#143 配信前の買い物、ある意味幸運の女神的な
「んっ、くぅっ、ふあぁぁ~~~~……んんゅ……」
冬コミが終わった(と言っても、一日目なんだけど)次の日の朝、僕は大きな欠伸と伸びをしながらを目を覚ましました。
「うん、目が覚めました!」
ぬくぬくとしたベッドの中から出ると、外のひんやりとした空気におもわずぶるり、と体が震えた。
身長が低くなったことによって、下に溜まりやすい冷気がほぼ全身に来るようになっちゃったからなぁ……。
まあでも、元々暑い季節よりも寒い季節の方が好きだし、むしろ寒いのは好きなので全然問題はないんだけど。
冬場はやっぱり、お布団の中でぬくぬくするのがいいと思います!
温かいからね!
「さてと、ささっと着替えちゃわないと」
今日は大晦日配信をする日。
内容は……なんでも、お鍋を食べる、らしいです。
それと、大晦日なので年越しそばも。
調理担当は僕ということになっていて、個人的には既にやる気いっぱいです。
美味しいご飯を作らないとね!
「ともあれ、着替えちゃおっと」
お昼を食べたら、お鍋とお蕎麦の準備をしちゃいたいからね。
というわけで、ささっとお着替えを済ませて一階へ。
「おはよ~」
「おっはよう! 椎菜ちゃん!」
「おはよう、椎菜。よく眠れた?」
「うんっ! お父さんもおはよー!」
「あぁ、おはよう」
リビングへ行くと、既にお母さんたちは起きていて、お母さんは朝ご飯を。
お姉ちゃんはタブレットで何か描いていて。
お父さんはコーヒーを飲みながら新聞を読んでいました。
こういう朝の風景ってなんだかいいよね、好きです。
「今日は配信よね?」
「うん。お昼を食べたらすぐに行くよー」
「いやぁ、今日は大晦日だからねぇ。やはり、大晦日と言えばアレ! それに、大晦日は視聴者も多く来るからねー」
「大晦日の特番よりも、VTuber……日本もすっかり変わったなぁ。昔は、笑ってはいけない的なアレとか、他にも色々やっていたものだが……やはり、色々と動画投稿サイトやらサブスクやらが普及したからね。そこは少し寂しくもあるなぁ」
「とか言って、あなたも見るんでしょう? 配信」
「愛娘たちが出る配信を見ないとか、親じゃない」
「さっすがお父さん! 私との血の繋がりを感じるぜぇ!」
「あ、あははは……本当にそっくりだよね、性格とか」
「二人は血が繋がっているのだから、当然よね」
お父さんって、見た目だけなら結構な強面さんなんだけど、いざお話してみると、接しやすいというか、お姉ちゃんみたいなことをよく言ってくるから、実はそんなに怖くなかったり……。
とは言っても、僕自身がそんなに怖がらないというか、外見で人を判断しないように心掛けてるから、初めて会った時も特に怖がることもなかったんだけど。
「ところで、みまちゃんとみおちゃんが今日帰って来るけど、二人はどうするの?」
「あー、それはちょっとやめた方がいいかも」
「あら、珍しいわね~、愛菜が止めるなんて」
「いやぁ、今日やる企画が企画だからね。それに、大晦日配信ということで、夜遅いしね」
「そうだね。二人はまだ0歳だし、ご飯食べたらすぐ眠っちゃうから……それに、お姉ちゃんが言うように、遅くまでやるつもりなので、今日は止めた方がいいかな」
「そっか。お婆ちゃんとしては、母娘で過ごしてほしいと思わないでもないけど、さすがに夜遅くまで起こしたままというのも問題だし……うん、じゃあ二人はこっちで相手をしておくわ。確実に駄々はこねると思うけど……」
「うっ……」
駄々……は絶対こねるだろうなぁ……。
