イベント2日目#ステージ『ラストステージ! どの箱にも配信者にも負けない重大発表のシークレットステージ!』:4 四人追加されただけでカオスになるステージと、羞恥心で殺されかけるたつな
四期生の名前がわからないとのことだったので、前書きに。
夜久嬢かざり
弩めい
神薙いなり
凪神司
サプライズで四期生が登場すると言うことが発生し、今や会場もコメ欄も、果てはネット上でも大騒ぎになっている。
現にトレンド入りを果たしており、ほぼ全てがらいばーほーむ関連のトレンドで埋め尽くされているほどである。
「……」
「「「……」」」
「……あの、これなんの罰ゲームですか……?」
そんな大騒ぎになった元凶と言える四期生はと言えば、今現在四期生の男性ライバー枠こと、凪神司がそれはもう苦い顔でそう零す。
なぜそうなっているのかと言えば、現在彼はみたまの真横に座っており、その更に横に座る三名の女性陣からじーっと見られているのである。
言ってしまえば、針の筵と言うものだ。
【罰ゲームは草】
【四期生が既にらいばーほーむってるんですが】
【これで登場したばっかなのは笑うんだよなぁ】
【っていうか、たつな様が見たことないくらいにっこにこなんだけど】
【まあ、ほら、念願の常識人が追加されたから……】
【新しい常識人も壊れそう】
「いやなに、とりあえず、一番無害な君がみたまの横に座ることで、話を進めようと」
「話は進んでも、俺の胃がダメージを受けますが!?」
「いいツッコミだ! 司君!」
「たつなさん!? ほんとうっきうきですね!?」
「HAHAHA! いやぁ、ほら、遂に私の春が来たようなものだからね! 今まではずっと冬だったが、新規の常識人は絶対に壊れないと言う確信があるから! 今の私は無敵!」
「言い方ァ!?」
【待って、めっちゃおもろいんだけどwww】
【たつな様うっきうきすぎんだろwww】
【ってか、新人君の方も普通にツッコミ入れるな】
【ってことはこれ、やっぱ男性ライバー枠がツッコミ担当なのか!?】
【男の常識人は初だなぁ】
【一応みたまちゃんも男性ライバー枠なんだよなぁ……】
【あれは例外と言うかイレギュラーだし、ツッコミではないんだよなぁ……】
「いやぁ、たつなちゃんがここまで楽しそうなのは久々に見たねぇ」
「じゃな! 我も久々じゃ!」
「ま、そんだけ嬉しいってことだろ! もっとも、俺と暁からしても、ツッコミ担当の男性ライバー枠ってのはマジでありがたいしな!」
「ですねー。これでボクたちがボケてもツッコミをしてくれる人ができましたからねー。おかげで、今後はもっと楽しいことができそうです」
「たしかに! ウチもそこはメッチャ期待!」
「元々期待されてたものね。全員から」
「で、です、よねっ。わ、わたしもその、き、期待してました、しっ……!」
「だね! っていうか、まさか今日来るとは思わなかったぞ!」
「ん、驚き」
「うふふぅ~、まあ司君なら安心よねぇ~」
「……先輩方からの期待が重すぎるんですが」
「あ、あはは、まあその、頑張って、し……司君」
「……ああ、うん。何とか頑張るよ、みたま……」
なぜか一期生~三期生までの期待値がとんでもないことになっている司は、両肩にのしかかる期待がとてつもないプレッシャーとなっており、苦い顔になる。
それを見たみたまがいつものように応援しつつ、司の方も普段通りに苦笑い交じりにそう返す。
「みたま様を、呼び捨てに……!? 後輩であるにもかかわらず、何故に呼び捨てを!?」
と、そんな二人のやり取りを見ていたかざりが目を見開き、そう口にする。
そこで、みたまと司は、しまった、みたいな顔になる。
「んまあ、司君だしねぇ」
「そうですね。司様ですし、当然かと」
「なぜお二人は納得を!? いえ、それ以前に一期生から三期生の先輩方も何もおっしゃらないのでしょう?」
【たしかに】
【かざりちゃんの言う通り、何故普通に呼び捨てなんだろうか】
【あと、全員特に何も言ってないのが気になる】
「んまー、知り合いっていうか、あれだよね。私とみたまちゃんは元々面識あったし? なんだったら、いくまちゃん以外普通に会ったことあるしねー。あ、うさぎちゃんは間接的にかな?」
「そ、そう、ですねっ」
「あの、さすがにそれ以上は俺の身バレに繋がるので……」
