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ロリ巨乳美少女にTSしたら、Vtuberなお姉ちゃんにVtuber界に引きずり込まれました  作者: 九十九一
2023年 12月(下)

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#130 配信後、ロリコンという変態(控えめ)

「ん、んん~……ここは……」

「あ、椎菜ちゃん起きた?」

「う、うん……あれ、配信は? 僕、さっきまで温泉にいたような……」


 目を覚ますと、そこは見知らぬ天上……というわけではなく、宿泊する予定の広間でした。

 後頭部には柔らかな枕があって、体の方はいつの間にか浴衣になっていました。

 目を覚ました僕の目の前にいたのは、お姉ちゃん。

 お姉ちゃんは僕が起きたことにすぐ気付いて、柔らかい表情を浮かべながら僕の顔を覗き込んでいました。

 ただ、頭の中に靄がかかったように、さっきまでの記憶がはっきりしない……。


「えーっとたしか……みなさんとお風呂に入って、配信をして……リリスおねぇたまとなぜか抱きしめ合って……その後は……あれ、何があったんだっけ……」

「あり、椎菜ちゃん憶えてない?」

「う、うん……お姉ちゃん、あの後何があったの?」

「いやぁ、正直私もちょっと死んでたから憶えてないかな」

「そ、そうなんだ」


 最近、人の生き死にってそんなに珍しいものじゃないような気がしてます。

 お姉ちゃん、いつも死んじゃうんだもん。


「お、椎菜ちゃん目が覚めたみたいだね! おっはよう!」

「あ、はい、おはようございます……?」

「ん、まだはっきりしてなさそう」

「ですねぇ~。私も蘇生されたばかりで記憶がはっきりしていませんしぃ~」


 三期生のみなさんは僕が起きたことに気付くと、僕の所に来ました。

 ……あれ? そう言えばほとんど人がいないような……。

 栞お姉ちゃんは近くでなぜか寝てるけど、半分くらい人がいない気がする。

 みまちゃんとみおちゃんは僕のすぐ傍で気持ちよさそうに眠ってるけど……。


「うんまあ、君たちはそうだろうね。……あぁ、そうだ。椎菜ちゃん、起き抜けに言う事じゃないんだけど」

「あ、はい」

「なんだかんだ、こっちも指摘してなかったんだけど、椎菜ちゃん何気に私たちに対して敬語に戻ってるよね」

「……あ、そう言えば」


 前に、敬語じゃなくてもいいよって言われて、敬語抜きで話してたのに、気が付けば敬語になってた……。

 うぅん、元々、年上の人たちって敬語で話しちゃうタイプだからね、僕。

 それに、あって話す機会も少ないから、そう言う意味でも忘れちゃうのかも。


「んねー。あーしら的にはやっぱり同じ事務所なんだし、ここはやっぱ敬語抜き!」

「あ、はい。じゃなくて、えっと、うん」

「んっ! おっけーおっけー! とゆーか、椎菜っちはほら、みんなの妹ポジだから、やっぱ愛菜パイセンと話すくらいの方がいいっしょ」

「そ、そうかな?」

「まあ、そうだね」

「むしろ、それ以外ありませんよねぇ~? 敬語って、礼儀としてはいいんですけどぉ~、親しい仲で敬語だと少し距離を感じちゃいますからねぇ~。私はそれが嫌で、自分の会社では、基本的に敬語は禁止してますからねぇ~。あ、対外的な取引ではちゃんとしてますよぉ~」

「ん、千鶴の本職は色々と例外的過ぎる。一緒にしない方がいい」

「あれ、藍華は千鶴さんの本職知ってるの?」

「ん、以前聞いた。ただ、あれは表立って言えない」

「そう言えば、私知らないんだよねぇ。千鶴ちゃんの本職ってなに?」

「あー、私も気になるね」

「そんなに気になりますかぁ~?」

『『『メッチャ気になる』』』


 正直に言えば、僕も千鶴お姉ちゃんのお仕事が気になってたり。


 らいばーほーむ内で本職がわかってないのって、栞お姉ちゃんと千鶴お姉ちゃんだけだし、同期としてはすごく気になっちゃいます。


「そうですねぇ~……まあ、椎菜ちゃん以外には教えてもいいですよぉ~」

「なんで僕だけ!?」

「ん、あれは仕方ない。椎菜は知らない方がいい世界。というか、多分気絶する」

「気絶するような職業って何!?」


 そんな職業聞いたことないよぉ!

 あ、あれかな、霊媒師とかそう言う感じの……?

