配信#30-1 四期生の初配信:夜久嬢かざりの場合
安心してください。さらっとしてるよ!
【《らいばーほーむ四期生》夜久嬢かざりの自己紹介ですわっ!《初配信》】
夜久嬢かざり/Yakujou Kazari
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#らいばーほーむ四期生 #自己紹介 #初配信
【お、最初はかざりちゃんか!】
【今んとこ、お嬢様系ってことしかわかってないけど、どんな感じになるのかわっくわくしてるぜ】
【いやぁ、初配信前のこのドキドキ感とワクワク感ってのはやっぱいいもんだなー】
【らいばーほーむにしては、視聴者数が少ないか?】
【いや、まだ増えてるし、多分始まった瞬間に入ってくる人の方が多いと思われ】
【そもそも、初手二万はバカ多いだろこれww】
【すっかりらいばーほーむも大手になったなぁ……】
ふぅ……なんといいますか、かなり緊張しますわね……!
まだ始まってすらいない待機中の画面ですのに、コメントがずらーっ! と高速で流れていくのを見て、わたくしはそれなりに緊張しています。
わたくしは不知火双葉。
今日かららいばーほーむ四期生の夜久嬢かざりとして活動を始めますの。
ここまで長かったですわ……。
みたま様という至高の御方と出会い、命を救われてから二ヵ月弱……。
わたくしは、みたま様に命を救われてから、らいばーほーむ、ひいてはVTuberというものを知り、出会いました。
それはとても素晴らしく、今まで知らなかったことを思わず恥じてしまいましたわ。
それほどまでに、素晴らしいものでした。
その出会いからほどなくして、らいばーほーむが四期生の募集を開始すると、みたま様の配信で知り、わたくしは早速応募を決めましたの。
こういったものは一芸を見せると聞きましたが、わたくしの場合、いかにみたま様が素晴らしいか、ということをパワーポイントの資料を自ら作成し、それを二次選考の面接で披露した結果、見事に合格。
そしてイベント二日目にして、なんとみたま様とお会いすることが叶いましたわ。
イベントから今日という日まで、わたくしはひたすらに初配信のことを考え……るのではなく、みたま様やらいばーほーむの先輩の皆様の配信を楽しんでおりました。
とても有意義でしたわ。
そして今日……わたくしは正式にらいばーほーむ四期生、夜久嬢かざりとして活動を開始しますわ!
……さて、どうやらもう時間のようですわね。
ここでしっかりと挨拶を決め、スタートダッシュを完璧なものにしなくては!
そう心の中で覚悟を決めていると、スタッフの方のカンペがこちらに。
『残り一分ですので、お願いします』
とのこと。
こくりとわたくしは一つ頷き、小さく深呼吸。
そして、開始時間の20時になった瞬間、画面に映像が流れだす。
わたくし、リアルお嬢様を目指す極道娘という設定ということもあり、夜久嬢かざりのデザインは着物を着た女性となりましたの。
面白いことに、左肩は着物を着ておらず、白いお腹やさらしが巻かれた胸などが見えております。
なかなかいいデザインですわ。
イベントの際には両肩がむき出しになったデザインでしたが、基本はこちらとのこと。
髪色は栗色であり、髪型はハーフアップ。
なかなか愛らしい顔立ちですが……ふふ、これが今日からわたくしの半身と考えると、なんだかこそばゆい気持ちになりますわね。
さて、オープニング映像について。
みたま様は神社がメインとなっておりましたが、わたくしの場合はどうやら日本屋敷……そして、桜が舞い散る中を夜久嬢かざりが歩く、というシンプルな物。
なかなかいいと思いますわ。
【こうしてみると、メッチャお嬢】
【わかる。お嬢様っていうか、お嬢だよなこれ】
【可愛いからよし!】
【極道系お嬢様とか可愛いに決まってるよなぁ?!】
【ってか、よく見るとデザインが微妙にイベントの時と違うな? こっちもこっちでいいね!】
【はよぉ! はやぉ! 声をぉ!】
ふふふ、どうやらわたくしの登場を今か今かと待ちわびている様子。
映像が終わり、わたくしのモデルが表示され、わたくしの時間が開始。
「みなさまごきげんよう! 今日かららいばーほーむ四期生として、活動を始める、夜久嬢かざりですわ! 全身全霊、粉骨砕身頑張りますので、応援をよろしくお願いいたします!」
【お嬢様口調いいね!】
【結構違和感ないなー】
【可愛いよー!】
【いや、かざりちゃんは可愛いっていうか、キレイ系の声っぽくね?】
【どっちでもえぇよ。かわいいんだからなぁ!】
「うふふ、早速褒められてしまいましたわね! ですがやはり、可愛いはわたくし、ではなくみたま様や、その相方である、リリス様の二人の方が最も似合う誉め言葉ですからして、わたくしはあれです。綺麗! とか、かっこいい! とかの方がいいですわね!」
【草】
【草】
【草】
【初手からすでにおもろいぞこれww】
【あっ、そう言えばみたまちゃんファンでしたね】
