表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ロリ巨乳美少女にTSしたら、Vtuberなお姉ちゃんにVtuber界に引きずり込まれました  作者: 九十九一
イベント編:聖夜にはどんちゃん騒ぎ! 二日かけての狂人披露会! 吐血もあるよっ!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

305/477

イベント2日目#2 昨日は即死トラップはメラ○ーマではなく、メ○だった

 どこぞのホテルにて。


「よし、今日の持ち物はこんなものだな。……なんと言うか、今日と言う一日のことを考えると胃が痛くなるな……」


 セットした目覚ましのアラームで起床した柊は、軽く身支度を終えると、腹部をさすりながらどこか苦い顔でそう呟いた。

 外は見事な快晴であり、雲の一かけらもない。


「いい天気なのに、なぜだろうか……今の俺には不吉な何かにしか見えない……というか、朝起きてから嫌な予感が半端じゃないんだが……」


 起きたばかりにもかかわらず、柊はなぜか嫌な予感でいっぱいになっていた。

 今すぐ逃げろと、自身の第六感が警鐘を鳴らしまくっており、本能的にこの場から逃げたくなるほどだ。

 自分でもなぜこうなっているのかわからない。


「……いや、大丈夫だろう。何とかなる……はず」


 何一つ大丈夫そうに見えないが、柊は大丈夫だと思うことにして、荷物を持って部屋を出た。

 ガチャ、とドアを開けると、同じような音が横から三つ分聞こえてくる。

 ちらりとそちらに視線を送れば、そこには昨日会った三人の女性がいた。


「あ、どうも……」


 何を言うまでもなく、柊は小さく会釈。

 向こうの三人も柊に会釈を返す。


「これからお出かけですか?」


 三人のうちの一人である、大和撫子な女性こと、美鈴がにこやかな笑みを浮かべながら柊にそう尋ねる。


「え? あぁ、まあ、はい。らいばーほーむのイベントに」

「あら、奇遇ですわね。わたくしたちもイベントへ行くところですの」

「そうなんですか。すごい偶然ですね」


 まさか三人ともらいばーほーむのイベントに行くとは思わず、柊は少し目を見開いた。


「うちら昨日会って一緒ってなったんですよー。もうね、同志ってもんですぜ!」

「はぁ……ということは推しが一緒なんですか?」

「「「みたまちゃん(ですわ)(です)!」」」

「……あ、ハイ」


 それはもう、ものすごくいい笑顔を浮かべる三人に、柊はヤバイ何かを感じ取った。

 そしてなぜかはわからないが、何かの縁を感じてもいた。

 がしかし、今それを気にするのは何かダメな気がして、柊は離脱を図ることに。


「あー、じゃあ俺、会場で待ち合わせしてる人がいるので……」

「あ、失礼致しましたわ。お互い、楽しみましょう」

「はい、では」


 幸いなことに、一緒に会場に行こうぜ! みたいなことを言われずに済み、柊はほっと一安心。


「……神子ちゃんと最も仲の良い人の子ですし、きっと幸運だったのでしょうね」



 三人の女性と別れてから、柊は会場への道のりを進む。

 現在の時刻は朝の6時半。

 割と早い時間のように思われるが、イベント会場へ行くにはかなり遅いと言わざるを得ないだろう。

 もっとも、それはらいばーほーむのガチファンとして、だが。


 柊は別にガチのファンと言うわけではなく、どちらかと言えばライト層と言える。