 でも、聞くだけじゃ気絶しない気がするけど……。


「私は知ってるから、椎菜と一緒にいる。他の面々は聞いてくるといい」

「では、こちらへどうぞぉ~」

「はいはーい」

「千鶴ちゃんの職業、本当になんだろうねぇ」

「あたしも気になるぞ!」

「やー、ちょっと楽しみっしょー」

「うぅ、僕も気になるんだけどなぁ……」

「ん、知らない方がいい。というか、普通に言えない」

「そ、そんなにすごい職業なの……?」

「ある意味すごい。むしろ、あの歳であの規模は普通におかしい」

「余計に気になる……」


 藍華お姉ちゃんのセリフで、余計に気になっちゃう。

 千鶴お姉ちゃんって、本当にどんなお仕事をしてるんだろうなぁ……。


 それを知ることができるみなさんが羨ましくて、じぃっとこそこそ話している姿を見ていたら、不意にお姉ちゃんがすごく怖い笑みを浮かべていて、他の人たちはなぜか顔を赤くしたり、納得したような、それでいて何してるんだろう、というような、そんな感情がわかるくらいの表情を浮かべていました。


 あ、千鶴お姉ちゃんがすっごく首を横に振ってる。

 お姉ちゃん、何か言ったのかな……?


「ところで、藍華お姉ちゃん」

「ん、なに?」

「他の人たちはどうしたの? 半分くらいいない気がするんだけど……」

「男組は機材の撤収。いない女性陣も同じく」

「あ、そうなんだ。僕も手伝えばよかったかなぁ」

「そもそも、椎菜は気絶してたから無理」

「……そう言えば、僕はなんで気絶しちゃったの?」

「……色々あった。でも、大丈夫。最悪の事態にはなってない」

「どういうこと!?」

「ん、すごく幸せ空間が展開されただけ。あと、配信は奇跡的にBANされなかった」

「あの、BANされかねないことがあったの……?」


 配信がBANされる可能性のある配信って何……?


「あったけど、ギリギリセーフだった。ただ、ネットでは不思議がられてる」

「そ、そうなんだ……。あ、でも、栞お姉ちゃんの方はどうしたの? さっきまで、ボクと一緒に抱きしめ合ってたような気がするけど……」


 お、思い出すだけで顔が熱くなるけど、でも、さすがに栞お姉ちゃんが寝ているのはちょっと心配というか……のぼせちゃったのかなぁ。


「気にしなくていい。椎菜の場合、記憶がない方がいい」

「あの、僕だけない方がいい配信すぎないかな?」

「気のせい」

「そ、そっか」


 気のせいなら仕方ない……のかな?