【やばい予感しかしないぜぇ!】
【ってか、可愛いと褒められてそれを先輩の方が似合う、とか初手から言ってのけるのはマジでらいばーほーむってると思う】
「当然ですわ! みたま様とリリス様のあのコンビこそ至高ですので! わたくしなど、有象無象、路傍の石もいいところですわ!」
【お、おう】
【自己紹介が始まって早々これかぁwww】
【すごく、いいと思います】
「では、詳細な自己紹介をさせていただきますわ。こほんっ。わたくしは夜久嬢かざり。リアルお嬢様というお嬢様に憧れている、しがない、そしてちょっぴり血に飢えている極道娘ですわ。そして、みたま教の信者を増やすことも最大の目的の一つですの」
【ちょっと待てや】
【早速知らねぇ一文が生えてきたぞ!?】
【最大の目的の一つがみたま教の信者増やしなのは草生える】
【ほかの目的は何なんだよww】
「ほかですか? そうですわね……やはり、みたま様とのコラボ……それから、是非ともロリピュアの配信を生で! 間近で見たいことですわ! ぶっちゃけ、登録者数などどうでもいいと思っていますの」
もとより、わたくしはみたま様を崇拝し、憧れてらいばーほーむを目指しましたので。
もちろん、ほかの先輩方も尊敬しておりますわ。
是非とも、皆様ともコラボがしたいものですわね。
【配信者がそれはダメじゃねぇ!?】
【wwww】
【なかなか癖の強いのが来たなぁおいwww】
【普通に一期生~三期生全員濃いし、四期生はそうでもないだろ~~ww とか思ってたら初手かららいばーほーむってて草生える】
「それ以外ですと、やはりふゆり様やひかり様とみたま様談議がしたいですわね。世界一有意義な時間になるのは確実ですからね」
【そ、そうかなぁ……? そうかも……?】
【あの二人のすごいところ。イベントで唯一自分たちのことではなく、同期、もしくは後輩のことのみを話すというステージをしたこと】
【やっぱおかしいだろあれwww】
【イベントで一緒にやりたい! とか言ってたもんなぁ、かざりちゃん】
「それと、設定年齢は18歳ですわ」
まあ、わたくしの年齢は19歳ですが。
【設定言うなww】
【いきなり設定とか言い出したよお嬢ww】
【永遠の18歳】
「好きな物は……そうですわね。海鮮丼が好物ですわね。あとはみたま様のすべて。そして、みたま様の手料理ですわ! 食べたことはありませんけれどね!」
【いやないんかいっ!】
【食べたことないものを好物って言ってる人初めて見たww】
【強すぎるww】
【まあでも、実際にかざりちゃんのつぶやきって、ほぼ全部みたまちゃんだから……】
【結構ガチな信者なんだよなぁww】
【その信者が後輩として入ってくるって面白いよね】
「それから嫌いなものは……みたま様やらいばーほーむという素晴らしいものを知らなかった過去の自分ですわね。あとは……某自動車メーカーのとある車ですわ」
【前者と後者の落差よ】
【どんだけ好きなんだよみたまちゃんww】
【ってか、車が嫌いなのなんで? なにかあったの?】
「えぇ、まあ。少し前、少々ひき逃げされまして、危うく死にかけましたわ」
今思い出しても、あの下種は許せませんわね。
あぁでも、みたま様出会えたのもあの下種のおかげですし……まぁ、今はおそらく東京湾…………いえ、もう気にすることもないですわね。
【うん……うん!?】
【ひき逃げ!? 死にかけた!?】
【いやいやいやいや!? 大事故じゃん!? え、大丈夫なの!?】
「問題ありませんわ。まあ、わたくしがひき逃げされたことはどうでもいいとして……」
【よくないよ?】
【さらっと流すな!】
【普通に心配なんだけど!】
「いえいえ、本当に問題ありませんわ。怪我などなく、今はピンピンしているので」
みたま様のあのお力のおかげですけれど。
まあ、それをここで言うほどわたくしはバカでも愚かでもありませんわ。
【そ、そうなんだ】
【それならいいけど……】
【びっくりしたぁ】
【初配信で聞く内容じゃない】
「ではあまり雑談ばかりしていても時間が無くなってしまいますし、ファンネームとファンアートタグ、配信タグを決めていきますわ!」
やはり、VTuberにおいてこれが一番大事だそうで。
それもそうですわよね。
なんせ、一度決めれば変えられませんから。
「まずは、ファンネームですわね。何かあります?」
【ファンネームかぁ……】
【お嬢様、お嬢……うーん、なんだろ?】
【結構むずいな、かざりちゃんの場合】
【あー、じゃあ、構成員とか? 極道娘だし】
【草】
【俺たちがヤーさんみてぇじゃんww】
「構成員……いいですわね! ではそれで! 馴染みもありますし!」
実家の皆様が似たようなものですしね。
それに、不知火組の皆様もわたくしの配信を視聴してくださっているとか。
わたくしにとっては割と馴染みのある言葉でもありますし、間接的に皆様のことも呼べることもあって、いいことづくしですわね!
