表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ロリ巨乳美少女にTSしたら、Vtuberなお姉ちゃんにVtuber界に引きずり込まれました  作者: 九十九一
イベント編:聖夜にはどんちゃん騒ぎ! 二日かけての狂人披露会! 吐血もあるよっ!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

278/477

イベント1日目#おしゃべりコーナー:15 うさぎの場合:下

 相も変わらずの狂気を振りまく邪神から移動し、次の人物は……


「わ、わわっ、わたしなんかが、その、あ、相手で、す、すみませぇぇぇんっ……」


 らいばーほーむ一のコミュ障でゲーマーの御月美うさぎであった。


『初めまして、田波恵梨香っていいます! うさぎちゃん推しですっ!』


 そんなうさぎが相手をする人は、明るい茶髪の笑顔が似合う二十代前半ほどの女性であった。

 どうやらうさぎ推しな様だ。


「ひぇぇぇぇ!? わ、わわっ、わた、わたしなんかが、で、ですかぁっ……!? え、な、なんでぇ……?!」

『だってうさぎちゃん、庇護欲がすごいんだもん! あと、ゲームプレイの時のギャップがすごくて好きです!』

「こ、高評価す、過ぎて、こ、怖いですぅ~~~~っ!?」

『わぁ、本当にすっごくびびりなんだね!』

「すみませぇぇぇんっ……」


 にこっと笑顔を浮かべながら言う女性ファンに、うさぎはなぜか謝罪。


『ううん! 気にしないで! むしろ、見てて微笑ましいから!』

「……よ、陽キャっ……あ、圧倒的、陽キャ、ですぅ……!?」

『ん~、まあ、友達からは死ぬほど明るいって言われるかな!』

「ま、眩し過ぎて、わ、わたしの目を、つ、潰したくなっちゃいますよぉ~~~っ……」

『物騒!』

「あっ、ふ、不快でした、よねっ……!? し、死んで、お詫びしますぅ~~~っ」

『いやいやいいっていいって! というか、なんでうさぎちゃんってすぐに死のうとするの?』


 女性ファンは、いつもなぜか死のうとするうさぎが気になって、首を傾げながらその理由を尋ねる。


「あ、い、いえ、その……た、大したことはない、んです、けどっ……わ、わたし、小学生の頃から、へ、変に発育が良く、て……あの、か、からかわれやすくて……い、いじめとかはなかった、んです、けどっ……その、えと……人と距離を取るように、なっちゃって……き、気が付いたら、こ、こんな風に……すみませぇぇぇんっ……」

『へぇ~、なるほどね! まあ、女の子だもんね、そうなっても仕方ないよ!』

「うぅぅ……よ、陽キャな方に褒められる、のは……し、心臓に悪いですよぉ……」

『なんでやっ』


 うさぎの発言に、女性ファンは笑いながらツッコミを入れた。

 本当に楽しそうである。


『そんなにびっくりするくらいにコミュニケーションが苦手そうなのに、VTuberしてるなんてすごいよね、うさぎちゃんって』

「そ、そんな、ことはっ……! わ、わたしなんか、より、他のその、人たちの方が、すごい、ですし……」

『いやいや、そんなすごい人たちの中でも隠れないくらいに目立ってるじゃん! 特にゲーム関係の時は強いよね? 憶えてるよ! 去年の闇鍋配信の後にやったゲーム大会で、ぶっちぎりの一位だったじゃん! しかもノーダメ!』

「そ、その、ゲームだけが、わ、わたしのアイデンティティなので……うぅ、他に取り柄のない人ですみませぇぇん……」


 女性ファンが褒めても、なぜか謝るうさぎである。

 まともに受け止めないのがなんというかこう、酷く残念な存在である。


 こんなうさぎの反応に苛立ちを覚える者もいなくはないのだが、それ以上にうさぎは小動物とは真逆の容姿をしているのに、中身が小動物すぎて庇護欲が凄まじいギャップ萌えの体現者なので、そう言う意味でうさぎは好かれやすい。

