#126 旅行当日の朝、テンション高めな一行
翌朝。
「んっ、んん~~~~~~! はぁ……ん、準備!」
目覚ましで目が覚めた僕は、起き上がると旅行の準備を始めた。
今日明日で一泊二日の旅行!
「みまちゃん、みおちゃん。起きて。朝ですよ~」
「んんぅ、あしゃぁ……?」
「……んにゅ……ぁぅ、ねむぃ……」
ベッドで眠っている二人の体を優しくゆすりながら声をかけると、二人はもぞもぞと体を起こしました。
「うん、朝です。今日は旅行に行くんだから、二人もお着替えするよ~」
「「りょこー!」」
旅行と言った瞬間、一気に目が覚めたのか、二人の耳がぴこんっ! と立って、目が大きく開かれました。
「うん、旅行です。さ、起きて準備するよ~」
「「はーいっ!」」
「ふふっ、朝から元気いっぱいで何よりです」
子供は元気が一番だよね。
というわけで、早速準備を開始。
とは言っても、することはお着替えと荷物の最終確認くらいで、準備らしい準備はないんだけどね。
あとは、車の移動中に食べるお弁当の準備かな?
車で行ける程度の距離感ではあるけど、それなりに時間はかかるみたいだからね。
そのためのお弁当。
お着替えを済ませて、荷物を持ってリビングに行くとお姉ちゃんが起きていて、リビングでテレビを見ていました。
「あ、お姉ちゃん。おはよう!」
「「おねーちゃんおはよー!」」
「おっはよう! 椎菜ちゃん! みまちゃん、みおちゃん! いやぁ、昨日は爆睡しちゃったぜー」
「全然起きなかったよね、お姉ちゃん。大丈夫?」
「そりゃあもう! 一日寝たらばっちしよ!」
そう言うお姉ちゃんは疲れなんて一切感じさせませんでした。
顔色もすごくいいし、うん、大丈夫そう!
「二人は先に座っててね。僕はお弁当を作ったり、朝ご飯を作ったりするから」
「「はーい!」」
「お弁当作るんだね?」
「うん。多分車移動が長いと思うからね」
「さっすがぁ! でも、大丈夫? みまちゃんとみおちゃん入れても、十五人いるよ?」
「大丈夫! すぐにできるものばかりだから! それに、大体は昨日のうちに仕込みを済ませてるからね。ちなみに、おにぎりとサンドイッチを作る予定です!」
「おー! いいねいいね!」
やっぱり、お弁当と言えば、おにぎりやサンドイッチだよね!
たまごサンドとか大好きです。
あんまりおしゃべりしていると時間が来ちゃうので、急いでおにぎりとサンドイッチを作っていく。
十五人分ともなると、作る量がかなり多いけど、こういうのは大好きなので!
それに、作れば作るほど慣れていくから、作るペースも早くなります。
大体一時間ほどで完成。
それと一緒に朝ご飯も作って三人の前に。
「はい、朝ご飯ですよ~」
「あ、ベーコンエッグ! 朝ご飯と言ったらこれだよね! 椎菜ちゃん、お醤油取ってー」
「はい、どうぞ」
「二人はソースだよね。はい、どうぞ」
「「ありがとー!」」
「それじゃあ、いただきます」
「「「いただきます!」」」
四人で仲良く朝ご飯を食べる。
本当なら、もうちょっと品数があった方がいいかなぁ、なんて思っちゃうけど、時間もないので……。
「おはよう、椎菜、愛菜、みまちゃんとみおちゃん」
「あ、お母さん。おはよう。朝ご飯できてるよ~」
「あら、私の分も作ってくれたのね」
「うん! お父さんの分もあるから、起きたら出して上げてくれる?」
「ふふっ、家庭的な娘を持てて、お母さん嬉しいわ~」
元男だけどね……。
なんだかんだで慣れてはきたけど、それはそれとしてやっぱり男に戻りたいなぁ、なんて思う時もあるわけで。
でも、もしも男に戻ることができたとして、みまちゃんとみおちゃんが残念がりそうな気もするんだよね……。
それに、その、偏見かも知れないけど、やっぱり子供ってお母さんの存在が一番のいいのかなぁ、なんて思っちゃうしね……。
でも、二人ってお父さんが欲しいって思うことはないのかな?