それに、大晦日って年に一回しかないし……個人的には連れて行ってあげたいんだけど、やっぱり夜は遅いし、さすがにその、小学生を遅くまで出させるのはあまりよろしくないからね……。
うぅ、胸が痛いよぉ……。
「なんと言うか、椎菜がそこまで胸を痛めているのを見ると、本当に二人のことを思っているんだと思わされるなぁ」
「大事な娘だもん」
「動画でも思うけど、やっぱり椎菜の母性って強いわよね~。お母さん、びっくり~」
「んまあ、だからこそおぎゃってる先輩がいるわけですけどねぇ!」
「「あれは仕方ない」」
「おおぅ、両親からの肯定が入ったよ」
「なんだか変な気分……」
「ま、実際に椎菜ちゃんの母性は底なしみたいなものだから」
「愛想に底はあっても、愛情に底はないと思うんです」
「明言ね~」
「うんうん、その通りだな」
「さすが現役女子高生母親……!」
間違ってないけど、何か間違ってる気がします……。
◇
家族での朝の団欒を楽しみつつ、朝食を食べて朝はのんびり。
テレビを点ければ、大晦日だからか長い長いバラエティー番組を放送している。
僕たち一家はあんまりテレビを見る方じゃないけど、こういう時は何となくでテレビを点けることがいつもです。
去年は僕一人だったから今年は揃っててなんだか嬉しい……。
「ところで椎菜ちゃん」
「なぁに? お姉ちゃん」
ソファーでごろんと寝転んでいると、お姉ちゃんが話しかけて来たので、上を向いてお姉ちゃんの方に視線を向ける。
ただ、仰向け状態だったので、逆さまに見えてるけど。
「おふっ、だらだら椎菜ちゃんよき……」
「お姉ちゃん?」
「おっと、ごめんごめん。我が脳内シスター領域におへそをちらりさせながらだらだら~っとしてる椎菜ちゃんという最高のオフショットを記憶してた」
「何を言ってるの……?」
「気にしなくてOK」
「それならいいけど……それで、何かあるの?」
「おうよー。配信に行く時、椎菜ちゃんって買い物するよね?」
「うん。必要な材料があるから商店街で」
「ほむほむ。買う物は決まってるのかな?」
「んっと、お鍋用の材料をちょっとと、あとはお蕎麦のトッピング用の物を」
「なるほどー」
「それだけ?」
「うん、それだけ。ちょいと気になったからね。あ、ちなみに配信場所はわかってるよね?」
「たしか、前に焼肉パーティーをしたところだよね?」
「そそ! やー、近くにああいう場所があるっていいよねぇ」
「そうだね。ああやって集まってお料理の配信ができるのは個人的に嬉しいです」
元々、お料理が好きだから、ああやってできる場所はすごく好き。
それに、今回は一から作ることになっているから、頑張らないとだからね!
「あ、ちなみに今日の配信のテーマがありまして」
「テーマ?」
「そう、テーマ。そのテーマはずばり! 部屋着!」
「部屋着?」
「YES! 部屋着!」
「んっと……つまり……お外用のお洋服とかじゃなくて、どちらかと言えばお外に出ない時に着るような物ってことかな?」
「そゆこと」
「なるほど」
それはちょっと面白そう。
部屋着……部屋着かぁ……………………うんまあ、僕の場合ちょっとアレだけど……大丈夫だよね?
別に、裸じゃないし……。
……うん、大丈夫だよね!
「というわけで、部屋着でね! あ、着替えは普通に向こうで出来るからヨシ!」
「うん、わかったよ!」
「あと、向こうにエプロンとかはないので、エプロンは持参した方が吉」
「そうだね。エプロン持ってかないと」
やっぱり、お料理……というより、家事をする時はエプロンが必須だと思うからね。
なんというかこう、気が引き締まる感じがするので!