 アホみたいなスパチャを投げたり、熱心に動画を見たり、布教したり、そんなことはしない。

 まあ、そのライト層な柊は、らいばーほーむに入ることが決まっているので、今後は推される側になるのだが。


 話は戻り、会場への道程。

 当然と言うか、柊が歩いている道は、柊以外にもらいばーほーむのイベントへ行くと思しき人たちが結構な数いる。

 友人同士や、恋人同士、家族、ソロ、様々ではあるが、誰もが期待に胸を膨らませているのがよくわかるほどに、誰も彼もがとてもわくわくとした表情を浮かべていた。

 そんな中、柊は楽しみと言うよりも、どこか緊張している様子。

 彼にも色々あるのだ。


 と、そんなこんなでイベント会場前に到着。

 待ち合わせをしている星歌と麗奈の二人を探すと、


「おーい、高宮くーん!」

「高宮、こっちだ」


 少し離れた所から自分を呼ぶ声が聞こえて来た。

 柊は声がした方に視線を向け、探し人がそこにいるのを確認し、そのまま二人のもとへ。


「おはようございます、星歌さん、朝霧」

「あぁ、おはようさん。さすがに遅刻はしないようだな?」

「おっはよう! 今日もイケメンだね!」

「遅刻なんてしませんよ。あと、朝霧は何を言ってるんだ……」

「だって本当のことじゃん?」

「たしかに、高宮はイケメンだな。なぜ恋人がいないのかがわからないくらいには」

「だって高宮君、年上好きだもんね」

「あぁ、そう言えばそうだったか」

「……朝来て早々、なぜ俺がちょっといじられる感じになってるんだ……」


 とまあ、軽口の叩き合いはほどほどに、三人は早速とばかりに列に並び始める。


「ん~、やっぱりこの時間だと結構人がいるねぇ」

「最短は夜中の3時くらいらしいからな」

「何時に寝てる計算なんですか、それ……」

「さあな。ま、それくらい本気ってことだ。私はそこまではさすがにって感じだが……」

「寝不足はお肌の天敵……!」

「やっぱり気にするのな」

「そりゃあしますよっ! というか、星歌さんって結構肌綺麗ですよね? お手入れとかどうしてるんですか?」

「特にしてない」

「なん、だとっ……」

「なんと言うか、それを世の女性の前で言ったら、星歌さんかなり恨まれそうですよね」

「実際に恨まれたことあるぞ」

「あるのか……」


 並んでいる間は特にやることもないため、雑談に興じる。

 その中で、肌の話になったのだが、どうやら星歌は特に手入れもしていないにもかかわらず、肌が綺麗である模様。

 柊の言う通り、日々美容と戦っている女性がからすれば羨ましさ以上に、嫉妬が出そうである。


 尚、らいばーほーむの女性陣のほとんどは、特に手入れをしていないのに綺麗だったりする。

 しているのはたつなやデレーナ、はつき、ふゆり辺り。

 他は……お察しである。

 みたまとリリスに関しては、そもそも肌年齢が実年齢よりも遥かに下なので、そもそも手入れをする必要が一切ないと言う……明らかにおかしい。


「ところで、ずっと気になっていたんですが……なんか、屋台増えてません?」

「……気付いてはいたんだが、どうせならツッコミ担当の髙宮に切り出してもらおうかと思って言わなかった」

「星歌さん、地味に酷いこと言ってません?」

「まあでも、髙宮君っていつもツッコミたもんね」

「好きでしてるわけじゃないんだがなぁ……」


 などと言っているがこの男、後にらいばーほーむでツッコミをすることになる。


