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ロリ巨乳美少女にTSしたら、Vtuberなお姉ちゃんにVtuber界に引きずり込まれました  作者: 九十九一
2024年 1月

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#171 反省会コラボ前の柊くんちゃんのあれこれ

 翌日の朝。


 今日は四期生全員による反省会コラボだ。

 集合時間は十六時で、今は朝の八時なので、まだまだ先だ。


 で、初配信時に言われていた性別ガチャが寝たので当然発生。

 俺としては、今日ばかりは女の方がありがたかったのだが……


「……俺、神に嫌われてるんじゃないだろうか」


 慣れ親しんだ男の方の姿となっていた。


 昨日に引き続き、いつも通りの姿なことに対して、いつもなら喜ぶのだが、今日みたいに女性の中に男一人という状況になる場合は、出来ればあちらの姿がいいと思ってしまうわけで。


 だからこそ、俺はこっちがいいと言っていたのだが……残念ながら、俺の願いは虚しく男の方になったようだ。


「はぁ……絶対これ、休み明けの男子が面倒くさいことになるな……」


 俺相手に嫉妬しまくりのクラスメートたちのことだ。


 女の状態ならまだしも、男の状態で混ざろうものなら、間違いなく嫉妬やらやっかみやらなんやらが俺に向けられることだろう。面倒くさいことこの上ない。


 ……いや、俺以外の四期生は全員みたま推しで、椎菜のことが好きでもあるはず……なら問題はないのではないだろうか。


 うん、そう思うことにしよう。


 あいつらにそんな言い訳が通用するとは思わないが、そう思わなきゃきついからな。精神が。


「さてと、時間はまだあるな……どうしたものか……」


 十六時までかなり時間があるんだよなぁ……。

 とりあえず、今の内に着替えは済ませるとして……朝食でも摂るか。

 何があるかな。



 それから外行き用の服に着替え、適当に朝食を済ませた俺は、自室で三期生の反省会コラボ配信を見ていた。


「……なにも参考にならないな、これ……」


 俺が三期生の反省会コラボ配信を見たのは、今日の参考になるかもしれないと思ったからだ。


 だがまぁ、そもそもらいばーほーむだし、三期生も初手から濃かったこと、そして神薙みたまこと椎菜がツッコミらしいツッコミをしていなかったことなどなど、正直何一つ参考にできる場面がなかったのだ。


 というか、今知ったが……この頃ってまだ吐血とか鼻血はなかったんだな……。

 一体何があったら、一度噛むごとに辺りを血の海に沈めるようになると言うのか。

 あれか、椎菜から発せられるデバフ的な波動が、耐性を下げたとか、そんな感じだろうか。


 ……なまじファンタジーがある世界だから否定しきれないのが嫌だな……。


「しかし……いや本当にツッコミが不在だな……」


 一応、椎菜の立ち位置は俺と同じはずなんだがな……。

 まあ、そもそもの話、椎菜自身がツッコミ属性じゃないからな。

 どちらかと言えばボケ側だし。

 少なくとも、天然が入ってるせいで、無自覚にボケるところがあるからな。


「まあ、参考にはできない、か。一応、一期生と二期生のも見ておくか……」


 そう思って、一期生と二期生の反省会コラボ配信を見たのだが……


「なんにもッ、参考にならないッッッ……!」


 何一つとして参考にならなかった。


 この当時の愛菜さんはシスコン(ブラコン)キャラじゃなかったからか、まだ真っ当な方の暴走車だったし、他の三名も今ほどじゃないとはいえ普通に暴れてる(皐月さんは普通にツッコミだったが)しで、何も参考にならない。


 で、二期生の方はと言えば……案の定こっちもダメだった。

 この頃はまだおぎゃってなかったからツッコミとして機能をしていたあの先輩だが、なんかダメだった。


 この頃はバリバリのツンデレキャラだったせいで、すごくややこしいことになっているし、戸隠さんとか、なんかあまりにもコミュ障が過ぎるせいで、すぐに死のうとするし、冬夜先輩は愉快犯だし、友成さんも面白がってカオスを加速させるせいで酷かったしで……何一つ、参考にはならなかった。


「一期生~三期生、三回も反省会コラボをしてるのに、どこもまともじゃない辺りがらいばーほーむと言うべきか……」


 というか、三回全部これだと、ある意味俺たちの配信もそう言うのを望まれているのではなかろうか。


「……軽くエゴサ、してみるか」


 本来は精神衛生上あまりよくないが、それ以上に俺は一体どんな姿を求められているのか気になって、少しだけ調べてみる。

 とりあえず、検索ボックスに『凪神司』と入力したのだが……


「性別ガチャ系VTuberってサジェストはなんだ!?」


 サジェストの一番上に、『凪神司 性別ガチャ系VTuber』とかいう物が表示されていた。

 いや本当になんでだ……!