「集合時間は……たしか、午後一時だから……お母さん、お昼十一頃にお願いしてもOK?」
「いいわよ~」
「なんだ、早いんだな?」
「椎菜ちゃんが買い物をするからね。商店街の方で」
「それは確かに必要だなぁ」
「となると、二人とはすれ違いになっちゃうので」
「あー……代わりに謝っておいてくれるかな……?」
「もちろん。ただ、確実に泣くと思うから、あらかじめ対策が欲しいわね~」
「対策……うぅん、じゃあ、冬休みに三人でおでかけ、とか?」
思いつくのはやっぱり、三人だけでお出かけをすること。
二人は僕と一緒にいることを好んでるし、なんだかんだお出かけなら多分、なんとか……。
「ふふ、そうね。それがいいと思うわ~。やっぱり、母娘水入らずの時間は必要だもの。子供なんだし」
「うん。じゃあ、そうだなぁ……二日に三期生みんなで配信するし……五日は杏実お姉ちゃんと配信……四期生の初配信がたしか七日だったはずだから……うん、じゃあ、六日。六日にしようかな」
「了解。二人はそう言ってなだめておくわ」
「お願いします」
とりあえず、それで何とかなるといいなぁ……。
あ、それからお正月には二人にお年玉を上げないと……!
◇
それから十一頃にお昼ご飯を食べて、準備を済ませてから僕とお姉ちゃんは出発しました。
とはいえ、先にお買い物を済ませないといけないので、まずは商店街の方へ。
「お~、久しぶりに大晦日に商店街に来たけど、人が多いねぇ」
「物の質がいいし、やっぱりお財布事情を考慮すると、安くて美味しい商店街の方がいいからね!」
「さすが椎菜ちゃん。主婦」
「僕結婚してないよぉ!?」
「あっはっはー! まあ、いいじゃんいいじゃん。はい、というわけで、買い物! んで、何買うの?」
「あ、うん。えっと、買う物は……昆布でしょ? 鶏挽肉に……あ、出来れば鶏ガラ」
「椎菜ちゃん、ガチだね……!」
「折角なので!」
やっぱり、らいばーほーむのみなさんに食べてもらうのなら、僕だって本気になります!
なので、鶏ガラで出汁を取るつもりです。
「他は?」
「んっとね、ネギ、人参、玉ねぎ……あとは、ん~、桜エビもかな。それから、海老をなるべくたくさん……かな? あ、お蕎麦も買わないとだから、それも買って……ん~、あとはー……あ、紫蘇も買っておきたいかな」
「結構買うねぇ」
「なんだかんだで、十二人分だからね」
「そう言えば、今日は小夜ちゃんは不参加だもんねぇ」
「そこはちょっと残念です」
「なんだかんだ、最近は一緒だったしね」
「そうだね」
実は今日の配信では、小夜お姉ちゃんは不参加となっています。
というのも、
『いや、焼肉パーティーと温泉旅行は事前に誘ってもらったけど、さすがに四期生確定状態で尚且つ初配信前に大晦日配信も混じるとか……さすがにちょっと問題な気がするんで、今回は血涙を飲んで不参加で……!』
とのことだそうです。
たしかに、四期生に入ることがわかる前に誘ってたもんね、二つの配信って。
なので、残念ではあるけど、仕方ないかなぁ、なんて。
「ま、来ないのはもう仕方ないのでね。というわけで、まずは昆布と桜エビかな?」
「うん。どっちも乾物系だからね。あ、油も買わないと」
「了解! じゃあ、私が昆布と油、あと桜エビを買って来るから、椎菜ちゃんはお肉屋さんへ行くってのでどう? 魚屋の方は一緒に行くって感じで」
「うん、それでいいよ! あ、昆布はちゃんと大きい袋に入ってるのを買ってね?」
「OK! あ、八百屋も行くんだっけ?」
「うん。そっちは僕の方で行くから大丈夫!」
「りょーかい! じゃ、魚屋さんの前でねー」
「うん!」
お姉ちゃんの提案で、僕はお肉屋さんと八百屋さんへ。
お姉ちゃんは乾物系を売っているお店へ。
「こんにちはー」
「おう、椎菜坊! らっしゃい! 買い物かい?」
「はい! この後、パーティーなので!」
「おぉ、そうかいそうかい! んで、何を買うんだい?」
「んっと、鶏挽肉を……んーと、七百グラムと、鶏ガラをください!」
「ほほう、鶏ガラとはなぁ。おおよそ高校生は買わねぇな! ハッハッハ!」
「たしかにそうですねぇ」
豪快に笑うおじさんの言葉に笑みを浮かべながら肯定。
お使いでならまだわからないでもないけど、自分で調理するんです! っていう場合はあんまりないかも?
