イベント2日目#ステージ『野郎共による、シチュエーションボイス朗読』:中 しっちゃかめっちゃか朗読、これ社長が関わってるってマ?
未来の常識人の胃にダメージを与えると言う状況が発生するなどということもありつつも、ステージは普通に進行する。
「よし、準備ができたみたいだな! んじゃ、早速始めようぜ!」
「了解でーす。あれ? なんか、モニターに映ってません?」
【たしかに、何か映ってるな】
【これは……どこかの廊下?】
【結構普通だな……なんだろこれ】
「ん? お、ほんとだ。ん~……これ、事務所の中っぽいな? ってか、こんなモデルあったか?」
「ないですね。多分、創ったんじゃないですかね?」
【ちょっと待ってww】
【お前らも知らないんかい!】
【じゃあこれ何ィ!?】
これから朗読が始まる! と言うタイミングで表示された謎の映像に、これを見ている者全員が困惑する。
しかも、ステージにいる刀と暁の両名も知らないと来ているため、余計に困惑が強い。
「お、カンペだ。えーっと? あぁ、なるほどな! そいつは面白そうだぜ!」
「はー、これもサプライズってやつですかねー。あー、来場者や配信視聴者のみなさんにこれがなんなのか説明しますねー」
【説明助かる】
【説明なしでやり始める辺りがらいばーほーむ……】
【出演者にくらいは事前に教えてやれよww】
「今回やるのが、らいばーほーむの裏の話しですよね? 多分、それを完全に再現するために3DCGでアニメーションか何か作ってるっぽいですね。で、面白いのがこれ、事前に裏で他のライバーたちが一部音声収録してるっぽいです。ボクらが朗読するのは、ナレーションと、当人たちが言った面白そうなセリフですね」
「まあ、あれだ、らいばーほーむが作ったドキュメンタリー番組だと思ってくれ!」
【アホすぎるww】
【何してんのぉ!?】
【しかもこれ、社長が台本を起こしてるんだよね? バカすぎる……!】
【ってか、他のライバーも協力してるのは草】
【なんかもう、面白すぎる】
「んじゃ、今度こそ始めるとしようぜ!」
「はーい! スタッフさん、お願いしまーす」
内心ワクワクとしながら二人が開始の合図をすると、会場内が少し暗くなる。
そして、画面の映像が動き始めた。
「――ここは、人外魔境と呼ばれるVTuber事務所、らいばーほーむ。そこでは日夜、数多くの人々を楽しませるため、ごく自然な狂気やネタの出し合いが行われていた」
【www】
【人外魔境www】
【刀野郎がマジでそういう番組のナレーションみたいに朗読してんのがマジでおもろいww】
【普段のテンションどこ行ったってくらいだよこれw】
「今日は、そんな彼女らの隠されざる狂気を覗いて行こう」
『プロジェクトL』
【馬鹿野郎ッ!】
【どう見てもそれ、Xの方じゃねぇか!】
【しかも、無駄に映像のクオリティーたけぇなおい!?】
【堂々とパロディするんじゃないよ! いや面白いけど!】
【これは酷いww】
【あと、タイトルコールしたの、あれシスコンだろ! なんで地味に上手いんだよww】
突如始まったパロディ映像に、総ツッコミである。
観客席からは噴き出すような声もあったし、ツッコミを入れるような声もあったので、掴みとしては完璧だろう。
「ある日の配信後。休憩室では、配信を終えたライバーたち(シスコン、たつな、リリス、俺)がいた」
【カッコも読むのかよwww】
【クッソw】
【既に腹が痛い……】
『いやぁ、今日もみたまちゃんの布教ができたぜ』
『ひかり、それはおかしいからね? 後輩の一人をあそこまで堂々と布教するのは控えめに言って頭がおかしいからね?』
『本当にひかりはみたまが好きじゃのう!』
『さすがシスコンだぜ! 俺らは事前に姉妹関係ってのは知ってたが、ああも堂々とされると、いっそ尊敬の念が出て来るってもんだな!』
【いやお前のセリフも録音なんかい!】
【草ァ!】
【なんでリアルタイムでやらねぇんだよwww】
【あと布教したシスコンはアホだろw】
【最初の頃とかそうだったし……?】
【はぁっ、刀君の声、最高……!】
「この日の配信では、天空ひかりことシスコンが四人のコラボ配信中、突然三期生の核兵器、神薙みたまの布教をし始めた挙句、こう言い放った」
「チャンネル登録をしないと、三十日以内に誰かに転送しないと、脳が徐々にみたまちゃん一色になります☆」
『『『ぶふっ!』』』
【しょ、ショタ野郎ォォ!】
【なんでちょっと似てるんだよッww】
【草ァ!】
【シスコンの声真似はさすがに笑うww】
【いやこれ、声が似てるんじゃなくて、イントネーションとかそっち方面を寄せてるから似てるよう聴こえるだけだ。面白いことに変わりはねェけど!】
【そういやそんなセリフ言ってたことあったなぁ……】
【ってか、セリフ担当お前なんかいっwww】
突如として挟まったシスコンの声真似に、笑いだす者が続出した。
ショタ野郎はその光景は笑い出す者が多いことを見て、内心にっこりである。
『あ、配信も終わったし、いい時間だし、適当に飯でも食いにいかね? それと、飲みに行くか?』
『飲みか、いいね。少し飲みたい気分だ』
『我はジュースじゃな。酒は苦手じゃ』
『おっし、じゃあ決まりだな!』
「その日は配信後に飲みに行こうという話へ進む。個人的に、配信後にこんなことを話しているVTuberの様子を見せてもいいものか、とかなり疑問に思うところではあるが、まあ社長がGOサイン出してるのだからいいんだろう。ってかそうじゃないと困るよな!」