「っていうか、あたし、VTuberのイベントでレバニラ炒めの屋台なんて初めて見たよ」

「世界広しと言えども、こういうイベントでレバニラ炒めの屋台を出すのなんて、らいばーほーむくらいだろうな」

「普通はないと思うんですがそれは……」


 まあ、らいばーほーむなので、と言うほかない。

 明らかにおかしいが、これが平常運転なのだから、仕方ないのである。


「レバニラ炒め~、レバニラ炒めはいかがですか~? らいばーほーむの殺戮兵器に備えて、残機を増やしておきませんか~?」


 そんな時である。

 とんでもない売り文句でレバニラ炒めを販売する立売が現れた。

 しかも、ものすごくにっこにこな笑顔と声と共に。


「くっ、ぐっ……!」

「高宮君、どうしたの? そんなに胸元を握りしめて」

「……つ、ツッコミたいっ、あの明らかにおかしい売り文句に、ものすごくッ……!」

「まあ、あれはツッコみたくなるわなぁ……」


 明らかにおかしい立売と、その売り文句に、柊はものすごくツッコミを入れたいという衝動に駆られていた。

 しかし、ここでむやみやたらにツッコミをしてしまえば、何か厄介なことになってしまうと思った柊は、ひたすらに耐える。

 拳を強く握り過ぎて、血が出ているが……。

 根がツッコミなのはもう、宿命なのだろう。


「あ、すみませーん! レバニラ炒めください!」

「いや買うのかよ!?」


 そんなレバニラ炒め売りに、麗奈が購入しようとしていた。

 結局ツッコミを入れる柊。


「400円になります!」

「あれ? 結構安い」

「あくまでも残機ですし、量も一命分の量しかありませんから」

「なるほど、一パック命一つ……じゃあ、やっぱり二つください!」

「ありがとうございます! では、800円になります!」

「1000円で!」

「はい、では200円のお返しとなります。イベント、楽しんでくださいね!」

「ありがとうございます! これで、二命だね!」

「命の数え方がおかしいだろ……」

「高宮、そもそも命を買ってると言う状況に突っ込んだ方がいい」

「……ツッコミどころしかない……!」


 なぜ始まる前から、こんなに頭のおかしいことばかりが発生しているのか、柊は頭を抱えたくなった。

 まだらいばーほーむに正式に加入しているわけじゃないにもかかわらず、この状況。

 らいばーほーむが関係しているだけでツッコミどころがいくらでも湧き出て来るのは最早ホラーである。

 ツッコミ担当からすれば。


 尚、たつなは既に屋台と立売についてツッコミを入れまくった後である。

 仮にもし、柊がツッコミを入れようとしていたことを知ったら、彼女はそれはもうにっこにこで手招きしてくることだろう。

 行かなかったら目のハイライトが消えること間違いなし。


「そう言えば、らいばーほーむの公式が、すっごく不穏な呟きしてたんだけど、二人は知ってる?」


 少し進んだところで、何かを思い出したように麗奈がそう話しだす。

 どうやら、トワッターでらいばーほーむが何かを呟いていたらしいのだが……。


「ん? そんなのあったのか?」

「うん! これですこれ!」


 そう言って麗奈が見せたのは、らいばーほーむの公式トワッター。


 そこには、


 らいばーほーむ公式✓ @Live_House12月25日

 #告知 #イベント #ブラッディクリスマス

 らいばーほーむイベント二日目!

 今日は昨日とは違う何かが聴けるかも!