 あとは、ゲームをしている時のうさぎは普段と少し違うと言うのもある。


『あ、そうだった。うさぎちゃんに相談があったんだよね! いいかな?』

「ひぇっ……そ、相談事、は、た、たつなさん、とか、で、デレーナさんの、方が……」

『いやいや、ゲームの攻略の話しでね』

「――いつでもどうぞっ」


 相談があると言われて、速攻で他のライバーの名前を出したうさぎだったが、その内容がゲームの攻略と言われると、さっきまでのおどおどはどこへやらだ。


『おー、すっごい変わり身の早さ』

「そ、それで、どんなゲーム、の攻略、ですかっ……!?」

『デスフォレストっていうゲームなんだけど』

「あっ、あれですねっ……!」

『ちなみに、うさぎちゃんはプレイ済み?』

「トロコンもしてますっ」

『え、まだ発売してから一週間だよね!? すっご!』

「へ、へへ、あれくらいな、なんとか……」

『おーぅ、あれって結構な死にゲー、鬼畜ゲーって言われてるのに』


 デスフォレストとは、今し方女性ファンが口にしたように、死にゲーの高難度ゲームである。

 ジャンルとしてはアクションゲームに当たる。

 まだ発売してから一週間程度しか経っていないのだが、難易度が高いらしく、クリアできたという報告は少ないらしい。


 尚、肝心の中身について挙げるとすれば、主人公は普通の農民(見かけは)で、鍬を持ってなぜか魔王討伐に出かける、というよくある王道ストーリーである。


 が、問題なのはその難易度。

 やけに明るい世界観にストーリーなのに、その難易度はかなり高い。


 オープンワールドゲームではあるのだが、最初のエリアどころか、開始地点から既に鬼畜である。

 具体的には、三歩進んだだけで死ぬ。

 理由は、トラバサミがあったから。

 主人公は農民ということもあり、かなりの貧弱。

 最初の内はス〇ランカーレベルとも言われている。


 あまり長々と語るのもあれなので、とりあえず、明るい世界観に見せかけた鬼畜死にゲーということだけ理解出来ればOKである。


「そ、それで、ど、どこが……?」

『いやー、一つ目のエリアのボスいるじゃん?』

「たしか、小太刀二刀流で高速移動しながらヒットアンドアウェイ仕掛けて来るアレ、です、よね?」

『そうそれ! あれどうやったら勝てるの? 主人公は農民だから俊敏性が終わってるのに、相手はすばしっこいし……その上、攻撃が大ぶりなせいで全然当たらない……その上、フィールドが森の中なせいで、余計に動きにくいし……装備品を集めるとか……?』

「そう、ですね。こ、攻略法は三つ、あり、ますけど……」

『え、三つも!?』

「は、はい。一つ目は、真正面から戦う、ですね」

『それだと負けるよ?』

「あ、い、いえ、あのゲームの振り下ろし攻撃は、振り下ろし終えるまで当たり判定が残り続け、まして……」

『それは知ってるけど……でも、それすると避けられないんだよね……』

「んっと、実はあれ、地面が当たる直前に、回避をすると、当たり判定が残ったまま避けられる、んです」

『え、マジで!?』

「マジ、です。当たると当たり判定は消えますが、それを繰り返すことで削り切れます」

『はぇ~~、そんな方法が……でも、似たようなことはしたけど、全然発生しなかったよ?』

「この技は、猶予4フレームくらいでして……」

『短すぎる!』

「な、慣れれば、簡単なので」

『おおぅ、さすがうさぎちゃん……』


 などと言っているが、うさぎのゲーマーとしての腕前はちょっとおかしい。

 具体的には、プロゲーマーになっていてもおかしくない腕前を持っているほどだ。

 本人曰く、


『1フレーム技? ……簡単です、よ?』


 だそうである。

 周りが濃すぎてあれだが、普通にうさぎも性能がおかしいのである。

 というか、ゲームならほぼ全般得意。

 苦手なのはパーティーゲームなどなので……(その理由も、単純にやる人がいないボッチだから、というもの。ミニゲーム自体は圧勝できる)。


『それで、他の方法は?』

「そ、そう、ですね……正規ルートからフィールドに入って、奥の一本の木の裏に隠れると、なぜかボスが木に突っ込み続けるバグがあって……」

『それは自力で見つけたよ! でも、どうやって勝つの?』

「木を正面に捉えて右に10度角度を付けて14回しゃがみモーションを入れつつ14回目でメニュー画面に行ってから左スティックを上に約27秒傾けてからメニュー画面から戻ると木に埋まるのでそこからずっと鍬で殴り続ける感じ……です」