 間違ってはいないが!


 ……いや、そういえば配信時にそんなことが書かれたコメントもあったし、俺も見てちょっと頭の中に残ったが!


 っていうか、もうサジェストに載るくらいに認知されてるのかこれ!?


「しかも、なまじ今回が男の方なだけに否定できねぇ……!」


 実際にその通りだし、二回目の配信でしっかり男の方になっているから酷いなこれ……。


「で、今日の配信前の掲示板もなか盛り上がってるし……っていうか、なんか俺の性別で賭け事が発生してないかこれ!?」


 VTuber関係の掲示板を見に行ったら、そこでは俺の性別が男なのか女なのかという賭けをしている人たちがいた。

 もちろん、金銭は賭けておらず、賭けてるのは俺これするからァ! みたいな行動系だが……。


「何をどうしたら賭け事になるのだろうか」


 だが、これで理解した。

 たしかにエゴサはダメだな……なんか、すごく複雑な気持ちになる……。


「はぁ……ま、どうにかなればいいが……」


 何一つ参考にならなかった動画を閉じて、俺は溜息を吐きながらそう呟いた。



 それから時間は進み、俺は事務所へ向かっていた。


『みなさんは着きました? わたくしは着きましたわ』

『私は到着しております』

『うちも着いてますぜ』

『俺は今向かってる途中です』

『了解ですわ。ところで、美鈴さんと小夜さんはどちらに?』

『私は事務所内のかふぇでこぉひぃを飲んでおります』

『うちはちょいとみたまちゃんの新規衣装を社長に投げてるとこですぜー。これが終わったら、先に配信部屋に行ってるぜぃ』

『了解しましたわ。では、あとは高宮さんだけですのね。高宮さん、急がず、ゆっくりで構いませんわ!』

『お気をつけて』

『待ってますぜ!』

『ありがとうございます。また後ほど』


 うん、普通にいい人たちなんだよな……椎菜が絡まなければ。

 椎菜が絡むと普通にアレな感じの人になる辺りが、らいばーほーむに入れた所以だろう。

 第二の愛菜さんとか本当に勘弁してほしいけどな……。


「さて、俺もちょっと急ぐかな」


 ゆっくりでいいとは言われたが、あんまり待たせるのも気が引けるので、俺は少しだけ歩く速度を上げて事務所の方へ向かう。

 とは言っても、もうすぐの位置にいたんだけどな。


「何気に、らいばーほーむの事務所ってデカいんだよな……」


 大きなビルの中の一部フロアを事務所にしてるんじゃなくて、普通に一つの建物がらいばーほーむの事務所なんだよなぁ……。


「さて、これから配信か……まあ、ここに来るのは一週間ぶりだけど」


 初配信の時もこっちだったからな。

 というより、最初の二回の配信は基本的に事務所でやるらしい。

 自宅で反省会コラボをした椎菜が例外なのだそうだ。


「あ、ようこそ、らいばーほーむの事務所へ……って、あ、高宮君じゃないですか。今日はそっちなんですね?」


 早速事務所の中に入ると、スーツ姿の黒髪セミロングな女性が人懐っこい笑みを浮かべて俺に話しかけて来た。


「えぇ、まぁ……できれば、女の方がよかったんですけどね……」

「いやいや、今日はそっちの方が面白いですって!」

「マネージャーさん、すごいテンション高いですね」


 なぜかテンションが高いマネージャーに、俺は苦笑い交じりにそう返す。


「ノンノン。マネージャーじゃなくて、なずなちゃん、って呼んでくださいよ、高宮君!」

「いや、普通に高橋さんって呼ばせてもらいますよ……」

「えー? 別にいいじゃないですか―、なずなちゃんでも! あ、それとも、なずなっちとか、なずにゃんとかの方がよかった感じで?」

「全然違いますが!?」

「ちぇー。現役イケメン男子高校生に名前を呼ばれてみたかったんですけどねー」

「どんな願望ですか……」

「ま、らいばーほーむ事務所内では、君に手を出すのは禁忌ってことになってるんでね、手は出さないですよ」

「ちょっと待ってください。なんで禁忌扱いになってるんですか?」


 何故、俺が禁忌扱いされているのか気になった俺は、速攻で聞き返していた。


「え? そりゃあ、君を狙ってる某あの人がいるかですが? なんというか、面白~~~い恋愛事情が見れそうだなー、ってスタッフたちはにっこにこなんですよね!」