「おっと、それもそうだね! めんごめんご!」
「なんというか、みたま相手以外にはほんとに軽いですよね、ひかりさん……」
「私にとってはみたまちゃんこそ全てェ!」
「司君、これがらいばーほーむだ。壊れないでね?」
「俺よりも先にたつなさんが壊れるんじゃないかと冷や冷やしてます。あと、俺以外の四期生が暴走しそう」
「何を言うんだい司君! うちは、みたまちゃんが大好きなだけのママだよ!」
「わたくしも、みたま様をこの世で最も慕っているだけですわ! 何も問題はないのです! 暴走などみたま様以外ではしませんわ!」
「うふふ、みたま様はとても愛らしい子供ですので、みたま様に何かが起こらなければ問題はございません。ご安心ください」
「何一つ安心できないんですが!? というか、どう考えても男の俺がツッコミ担当なのは、色々と面倒でしょう! 四期生コラボの時とか!」
なにも安心できない三名の発言に、司が叫ぶようにツッコミを入れつつ、やっぱり男の自分がツッコミは色々まずくない!? と叫ぶ。
「司君! それが、らいばーほーむの常識人枠の大変さだ!」
「それで、たつなさんはずっとうっきうきですね!?」
「いやこう、自分と同じ境遇の人がいるってわかると、嬉しくならないかい? 私はなる」
「地味にあなたも壊れてませんか?」
「みたまちゃんで二期生の常識人が死んだからね」
「死んでませんが!?」
「あぁ、まあ……たしかに、帰らぬ人にはなってますが……」
「そんでもって、司君も地味に酷いわね!?」
【草ァ!】
【ヤバイ、面白いぞこいつらwww】
【以前、たつな様が自分と同じタイプとか言ってた意味がよく分かったわ。こぉれはたつな様タイプだわwww】
【うん、壊れなさそう】
【っていうか、マジで腹痛いんだけどw】
【終始たつな様がにこにこでうっきうきなのがほんまずるいww】
【ここまでテンションが高いたつな様見たことねぇよw】
既にらいばーほーむの洗礼を浴びている司は、それはもう受け入れられていた。
たつなの方も、自分と同じようにボケたちに翻弄される司を見て、それはもういい笑顔である。
司の方は既にツッコミしまくりで、ちょっと疲れ気味だが。
「さて、早速仲良く楽しんでいるところ悪いが、先へ進んでもいいだろうか?」
『『『あ、どうぞ』』』
「切り替えが早すぎる……」
「らいばーほーむなんて、こんなものさ、司君」
「あ、ハイ……」
「さて、見ての通り、四期生が加入したわけだが……今日はあくまでもお披露目と言う面が強い。なので、実質的な初配信は今日だが、本格的なデビュー配信というのは今日ではなく、後日行う予定だ。というか、いなり以外準備ができていないからね。なので、そうだね……正月のどこかでデビュー配信をすることになるだろうね」
「なるほどー。ということは、まだ正式デビューってわけじゃないんだねー」
「だな。俺としては、早く司と全力朗読配信がしたいってもんだぜ」
「やっぱり俺もやるんですか……」
「らいばーほーむの男なら当然だな!」
「あ、私はかざりちゃんとめいちゃんの二人とコラボしたいなー。みたまちゃん大好きっぽいし、これは是非ともお話しないとだしねぇ!」
「わたくしからも是非お願いしたいですわ!」
「私もでございます」
「その時は私も混ざりますねぇ~」
「あ、うちはやっぱりみたまちゃんと配信がしてぇです」
「あ、うん。もちろんです! わたもちおかぁたま……じゃなくて、えと、いなりおかぁたまと配信するの楽しいからね!」
各々がコラボの話をする中、中身わたもちないなりがみたまと配信がしたいと言うと、みたまがにぱっと笑顔でそう言った。
「ごふっ……」
いなりが吐血した。
「いなりさんずるいですわ! わたくしもみたま様と配信をしたく思っておりますのに!」
「というより、四期生の全員がそう思っているかと思われます。かざり様」
「俺も入ってるんですか!?」
「あら? コラボしたくないのですか? 司様」
「ある意味死人が出るじゃないですか……」
【それはそうwww】
【明らかにみたまちゃん推しな三人とか、絶対に死ぬじゃんw】
【ここまで死ぬのがわかり切ってるのもおもろいww】
【やっぱこの新人君冷静だなぁ。あと、ツッコミに慣れてる感じもある】