『えぇ……いや、あの、どうやって見つけたの? それ?』

「ぐ、グリッチを見つけないと、RTAができない、のでっ……!」


 などと言っているうさぎ。

 実はこのコミュ障、攻略サイトなどを運営していたりする。

 そこでは、どうやって見つけたの? みたいな攻略方法を記載している上に、普通にわかりやすいとあって結構好評。


 尚、そこから収入などは別に得ておらず、完全趣味の領域となっている。


『な、なるほど……でも、全然覚えられない……!』

「あ、あとで、トワッターで、呟いておく、ので……」

『助かる! ……あ、それじゃあ最後の一つは?』

「内容的には、一つ目と変わらない、です、けど……」

『つまり、真正面から?』

「は、はい」

『へぇ~! どんなのどんなの?』


 一つ目とは違う方法があると言われ、興味津々になる女性ファンに、うさぎはどことなく楽しそうに口を開き……


「そ、そう、ですね……まず必要なのはボスエリアから少し戻ったところにある小屋の周囲で樽を三つ拾って来ましょう。その後ボスエリアに入って、直線状に樽を三つおいてください。そのままボスがプレイヤーを視認すると突進技を使ってきますが樽を壊して進む際に突っかかりが発生して全部壊し終えるとプレイヤーの手前数センチを攻撃が通過しますがそこでプレイヤーに当たることはないです。この時一つ目の樽に攻撃が当たる2秒前に鍬を振り下ろす攻撃に入ると丁度目の前に来た時に鍬がクリティカルヒットします。これでまずは第一段階です。この攻撃方法を行うとなぜか行動がある程度パターン化されて殴りやすくなります。本来なら突進攻撃・空中からの奇襲・背後からの不意打ち・回避カウンター・飛び道具などの攻撃方法がありますが樽を設置したことで突進攻撃と空中からの奇襲のみになります。あとは相手の動き出しの行動からどちらの攻撃が来るかを判断して適切な距離を取って鍬で攻撃すれば攻撃が当たります。おすすめは突進攻撃の時です。発生から3秒で距離を詰めて攻撃してきますが7メートルほど距離を取ると丁度いいです。距離については画面上部の距離を表示したメーターもしくは設定画面から敵との距離を表示する機能をONにすれば簡単です。空中からの奇襲については判断してから鍬を振り下ろして地面に当たる直前で先ほどの4フレーム技を入れることでそのまま撃墜してスタンを入れられます。その際は10秒間殴り放題になるのでここを狙うのが手っ取り早いです。難しいようなら地道に突進攻撃を見極める方が一番いいです。そうすれば簡単にクリアできます。RTA的には空中からの奇襲を撃墜して殴り放題が一番速いです。現時点の最速タイムを狙うのなら空中からの奇襲を撃墜からのフルボッコがおすすめです」


 ものすごく詳しい解説があのコミュ障でいつもつっかえつっかえ話すうさぎの口から放たれた。


『( ゜д゜)』


 そんな解説を聞いた女性ファンはぽかーんとした!

 だって、あのうさぎがここまで早口でべらべら喋るとは思わなかったので!

 配信でもたまーに解説の時に少しだけ饒舌になる時があったが、今回はそれの比ではなかった。


「……ハッ!? す、すすすすすみまえぇぇぇん!? ひ、一人でしゃ、しゃべって、き、気持ち悪かったですよね……気持ち悪かったですよねぇ……!? し、死んでお詫びを~~~っ……!」

『あっ! い、いえいえ! 詳しい解説ありがとうございます! ぶっちゃけ、全部覚えられなかったですけど、すっごい嬉しかったので! っていうか、うさぎちゃんってあんなに饒舌に話せるんだね!』

「うぅ……わ、わたし、ゲームのことになると、その、は、早口に……」

『そういえば、今までの配信でも似たようなことがあったっけ。でも、今回はいつもよりすごい! これを配信でやったら受けるんじゃないの?』

「さ、さすがに、き、気持ち悪いと言うコメントが、ふ、増えちゃい、ますぅ……」

『そうかなー。でも、何はともあれ! 相談に乗ってくれてありがとう! うさぎちゃん! すっごく参考になったよ!』

「い、いえいえ……そ、その、後でトワッターに呟いておきます、ねっ……!」

『うん! 頑張ってクリアしてみます!』

「が、頑張ってください……!」


 そんなこんなで、二人のおしゃべりは終了となった。


 これが皮切りになったのかは不明だが、これ以降のうさぎ相手のおしゃべりコーナーは、ゲーム攻略の話題になることが多かったそうな。

 というわけで、後半戦三人目はうさぎでした! なんか、前回はトップバッターだったけど、今回は三番目……あれかな、恥ずかしいから最初に終わらせて引き篭もりたいと言ううさぎの願いが届いたんですかね。

 ちなみに、うさぎは好きなことに関しては早口になる典型的なオタクの方です。

 こういう人いいよね!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
1フレームを簡単にできるゲーマーは そうそうおらんてwww うさぎちゃんやっぱりらいばーほーむだなぁ rta勢なだけあってちゃんと解説しっかりしてる rta解説ゆっくり実況作ればそっちでも強そう
やっぱうさぎってみたまみたいに自覚がないタイプだよね、、、
オタク特有の早口w
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