「ん、んん……くっ、ふわぁぁぁ~~~~~……んんゅ……よく寝たわぁ……」

「あ、おはよう、栞お姉ちゃん」

「ん、おはよう、椎菜さん。……ところで、さっきまで配信しとったと思うんやけど、なんで、うちは布団で寝とったん?」

「それが僕にもわからなくて……僕の方もさっきまで寝てて……」

「そうやったんや。うぅん、謎やなぁ……」

「そうだねぇ……」


 二人揃って、うぅんと首を傾げる。


「……問題の箇所だけ記憶をなくすのは、ある意味すごい」

「藍華お姉ちゃん、何か言った?」

「ん、なんでもない。あ、戻って来た」

「……なんかもう、私は君がわからないよ、千鶴君」

「……あたしもだぞ……というか、千鶴さんがすごすぎるぞ……あたし、身近にすごい人がいるとは思わなかったぞ……いい意味でも悪い意味でも」

「人は見かけには寄らないってことっしょ……いやほんとに」

「千鶴ちゃん、椎菜ちゃんと栞ちゃん、みまちゃんみおちゃんの前で露呈させたら私が殺すからね☆」

「大丈夫ですよぉ~。いたいけで無垢なロリの方々には漏れないようにしますよぉ~。というか、漏らそうものなら私は自害しますのでぇ~」

「覚悟ガンギマリすぎじゃないかい、君」

「プロのロリコンでいるということは、ロリの方々に我が秘密の職を知られてはいけない……そういうことなんですよ。というか、バレたら恥ずか死にますからね」

「いつもの間延びした話し方をせず、真顔で言い切るくらいには矜持があるんだね……」


 千鶴お姉ちゃん、そんなに知られたくないお仕事をしてるんだ……。

 その割には、普通に教えてる気が……。

 でも、今のお話を聞く限り、僕には教えてくれないんだろうなぁ。


「なんや、何の話なん?」

「栞ちゃんも知らなくていいことだよ☆」

「お、おう、そうか」

 お姉ちゃん、圧がすごいよ……。

「それにしても、なんだかあっという間だったね、配信。僕と栞お姉ちゃんは途中から記憶がないけど……」

「そやなぁ。うちも、さすがに全部の記憶があらへんのは残念やわぁ」

「やー、二人は知らなくてもいいことだったし、気にしないでおっけーおっけー」

「でも、あれだぞ。男性陣の先輩方にはちょっと申し訳ない気持ちが……」

「ですねぇ~。なんだかんだ、お二人が配信に参加したのは、最初の温泉紹介と、ましゅまろを選んだ時くらいですしねぇ~」

「ん、そのましゅまろが原因でとんでもないことにはなったけど」

「そう言えば、しれっと恋雪ちゃん、胸の話題を回避したよね」

「確かに……」


 あの話題については……すごく申し訳なく思ってるので、回避できたならよかったッと思ってます……。

 あれはもともと僕が二人に訊かれて、何を言えばいいのかわからなくなった結果、恋雪お姉ちゃんに投げちゃった話題だからね……。


「まあ、いいんじゃないかな。あれ以上進んでたら、間違いなく……恋雪君は布団に引き篭もってたよ」

「あー、恋雪っちならありえるありえるんよー。実際、前にちょっとした好きなヒロイン属性を話し合う時に、とんでもないことをぽろっとして、自滅して布団に引き篭もったし。しかも、あーしのベッドで」

「おおぅ、さすが恋雪先輩だぞ……」

「コミュ障なのに、地味に図太いところがさすが。私は到底できない」

「というより、よそのお家のベッドに引き篭もるのは普通にすごいと思いますねぇ~。私はできませんよぉ~」

「じゃあ聞くけど、仮に椎菜ちゃん、もしくは栞ちゃんの部屋に招かれたとして、突然一人になりました。千鶴ちゃんはどうする?」

「崇めます」

「「崇める!?」」


 お姉ちゃんの質問に、千鶴お姉ちゃんは崇めると即答して、僕と栞お姉ちゃんは思わず声を上げた。


「この世界において、至高とも言うべきおロリ様のお部屋ですよぉ~!? それはもはや聖域を超えて、神域とも言うべき場所……であれば私は、崇めますねぇ~! 特にベッドや机、椅子などはぁ~」

「たまに思うけど、千鶴さんってこう……アホになるよね」

「ん、間違いない。というより、ロリが絡まなければ割と知的な方なのに、ロリが絡むと途端にアホになる。知能指数、落ちる」

「私の脳は常に、ロリのためにありますのでぇ~」

「海外だったら、速攻逮捕されてる気がするんよ、あーし」

「むしろ、千鶴君の場合、なぜ逮捕されていないのか、という疑問が出て来るけどね……」

『『『それはまぁ、うん』』』


 千鶴お姉ちゃん、信頼されてるのか、されてないのか……それが僕と栞お姉ちゃんはよくわかりませんでした。

 冒頭部分で、椎菜の敬語について触れてますがこれ、メタ的な事情がありました。

 というのも、いつぞやの時に普通に敬語なしで話すようにした、という風になってたのに、なぜか椎菜が敬語で話していたからです。しかも結構長い間。

 つまり、らいばーほーむメンバーとはため口で話す、というのを私がすっかり忘れていて、最近読み返して気が付いたので、それの軌道修正のために唐突に話題をぶち込みました。何してんだ私。見ろよ過去の私。未来の私は過去のお前が書いたことを忘れてんぞ。記憶力どこ置いて来たんだよ。

 それと、安易に布団に潜り込んで堪能する、とは言わずに斜め上のことを言いだすのがロリコンです。

 毎度思うけど、こいつなんで逮捕されないんだろうか。

 余談ですが、奴は温泉配信中、みたま、リリス、双子の裸体を全力で脳に焼き付けていました。

 やっぱどうにかした方がいいよあの変態。

 尚、こんなアホみたいな会話をしていますが、この翌日に例の彼がTSしてます。

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― 新着の感想 ―
あえ?ifじゃない? というかまだわからないかぁ、、、
即答で崇めるなw
過去の未来は過去とかいう割と分かりにくい感じに...。 あと、どうにかできるのは、ある意味この世界の神の作者様だけです。 あと、例の彼(彼女?)は頑張れよ!(他人事だからこその言い方)
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