【普段からツッコミしてるんだろう】
「コラボは私としてもとても見たいが、今は話を続けるよ。まあ、例によって我がらいばーほーむでは、新人は最初の一ヶ月間は同期内でしかコラボはできない。これは、先輩たちの助けをあまり借りずに自分の配信でファンを獲得してほしいと言う意味だね。なので、君たちのコラボが解禁されるのは二月上旬くらいなので、頑張ってくれたまえ」
「頑張りますわ!」
「誠心誠意頑張らせていただきます」
「当然!」
「はぁ……既に胃が痛い……」
【四期生がなかなかに面白いなぁ】
【初手から暴れてて素晴らしい】
【これぞらいばーほーむ!】
【まあ、その分常識人の方々が死ぬわけですが】
「ん~……まだ時間がかかってるかな?」
「社長、そう言えばさっきから時間を気にしてますが、何かあるんですか?」
ふと、桔梗が何やら時間を気にしているのを見たたつなが、桔梗に何かあるのか尋ねる。
それに対して、桔梗はあぁと返事をしてから軽く話しだす。
「まあ、次の発表の準備に時間がかかっているようでね。それを待っているのだが……ちょっと時間がかかりそうなんだよ」
「へぇ~、そんなにすごいことをするんですか?」
「まあね。何度も思ったが、絶対にこういうVTuberのイベントで発表するべきものではないんだが、先方がかなりのらいばーほーむファンだったものでね。ま、君たちも楽しみにするといい。うさぎ君は特にね」
「き、気になりますぅ……!」
「ん~、うさぎっちが喜びそうって話んだもんねー。ウチもメッチャ気になるし」
「そうね。うさぎってなると、やっぱりゲーム系かしら?」
「そうじゃないかなー? うさぎさんってゲーム廃人だしー」
【んまあ、うさぎちゃんだもんなー】
【うさぎちゃんが喜ぶ物ってなると、普通にゲームしかないわな】
【しかし、VTuberのイベントで発表するものじゃないって、本当に何を発表するんだろうな?】
【VTuberのイベントでってことは、本来ならちゃんとした場で発表するものとか?】
【あれじゃね? ソシャゲとかそっち系のコラボ!】
【ありそうだなぁ】
「ともあれ、時間があるので、少しだけ四期生の裏話でもしようか」
「お! それはいいね社長☆」
「ん、たしかに気になる」
「だね! やっぱり面白いことがあったのかな?」
四期生に関する裏話が聞けるとあって、らいばーほーむの面々の大半はワクワクとした面持ちであり、会場内も同じようにする者が多数。
【お、裏話! そいうの大好き!】
【どんなのが聴けるのかな?】
【ワクワク♪】
「えー、まず初めに。今回の内定枠だった人だね。これは、いなりと司の二人が内定枠だったりする」
『『『でしょうね』』』
桔梗の暴露に、らいばーほーむのメンバーたちのほとんどが声を揃えてそんなリアクションをした。
この二人以外にないよね、という。
【草】
【草】
【草】
【まあ、わたもちママはなんとなくそうかなって気はしてたww】
【へぇ、新人君も内定枠だったのか】
【なんか意外だな。男が内定枠なんて】
【そもそも内定枠が謎すぎるんだよなぁww】
「もっと面白いことを言うと、司を勧誘したのは私ではなく……たつなだったりする」
「社長、何故それを言ったんですか!?」
「いやだって君、何が何でも司を入れようとしていたじゃないか。知ってるよ? 君が、傍から見たら未成年に成人済みの大人の女性が迫ると言う面白い図が発生したと」
「なぜそれを!?」
「ひかりが嬉々として話していたよ? 親友の春が来たぁ! ってな感じに」
「ひかりぃぃぃぃぃぃ!?」
「フハハハハ! たつなちゃんもたまには暴露されるといいよぉ!」
「これは洒落にならないが!? というか、私がただのヤバい人になってしまうだろう!?」
「いやあの、未成年の人に迫った時点で、普通にヤバい人では?」
「くっ、何も言い返せないっ……!」
【たつな様が勧誘したんかいww】
【何があったらそうなるんだw】
【っていうか、司君は未成年!?】
【未成年かぁ。みたまちゃんと同じカテゴリーってわけだな!】
【っていうか、何で勧誘したんだろう?】
「あぁ、勧誘した理由を訊かれているよ、たつな」
「たつなよ、ここで吐いてしまった方がいいと思うのじゃ、我」
「吐いちまえよ、たつな」
