物な気がして来たわ……。