「一体誰との恋愛事情ですかそれ!?」

「そこは秘密でーす! っと、他の三人は既に配信部屋にいるんで、ちゃちゃっと高宮君も向かっちゃってくださーい」

「あぁはい。了解です」


 この人、ほんとテンション高いな……なんて思いながら、俺は今日配信を行うことになっている部屋の方へ。


 軽くノックしてから中へ入ると、既に不知火さん、雨寺さん、四月一日さんが楽しそうに会話をしていた。


「あ、来ましたわね! って、あら、本当に男女両方になれるのですね!」

「なるほど、うふふ、とても特異な体質になったようで……」

「おー! すげぇですねぇ! ふむふむ、改めて見ると、高宮君はイケメンだねぇ!」

「あー、とりあえず、今日はよろしくお願いします」

「えぇ! 同じ四期生として、最高に狂った配信をしましょうね!」

「狂ったって何ですか!?」

「うふふ、らいばぁほぉむはおかしなことをすることに定評がありますからね。あ、私も本日はタガを外そうと思っておりますので、よろしくお願いします」

「うちもー」

「既にツッコミを丸投げされてるんですが!?」


 くっ、まだ配信が始まってすらいないのに、既に大変な気配しかしないッ……!


「当然ですわ! そのためのツッコミ担当ですもの! あ、ツッコミ担当ですし、敬語は無しで大丈夫ですわ!」

「そうですね。私たちは同期。今後も共に配信を行っていくわけですので、敬語は不要でしょう」

「うんうん、うちも別に敬語で構わねぇですよ! むしろそっちの方がいいまである!」

「あー……まあ、敬語じゃなくていいならいいんですけど……俺、一応年下なんですけどね……って、そう言えばみなさんっていくつなんですか?」

「わたくしは十九歳ですわ」

「うちは二十歳~」

「私は…………とりあえず、二十四ということにしておいてください」


 なんか、雨寺さんだけおかしくなかったか……?

 ということにしておいてくださいって、普通言わないと思うんだが……。


「結構歳は近いんですね……ならまぁ、いいか……じゃあ、改めて、よろしく」

「そっちの方がいいですわね!」

「そうですね」

「うんうん! やっぱ、仲間で同期である以上、変によそよそしいのもねぇ!」


 らいばーほーむは狂人しか入ってこないが、それと同時に性格がいい人しか入ってこない場所でもある、なんて言われているが……なるほど、たしかにそうだな。

 この人達の反応を見ていると、そう強く思わされる。

 こっちとしてはすごくありがたいな。


「はいはーい、四期生全員、揃ってますね! 改めて、自己紹介を! 四期生のマネージャー、高橋なずなです! よろしくお願いしまーす!」


 と、ドアがノックされた直後に、やたら高いテンションのまま、高橋さんが部屋に入って来た。


「よろしくお願いしますわ!」

「よろしくお願いいたします」

「よろしくぅ!」

「よろしくお願いします」

「はい、返事ありがとうございまぁす! ではでは、時間もちょうどいいので、これからの配信について色々! そして、準備も色々するのでね! しっかり聞いてくださいね!」


 と、明るくはきはきと喋る高橋さんの説明を俺たちは受けている間に、あっという間に時間が過ぎて、遂に配信開始前となった。


 なんというか、既に色々と心配だぁっ……!

 こいつ、マジで神に愛されてるだろ、と本気で思いました! まる!

 なんというか、引きが強いよね、柊。今回もルーレット回したんですが……。

 というわけで、次回は配信回! 四期生の反省会コラボだよっ!!!

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― 新着の感想 ―
ルーレット運強すぎるwww 某あの人は1人しかおらんやんwww
昼寝で変わるか試さないのかな
ルーレット神様は愉快犯的性質を持っていらっしゃるようだ。(笑) そしてマネージャーたちはよく分かっていらっしゃる。 「え? そりゃあ、君を狙ってる某あの人がいるかですが? なんというか、面白~~~い…
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