 尚、命の保証は致しませんので、屋台、もしくは立売販売が行われている、

 レバニラ炒めを購入することをお勧めします。

 ○1,811 ↺1.1万 ♡3.3万 9万


 という呟きがされていた。


 たしかに不穏である。

 あと、タグにブラッディクリスマスは明らかに頭がおかしい。


「「……たしかに、不穏」」

「でしょでしょ? だから気になっててね!」

「なんと言うか、嫌な予感しかしない……」

「奇遇だな、高宮。私もだ」


 そんな呟きを見た柊と星歌の二人は、頭痛を堪えるように、額に手を当てていた。

 どちらも嫌な予感がしているようである。

 その嫌な予感がなんなのか、それが判明するのには、そう時間がかからなかった。

 この後も適当な雑談をしながら開場するのを待つ三人。

 遂にその瞬間が訪れる。

 少しずつではあるが、人が前に進み始めたのだ。


「お、進み始めたな。それじゃあ、進むか」

「「はい」」


 ゆっくりめではあるものの、着実に前へと進む。

 そんな三人の脳裏には、昨日の即死トラップが浮かび上がって来ていた。

 今日も間違いなく、その即死トラップがある……そう思っていたのだが、特にそう言ったことはなく、何事もなく先へと進んでいく。

 それでも何かあるだろうと身構えていたのだが、やっぱり何も起こることはなく、すんなりと会場の中へ入ることが出来た。


「てっきり、神薙みたまの館内ボイスが流れるかと思ったんだが……なかったな?」

「ですね。あたし、いつでもレバニラ炒めを食べる準備してたんですけど」

「まあ、何もないならないでいいんじゃないか?」

「甘い、甘いよ髙宮君! 相手はらいばーほーむだよ? 初日でやって、何もやらないなんてことはないと思うの!」

「……何一つ否定できないな」

「まあ、愉快犯が大多数を占める事務所だからな。ま、さすがに酷いことはないだろう」


 と、星歌が言った瞬間であった。


《イベント会場にお越しくださった皆様! おはようございましゅっ……! ふぇぇぇ……や、やっぱりトップバッターは無理だよぉ~~~~!?》


『『『ごふっ』』』


 突然、ボイスが流れ始めた。


「おい、高宮、今の……」

「……言わんでください。十中八九、アレですので……」

「だよなぁ……朝霧、大丈夫か?」

「ふ、ふへへ……こ、この程度、普段から鍛えられているあたしからすれば、へでもないよっ……! ほんのちょびっと鼻血が出ただけ!」


 不意打ち噛み芸だったが、椎菜と普段から接している麗奈からすれば、かすり傷のようだ。

 もっとも、これで終われば、だが。


《安心するのじゃ、みたまよ! 我もいるのじゃ!》

《あ、リリスおねぇたま! よかったぁ、やっぱり一人だと緊張しちゃって……》

《仕方なかろう! では、トップバッターは我らがやるのじゃ! 改めて、準備は良いかの?》

《う、うん! じゃあ、いつでも……!》

《うむっ! それでは……こほんっ。みにゃのもにょっ……~~~~~~っ!》


『『『んごふァァァァ!!』』』


 みたまだけだと思っていたら、なぜかリリスの声が流れ出し、かと思えばそのリリスが珍しく噛み芸を披露し、マイクの向こうからとても顔を真っ赤にしていると確信できるほどに、とても恥ずかしそうな声が聞こえて来た。

 結果、みたまの噛み芸でダメージを受けた来場者たちに更なる追い打ちが襲い掛かる!


《くぅ~~っ、ま、まさか、こ、この我が噛むなどと……!》

《だ、大丈夫? リリスおねぇたま……?》

《だいじょばない……我、恥ずかしいのじゃぁ……》

《だ、大丈夫だよっ。え、えと、ふ、二人一緒に言えばきっと大丈夫だから!》

《そ、そうじゃよな! 我らは二人でロリピュア……! ならば、いかなる時でも二人一緒が一番じゃよな!》

《うんっ!》


 そんな声が流れて来るが、既に二発のミサイルをくらった来場者たちは、なぜか嫌な予感がしていた。

 中には、数多の思い出が生まれた時から順に脳裏に浮かんでくる者もいた。


《じゃあ、せーのでいくぞっ》

《うんっ》

《せーのっ》

《《みにゃしゃんっ……あぅ~~~~~っ!》》


 そして、その予想は的中!

 二人一緒に行ったのに、全く同じ噛み方をした挙句、恥ずかしがり方も声を揃えて全く同じと言う、とんでもないミラクルを起こした!


『『『( ˘ω˘)スヤァ……』』』


 結果、来場者たちは口と鼻から多量の血を流し、尊死!

 死体の山があちらこちらに築かれてしまったァ!


「……あの二人の破壊力、凄まじいな」

「……ですね」

「……朝霧は?」

「……片膝ついて歯を食いしばって耐えてます」

「……よく耐えたなぁ……(遠い目)」

「……カハッ……! な、なんと言うっ、は、破壊力っ……! レバニラ炒めが無かったら、即死だった……!」

「朝霧、なんでバトル漫画みたいになってるんだ……?」

「VTuberでこの惨状……世界は広いなぁ……」

「星歌さん、現実逃避しないでいただけると……」


 二日目は入り口から前途多難である。


 余談だが、あまりにも可愛らしく恥ずかしそうにする二人に、どこかのロリコンが限界突破してしまい、危うくガチで死亡仕掛けると言う事態があったが、事なきを得た。シスコン? 死んでも蘇るよ、セルフで。

 即死トラップが魔改造されたそうです。

 そりゃあ生でやったらこうなるよねって感じよ。

 ちなみに、みたま&リリスが初手なのは、満場一致だった模様。

 基本的に二人一ペアでやることになりました。誰が来るか怖いね!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
改めて見ると、ミタマ耐性すげえ
キルカウント増設。今のところは…何万人?
即死トラップがワープ進化してるw
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