「なんで勧誘したのかなぁ? ん? ん? 言ってごらん? たつなちゃん」
ウザ絡みする一期生たちに、たつながぷるぷると震えだす。
ちょっとキレそうだが、如何せん自分で蒔いた種なので、キレるわけにもいかず、どうすればいいかわからなくなるたつな。
なので、仕方なく軽く言うことに。
「いや、まあ……ほら、ね? みたまちゃん耐性を持ってたので、つい……」
「んまー、それはたしかにー?」
「以前言ってましたもんねぇ~。次の常識人に求めるのは、みたまちゃん耐性持ちだってぇ~」
「それはそうだろう!? だって、全員コラボをするたびに、全員殺されていてはまずいだろう!? みたまちゃんが殺人鬼みたいじゃないか!」
「わたしは殺人鬼じゃないよぉ!?」
「ん、間違いじゃない」
「だねー。はつきたちもそう思うぞ」
「みんなひどい!?」
【うん、みたまちゃんは殺人鬼。はっきりわかんだね】
【実際問題、全員死ぬしなぁ……】
【ってか、何気にみたまちゃん耐性持ち、だと!?】
【そんな奴がこの世にいたと言うのか?!】
【そういや会場内にみたまちゃん耐性持ちが二人以上いるっぽいからなー】
「あ、もっといいことを私が教えてあげよう☆」
「ちょっと待って、ひかり、君何を言う気だい!?」
「え? たつなちゃんが司君を勧誘した時に言った色々アレなセリフ集」
「私の恥ずかしい話を暴露しようとしないでくれるかい!?」
「へい! デレーナちゃん、いくまちゃん! あと、はつきちゃんも! たつなちゃんを取り押さえて!」
「「「合点!」」」
ひかりの蛮行を阻止しようとするが、その前にひかりにより、デレーナ、いくま、はつきの三名により蛮行阻止を阻止された。
「ちょっ、なんで君らそんなに息が合うんだい!? 司君!? 助けてぇぇ!?」
「いやあの、さすがに俺が助けるのは難しいと言うか……そもそも、四期生別室なので物理的に無理です」
「くそぅ!」
頼みの綱である司に助けを求めるも、別室にいると言う理由で断られた。
「さぁ! 暴露しまーす! えー、まずたつなちゃんが司君に会った時の第一声がこちらですね。あ、いるかちゃん。模倣」
「ん。任せて。んんっ。『――み、見つけたっ……私の、理想っ……!』」
「~~~~~~っ!?」
「続いての言葉」
「ん、『ふふ、天は私を見放さなかった……ここまで理想とも言える人と出会えたのだからっ……!』」
「ぬぁぁぁぁぁぁ!?」
「最後に」
「『そう君。君しかいない。向こうでお姉さんとお話、しようじゃないか』」
「うにゃあぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁ~~~~~~っ……!!!」
「あのたつなさんが照れ照れに!? こんなこと、ひかりさんくらいしかできねぇですね!」
「なるほど、その様な勧誘をなさっていたのですね! とても面白いですわ!」
「あらあら、今時の方はとても情熱的なようですね」
「……これ、間接的に俺にもダメージある気が……」
【たつな様が聴いたことのない声を!?】
【っていうか、やっぱいるかちゃんの声帯模倣が無法過ぎるww】
【そうか、再現もできるのか……】
【これは酷いww】
【そういや、たつな様ってモデルだったよな? ってことは、この新人君はそんな超美人に今の言葉を言われたと……うん、羨ましい】
【こぉれはアウトですねぇ?】
【万死!】
【これは処す? 処す?】
「し、仕方ないじゃないかぁっ……だって、あの頃の私は、既にどうかしていたんだっ……年下の司君を何が何でも手に入れたかったんだよっ……絶対逃がすまいと、捕まえておきたかったんだっ……」
「たつなちゃん、その言い方だと、なんか恋人として捕まえたいみたいな意味になるよ?」
「ぬおぉぉぉぉぁあぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「たつなおねぇたま!?」
「あー、うん。これは死ねるわね。恥ずかしさで」
「……俺、無事に生きられるかな……」
ステージはカオスになっていた。
あかん、めっちゃ楽しい! 四期生追加した全員でのステージが普通に書いてて楽しい!
司がマジで動かしやすい! 楽しい!
まあ、その結果マジでこのステージが5話で終わらなくなりました。6話くらいで何とか……!