前に鶏ガラでラーメンを作ったことあるけど、また作りたいところです。
「えー、挽肉と鶏ガラで……1182円だな!」
「丁度です!」
「まいどありぃ! っと、いつも買ってくれる椎菜坊には、おまけをしておこう。ほれ、レバーだ」
「ありがとうございますっ!」
レバーは普通に嬉しい。
なぜかわからないけど、なんだか必要になりそうだから。
でも、そうだなぁ、いつもはレバニラ炒めだし……あ、唐揚げにでもしよー。
「ついでにこれ、そこでやってる福引券。ま、使ってくれや」
鶏挽肉とレバー、鶏ガラを受け取った後、おじさんが福引券を二枚くれました。
「やたっ! あ、ちなみに、何が貰えるんですか?」
「おう、そりゃあ見てのお楽しみだが……そうだなぁ。だが、一等を当てりゃあ、この後はすごいことになるんじゃねぇかな」
「なるほど。じゃあ、後で引きます!」
「おうおう、いいもん当てろよ!」
「はい! それじゃあ!」
ぺこりとお辞儀をしてから僕はお肉屋さんを後にしました。
次に八百屋さんの方へ。
「こんにちは!」
「おぉ、椎菜ちゃん。いらっしゃい。買い物かな?」
「はい! んっと、ネギ一束と、玉ねぎ三個、あと人参を四本と、紫蘇を二束ください!」
「元気がいいねぇ。合計で892円だ」
「んっと、あ、丁度あった。じゃあ、丁度です!」
「毎度ありぃ。あぁ、おまけに椎茸入れとくねぇ」
「やった!」
「それと、こっちは福引券一枚だ」
「ありがとうございます! いつもおまけしてくれてありがとうございますっ!」
「いいってことよぉ。椎菜ちゃんにはいつも世話になってるからねぇ」
「いえいえ、それじゃあ、次のお店に行きますね!」
「おぉ、おぉ、よいお年をぉ」
「おじいさんも、よいお年を!」
こちらでもぺこりとお辞儀をしてから、八百屋さんを去りました。
最後にお魚屋さんの方へ行くと、そこではお姉ちゃんが待っていました。
「あ、お姉ちゃん。お待たせ! 早かったね?」
「買う物が決まってたからねぇ! というわけで、ちゃちゃーっと済ませよう」
「うん! こんにちはー!」
「あら、椎菜ちゃん。いらっしゃい。何を買ってくんだい?」
「海老を、んーっと、二十四尾ください!」
「おや、随分買うねぇ。何かあるのかい?」
「パーティーです!」
「そうかいそうかい。楽しそうな顔をしてるねぇ。それじゃあ、二十四尾で2400円だよ」
「丁度です!」
「はい、丁度。いつもありがとねぇ。おまけに、たらこ持って行って」
「わ! ありがとうございますっ!」
「それと、こっちは福引券四枚だよ」
「ここでも! ありがとうございますっ!」
「いいよぉ」
「それじゃあ、僕たちは行きますね!」
「よいお年をね、椎菜ちゃん」
「はい! おばさんもよいお年を!」
お魚屋さんでも買う物を買って、おまけと福引券を貰って、僕たちはお魚屋さんを後にしました。
「椎菜ちゃん」
「なぁに?」
「椎菜ちゃんって、いつもおまけもらってるの?」
「うん! みなさんいい人で、何か買うたびにくれるの!」
「そっかぁ。さすが、商店街のアイドル」
「ふぇ?」
「んーん、なんでもなーい。あ、そう言えば福引券貰ってたよね? 引いてくの?」
「もちろんです! 仮に外れでもポケットティッシュが貰えるからね。ありがたいものです」
「椎菜ちゃんのお母さん属性が強い」
ポケットティッシュはあって困るものじゃないからね。
特に冬場は風邪をひきやすい時期でもあるから、そう言う意味でも必須だと思います。
なんてことを思いつつ、福引所へ。
「こんにちは!」
「おぉ、椎菜ちゃん。それに、おや、愛菜ちゃんじゃないかい。久しぶりだなぁ」
「ども、お久しぶりです!」
「見ない間にすっかり綺麗になっちまったなぁ、二人とも」
「椎菜ちゃんは世界一可愛いからね」
「はっはっは! 相変わらずの溺愛っぷりに安心したよ。んで、福引を引きに来たんだろう?」
「はい! んっと、七枚です!」
「んじゃ、早速引いてくれ。ちなみに、五等は商品券一万円分、四等は米十キロ、三等は羽なし扇風機、二等は掃除機、一等は丸々一匹の鰤だ!」
「おー!」
「え、ここの福引、鰤なんてあるんだ……すっごー」
「ちなみに、釣った物を速攻で届けてもらったんで新鮮だ!」
「鰤かぁ。やっぱり、ぶりしゃぶしたいなぁ……お刺身もいいし、他にも……まあでも、高望みかな!」
当たったら色々作ってみたいけど、当たるわけもないよね。
「椎菜ちゃん的に欲しい物って?」
「お米か掃除機」
「おぉう、主婦……」
だって、あの掃除機いいやつだもん!