【おい擬人化野郎ww】
【しれっと自分の感想を混ぜ込むんじゃないよ!】
【まあ、裏話で最初に出て来るのが酒の話題なのは本当に笑う】
【一応成人済みしてるしなぁ、ほぼ全員】
【そのほぼの中になってる原因、みたまちゃんなんですがそれは】
【四期生で、未成年者来るのかな? 来てくれた方が、みたまちゃんもやりやすそうだし】
『そう言えば、配信が終わったのに、なんでリリスちゃんは素の口調じゃなくて、魔乃闇リリスとしての喋り方なの?』
「む? 何を言うか。だってこれ、刀と暁の両名がイベントでやる朗読で使うための収録じゃろ? 素で話したらそれは我ではなく、中の人になってしまうではないか」
『『『んぶふっ!』』』
【メタい! メタいよ陛下!】
【メタいもそうだが、なんで陛下のセリフを言うのがショタ野郎の方じゃなくて、擬人化野郎の方なんだよww】
【幸いなのが、陛下の話し方って男でやっても問題ないことだよなw】
【たしかにww】
【尊大な話し方をする刀君……何それイイッ!】
【びくっと暁きゅんと組み合わせればかなり素晴らしいものになりそうよぉぉぉぉぉ!】
【お前ら……】
「リリス、君かなりメタいこと言ってるからね!? それは言っちゃだめだろう!?」
「そうは言うがこれ、ちゃんと台本に書き起こされとるぞ」
「うわほんとだ!? しかも、私のところの部分、『どうせツッコミするからそれを採用する』って書いてあるんだけど!?」
『『『~~~~っ!』』』
【や、やべぇ、腹いてぇ……www】
【陛下が擬人化野郎で、たつな様がショタ野郎なのは、本当になんでっ……ww】
【普通逆やろ!ww】
【ショタ野郎の声って、普通に男からしても可愛いっぽいボイスなせいで、いつものカッコいい感じのたつな様の声が、どこか可愛くなっちゃってるのがほんとに酷いww】
【なんなんだよこいつらw】
【というか、社長が書いた台本どうなんってんだよww】
【メッチャ見てぇw】
「らいばーほーむの社長ともなると、各ライバーへの理解度はカンストしており、これを言えば間違いなくツッコミが釣れるだろうと判断していた。つまり、未来を予測していたのだ。いやそれはそれとして、たつなって普通にわかりやすいから、これを言えば絶対にツッコミするだろ! ってわかるよな!」
「ですねー。あの人、すっごいわかりやすいですし」
【朗読中に普通に会話すんなよwww】
【というかこれ、よく考えたらこいつらが読む台本と他のライバーが読む台本用で二種類あるんだよな? え、社長過労死しない……?】
【知ってるか? らいばーほーむの社長って、自社のライバー相手だったら体力が無尽蔵になるらしい】
【邪神かな?】
【シスコンレベルのヤバい奴ってことか……】
「おっと、話が逸れたのはまずい。戻そう。裏でツッコミが起こったものの、それ以降はなんてことない会話が続く」
『しっかし、俺たちにも新しい後輩がもうできるとはなぁ……』
『まあ、ライバーのデビューペースとしては、ウチの事務所はかなり遅いからね。二年以上やって、ようやく十二人と考えると……まあ、仕方ないだろう』
『我、三期生のみたまとたくさんコラボしたいのう』
『ほほう、いい目の付け所だね、リリスちゃん! リリスちゃんもちっちゃいし、みたまちゃんとはある意味相性が良さそうだよね☆』
「それ、三期生のロリコンがロリコンし始めそうだよな! 少なくとも四人の初配信の日とか、みたまちゃんが出た時に『こ、これが最高のロリ!? 是非ともかんき――保護をしなければいけない天然記念物レベルの可愛さですよぉ~~! あと、チラッと見える露出部分がエッチ!』とか呟いてたしな! 他にもあったが、あれはちょっと載せられねぇよな!」
『『『ごぶふぅっ!』』』
【どんな呟きしてんだよww】
【変態だァァァァ!?】
【最初から変態すぎて草】
【つーか、なんでショタ野郎が擬人化野郎のセリフ読んでんだよww】
【マジでどっちかで固めろや!ww】
【暁きゅんが、刀君を演じている、だとっ……!? つまり、刀君が暁きゅんを演じる可能性もある……ってこと!?】
当人からぼかされていたトワッターのヤバい呟きの内の一つが明かされたことで、ロリコンのヤバさがさらに認知された。
しかも、今の呟き以上の呟きをしていたことが判明したので、猶更あいつVTuberやるのまずいんじゃね? とか思われているが……そもそも、らいばーほーむなので……。
『うむぅ、何を言っているのかはよくわからんが……まあ、我はみたまと一緒に配信ができる日を楽しみに待つのじゃ!』
「そうニコニコしながら神薙みたまと絡む未来を想像する魔乃闇リリスだったが、その後に神薙みたまとのカップリングが成立し、人型生物殺戮兵器ロリピュアとして数多の人々を殺戮しまくることなど、この時のリリスは知る由もない」
【馬鹿野郎www】
【人型生物殺戮兵器ロリピュアは草】
【ひっでぇ名前だなぁオイww】
【間違ってないのが尚更酷いんですがww】
【社長の二人に対する評価がよくわからなぁ……(遠い目)】
私も何を書いているのわからない。
思った以上にこいつら書くのムズイ……! 技量が低い故のこの様よ……!
とりあえず、多分次回で男共の話は終わる……と思います! というか、終わらせる!
二期生と三期生の部分を書いて終わりになる、はず……?