……なさそうだなぁ。
お母さんしか知らなかったわけだし……うん。
なんて、そんなことを考えてる間に朝ご飯が食べ終わりました。
ごちそうさまと言ってから、後片付けをしていつでも出られる準備をしておきます。
今回は車での移動と言うことで、運転手の皐月お姉ちゃんが各家を回る形で迎えに来てくれるそうで、僕たちを拾うために桜木家にまで来てくれます。
大体の人たちはマンションに住んでいるので、回収自体はそんなに大変じゃないって言ってました。
迎えに来てもらう手前、ちょっと心配だったので……。
そうして、リビングで皐月お姉ちゃんが来るのを待っていると、ぶー! ぶー! とお姉ちゃんのスマホが鳴りました。
「お、皐月ちゃんからだ。はいはい、もしもしー、こちらシスコンだよー」
『どういう挨拶なんだい……? まあいいけど。家の前に着いたから、出て来てほしい』
「はいはーい。じゃあ、三人を連れてそっちに行くねー。というわけで、皐月ちゃんが到着したそうなので、行こっか!」
荷物を持って玄関へ移動。
お母さんが見送りについて来ました。
扉を開けると、皐月ちゃんが玄関前に立っていました。
「やぁ、おはよう、四人とも」
「おっはよう! 皐月ちゃん! 運転ヨロ!」
「おはよう、皐月お姉ちゃん!」
「「おはよー! さつきおねーさん!」」
「あぁ、おはよう。元気がいいね、君たち」
玄関前にいた皐月お姉ちゃんに挨拶をすると、皐月お姉ちゃんは嬉しそうに笑いました。
「あらあら、あなたが皐月さんね。我が家の娘ともどもお世話になっています。二人の母です」
見送りのために一緒に出て来ていたお母さんが、皐月お姉ちゃんに挨拶をしていました。
「あ、これはご丁寧に。愛菜の同期の城ケ崎皐月です」
「うふふ、すごくしっかりしていそうな人ですね」
「まあ、一期生~三期生の中ではマシだとは自負しています」
「うふふ、そのようですね。まあ、愛菜は頭がおかしいし、椎菜はちょっと萌え殺すとは思いますし、みまちゃんとみおちゃんは可愛すぎると思いますが、四人をよろしくお願いします」
「お母さん!?」
「おぉぅ、なんかすごい言われようだぜー」
「「んぅ?」」
「あぁ、うん。なかなか面白いお母さんだね。というか……本当に椎菜ちゃんそっくりだね?」
「うふふ、母娘ですもの」
たしかに、自分でも思うけど今の僕ってお母さん似だよね。
多分、順当に年を取ると、お母さんみたいになるんじゃないかなぁ。
……お母さん、全然年齢より下に見えるけど。
「ともあれ、運転手として、事故を起こさないように安全運転を心掛けますので、ご安心ください」
「はい、お気をつけて。四人もしっかり楽しんでくるのよ~」
「おうともさ!」
「うん!」
「「はーいっ!」」
「じゃあ、行ってらっしゃい」
「「「「行って来まーす!」」」」
そう言って、僕たちは車に乗り込みました。
「お、来た来た! おはよう! 桜木家の四人!」
「おはよー」
「おはようだぞ!」
「ん、おはよう」
「おはようございますぅ~」
「お、おは、よう、ございますっ……!」
「おっはよー!」
「おはようございます」
「おはよう、えらい元気そうで何よりやなぁ」
「おはようごぜぇます! 今日も椎菜ちゃんと孫が可愛いってもんです!」
「みんなおはよう! 神薙一家が来たぞ☆ あ、私はおまけね」
「おまけじゃないと思うよ!? あ、おはようございます!」
「「おはよーございますっ!」」
「ごふっ……」
「千鶴さんが死んだぞ!」
「ん、さすがのクソ雑魚性能」
「千鶴お姉ちゃん大丈夫!?」
「ふ、ふへへへ……ポンチョ姿の幼女は、神……おそろ、母娘コーデ……ごぶふっ……」
千鶴お姉ちゃんが早速血を吐いて倒れちゃいました。
なんで!?
「あー、とりあえず、椎菜ちゃん、みまちゃん、みおちゃんは一番後ろの座席がいいかな。見ての通り、片側二席、もう片方が一席だからね。三人で並んで座るとなると、後ろがちょうどいいから。まあ、栞が既に座っているけど」
「ちなみに、栞パイセンがいる理由は、ロリ組を最後尾に固めることで、分散ダメージを発生させないためだったりするんよ」
「なんと言う策士」
「分散ダメージって!?」
「んまぁ、椎菜ちゃんたちは強すぎるからなぁ。さすがに、前の方に座らせたら、死ぬだろ。皐月」
「うん、私個人としても四人は一番後ろの方が助かる。さすがに、ロリピュアと神薙母娘の無差別攻撃は運転手からすれば、最大の事故の原因になりかねないからね……」
「あの、僕たちってどういう扱いなの……?」
『『『核兵器』』』
「う、うぅぅん……」
口をそろえて言われました……。
まあでも、みまちゃんとみおちゃんは一緒にいたがるから、一番後ろなのはありがたいので、そのまま後ろに座ることにしました。
「よし、全員座ったね。シートベルトはしたかい?」
『『『Yeahhhhh!』』』
「荷物等も持ったね?」
『『『Yeahhhhh!』』』
「いやどういうテンションなんだいそれ!?」
「初の全員での旅行なので、みんなテンションが上がってるんですよ、皐月さん」
「ミレーネ君、今日明日はそのテンションでいてね?」
「善処します」
「はぁ……まあいいか。さ、いざ温泉旅行に出発!」
『『『Yeahhhhhhhhhhhhhh!!!』』』
楽し気な声と共に、皐月お姉ちゃんの運転で車が走り出し、一泊二日の旅行が始まりました。
というわけで、旅行の話ィ!
10話以内には終わる……はず。多分きっと! さすがに20話も使うことはない!
尚、実質一泊二日のイベント編が95話だった模様。
ちなみに、一行が載っている車はハイ○ースです。