吸引力が変わらないあれだもん!
あれがあれば、家事が捗りそうだから、個人的にはすごく欲しい。
お米については、いくらあっても困らないからね!
「そんじゃ、引いてくれ!」
「はーい! じゃあ、行きますっ!」
なんて意気込んだけど、別に当たらなくても別によかったり。
こういうのって、当たったら嬉しいけど、なんだかんだで引く瞬間が一番楽しいと思うからね。
とりあえず、ポケットティッシュを貰って行こうかな。
そうして、ガラガラ~、と音を立てながらぽとぽと、と玉が出てきます。
色は……白、白、白、緑、白、白……って、普通に当たってる!?
「おめでとうございます! 四等、お米十キロだ!」
「やったー!」
「さすが椎菜ちゃんの幸運! でも、あと一回残ってるよ?」
「うん。まあ、さすがに最後は白――」
ガラガラ……ぽと。
「「「……」」」
出て来た玉の色を見て、僕たちは思わず固まりました。
そこにあったのは……キラキラと輝く金色の玉でした。
……え!?
「おめでとうございまーーーーーす! 一等! 一等の鰤丸々一匹だぁ!」
「え、えぇぇぇぇ!?」
まさかの一等で、鰤が当たって、僕は素っ頓狂な声を上げました。
え、本当に!? なんでぇ!?
「おーこりゃすごいねぇ! 椎菜ちゃん、これでパーティーの材料が増えたね!」
「え、これ持ってくの!?」
「当然! あ、安心して! 全部この私が持っていく!」
「で、出来るの……?」
「ふっ、私、だからね」
お姉ちゃんが頼もしく見えました。
「お、なんだい、このまま持ってくかい?」
「おうよ!」
「お姉ちゃん、大丈夫……?」
「でぇじょうぶでぇじょうぶ! んーと、とりあえず、お米は脇に抱えて、魚は……んまあ、ピザの配達よろしく持ち上げればいっか! どうせ、木を運ぶ的なアレでも行けるし! というわけで、貰ってくぜ! おじさん!」
そう言うと、お姉ちゃんはひょいっとお米が入った袋を小脇に抱えて、鰤が入った発泡スチロールを片手で持ちあげました。
わぁ、すごぉい……。
「おう! しっかし、すごい力持ちだなぁ」
「鍛えてるので」
「そうかそうか! じゃ、楽しんでくれな! よいお年を!」
「じゃ、行こ、椎菜ちゃん!」
「う、うん」
お米と大きな発泡スチロールを持ったお姉ちゃんは、すごく目立っていました……。
明らかな超人だし、椎菜の方は商店街の人気者というね。いつもおまけもらってます。
あと、最近知ったどうでもいいことなんですが、椎菜の身長って、デレステの杏とほぼ同じ身長だったという……。実際に一センチくらいしか差がないというね。
これまたどうでもいい情報だけど、私はデレステで一番好きなのは杏です。ああいうぐーたら系ロリは大好きです。ああいうキャラが書きたいなぁ……なんて思う今日この頃。