【構成員という言葉になじみがある……いやなんで?ww】
【普通は聞かないんだよなぁ】
【まあ、面白いからヨシ!】
「では、構成員ということで。次にファンアートタグですわね」
【あー、うーん……お嬢様かぁ……】
【だめだ、さっきの構成員に引っ張られて、ショバ代という単語が出てくる】
【それはあかんww】
【なんか違うからダメだろそれww】
【となると、みかじめ料】
【いやそれもヤーさん】
【縄張り持っちゃってるみたいになってるって】
【やばい、むずいぞかざりちゃんのファンアートタグ!】
なるほど、わたくしのファンアートタグは難しいと……。
……であれば。
「そうですわね、献上品はいかが?」
【それならいいと思う!】
【一応極道娘って設定だし、お嬢様を目指してるって設定にも合ってると思うし】
【あってる……あってる? まあ、あってるか……】
【でも、献上品だとちょっとわかりにくいし、お嬢への献上品とかの方がいいのでは?】
【それだ】
【お前天才か!?】
「それはいいですわね! では、お嬢への献上品でいきますわ!」
たしかに、献上品という三文字だけよりも、お嬢への、とついたほうがわたくし宛とわかりやすいですものね!
「では最後、配信タグ」
【みたま教の教え】
【草ァ!】
【なんでみたまちゃんじゃないのに、みたまちゃんの名前が出るんだよww】
【後輩なのがなおひどいww】
【まあ、さすがにそれは……】
「とても、とても素晴らしいと思いますわ! ですが、それですとわたくしの配信がすべて、みたま様関係になってしまいますので。そのタグは、みたま様関係の時に付けたいと思います」
せっかくのアイデアですもの。
使える場面がきっと訪れるでしょうし、使う方向で。
【結局付けるのかよww】
【えぇぇぇ……】
【いいんだそれw】
【んじゃあまあ、別のか……あー、じゃあ、お嬢のカチコミ】
【夜久嬢組】
【どっちもヤーさんじゃねえか!】
【どうあがいてもヤーさんになるんかいww】
【かざりちゃん的にはどっちがいい?】
「そうですわね……やはり、カチコミの方が使っていて気持ちがいいですわね! こう、血沸き肉躍ると言いますか!」
我が不知火組ではカチコミする相手が年代を経るごとに減ったそうですが。
今は妖の類は少ないようですし。
昔は百鬼夜行とかあったようですけれど。
【お嬢様を目指してるという設定がすでにどっかいきそうww】
【これもうただのお嬢だろ】
【TDNはお嬢だった……?】
【なるほど、血に飢えてるってそういう……】
「では、わたくしの配信タグは、お嬢のカチコミで決まりですわ!」
【本当にカチコミになっちまったよ】
【草】
【もはやすべてのタグがなんかそっち系】
「あら、どうやらわたくしの時間も終わりの時が近づいてきたようですわ」
【はや!?】
【まあ、三十分だけだしね】
【うん、実に濃い三十分だった】
【面白かったよ!】
【チャンネル登録しました!】
「では、ここまでのご視聴ありがとうございました! わたくしは今後ゲーム配信をメインに活動し、そしてみたま様の良さをこの世のすべての方々に知らしめるべく、精進してまいりますので、応援をよろしくお願いいたします! では、ごきげんよう!」
最後にわたくしが挨拶を行い、配信は終了となりました。
【ごきげんよう!】
【ごきげんよう!】
【うん、面白かった】
【いやぁ、濃い三十分だったぜぇ……】
【……これで一人目って、マ?】
【ほかの事務所だったら、後続がお通夜状態になるけど、らいばーほーむだからなぁ……まともなわけがない】
【できれば、めいちゃんはそこまで濃くないとありがたい……】
まあ、最初のジャブなんてこれくらいでいいよね! というわけでね。
この回から四話連続で四期生の初配信回となります。
順番はもう決まっていて、最後は当然例のあの人です。次は誰だろうね!




