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ロリ巨乳美少女にTSしたら、Vtuberなお姉ちゃんにVtuber界に引きずり込まれました  作者: 九十九一
2023年 12月(上)

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#118 配信前、すれ違う知らない人(?)

 阿鼻叫喚だったイベントの抽選発表の翌日。

 今日から12月。

 12月と言えば、クリスマスもあるし、年末もある。

 その年末が終われば年始になって、お年玉が貰えて嬉しい! っていう風になるのが学生です。

 僕もお年玉は嬉しくなるけど……正直な所、今の僕って貯金がかなりあるので、純粋に喜べなくなりそうで怖いです。

 今でも思うけど、やっぱり20万円も国から支給があるのってすごいと思うのと同時に、怖くなるよね……。

 あと、僕の場合はVTuberもしているから、その分のお金も入って来るし……気が付いたららいばーほーむで一番登録者数が多くなっちゃったけど……。


『『『もうだめだぁ……おしまいだぁ……』』』

「あ、あははは……まだみんな、落ち込んでたんだね……」


 学園に登校した僕は、未だに机に突っ伏して落ち込むみんなを見て苦笑いを零していました。


「……まあ、それくらいらいばーほーむが人気になったってことだろう。元々人気はあったが、三期生が入って爆発したからな」

「そ、そうかな?」

「そうだねぇ。あたしも、見る方ではあったけど、やっぱり三期生が入って大きくなったよね! まあ、一番の理由は椎菜ちゃんだと思うけど」

「そうかなぁ……」

「……実際、椎菜が入ったことで、既存のライバー二人が壊れたからな」

「愛菜さんとツンデレさん、すごいよねぇ……あれ」

「……そうだな」

「柊君、どうしてそんなに苦い顔なの?」


 どういうわけか、柊君の表情がすごく苦いものに。

 何かあったのかな?


「……あー、いや、あれを見ていると、俺も相当苦労するんだろうな、と思ってな……」

「あー、普通じゃない人しか来ないもんねぇ」

「んっと、柊君なら大丈夫、だと思う、よ?」

「……実は、今朝方に情報が入って来てなぁ……なんかもう、その時点で胃が痛くなる」


 そう言いながら、柊君は自分のお腹をさすっていました。

 お姉ちゃんもそうだけど、すごく自由だもんね。


「んっと、僕も手助けするから、ね?」

「……助かる、と言いたいところだが、椎菜の場合はむしろ胃痛を加速させそうだな」

「なんで!?」

「椎菜ちゃんだもんねぇ」

「ふぇぇ!?」


 酷いこと、僕はしないよぉ!?


「HRするぞー、席着けー……って、なんだお前たち、まだ落ち込んでたのか?」


 と、ここで先生が入って来ました。

 先生は入ってくるなり、今も落ち込んでいるみんなに、どこか呆れ混じりに、けど心配そうな声音でそう言いました。


「そりゃ落ち込みますよ……」

「くそっ、田中め……」

「佐々木さんが羨ましい……」

「ってか、先生が一番羨ましい……よりにもよって、おしゃべりコーナーとロリピュア組を当てるとか……」

「私も驚いたがな。まあ、幸いなことに配信があるんだ、それで我慢するしかないな」

『『『でも……でも! グッズが手に入らないじゃないですかッッ!』』』

「……それはまあ、うん」


 みんなの切実な叫びに、先生はどう返したらいいのかわからない、そんな反応をしました。

 グッズ……そう言えば今のところは現地でしかないもんね。

 でも、らいばーほーむってファンのみなさんを大事にするし、イベント以外でも入手できる機会を作りそうだけど……ネット販売とか、もしくは受注生産とか。


「ちなみにだが、お前たちが欲しいグッズってなんだ?」

『『『神薙みたまのグッズ』』』

「ふぇ!?」


 先生の問いかけに対して、みんなはなぜか僕のグッズを答えました。

 なんで!?


「だろうな」

「あ、あの、そんなに僕のグッズって欲しいの……?」

『『『死ぬほど欲しい』』』

「そ、そう、なんだ」


 どうしよう、すごく恥ずかしい……。

 そう言えば、前に栞お姉ちゃんと皐月お姉ちゃんの二人と一緒に秋葉原に行った時、二人は自分たちのグッズを見て恥ずかしそうにしてたっけ……。

 今なら二人の気持ちがよくわかる気がします……。


「まあ、ぶっちゃけると、全種類コンプしたい」

「わかる」

「らいばーほーむで嫌いな奴なんていないし」

「むしろ、嫌いになる以前の人たちだしな……」

「なんだかんだ、全員性格いいよね」

「え、シスコンとロリコン……」

『『『あの二人は善悪の基準で考えちゃだめ』』』


 ……二人の評価って。


「まあ、ネット販売をすることを祈るしかないな」

『『『畜生ッッ!』』』

「というわけで、HRだ。知っての通り、今日から12月。そして、12月13日~15日は期末試験だ。つまり、試験まで時間がそんなにあるわけじゃない。ここで赤点を取ると、もれなく冬休み返上の上、補習授業+追試となるので、気を抜かないように。というか、お前らの本文は勉強だ。今はイベントのことよりも、テストのことを考えた方がいい。あと、チケットが当たった田中と佐々木、朝霧は赤点を絶対取るなよ。行けなくなるからな」

「「「はーい」」」

「あと、桜木。お前はまあ、優等生だし、テストも上の下くらいをキープしているが、活動に集中しすぎて、勉強を疎かにしないようにな。さすがに、ある種の仕事である以上、例の二日間は免除になるかもしれないが、その分のしわ寄せが後に来るからな。油断して、赤点を取ることのないように」

「はい」


 たしかにイベントのことも大事だけど、僕の場合は他のみなさんとは違って高校生。

 もちろん、大学生の寧々お姉ちゃん、栞お姉ちゃん、冬夜お兄ちゃんの三人も大変かもしれないけど、テストはいつも以上に頑張らないと。


 もちろん、普段から予習復習はしているけど……最近はVTuberとしての活動もあったから、ちょっと増やさないとね。

 それに……イベントもあるから、レッスンなんかもあるし……。

 あぅぅ、やることが多いよぉ……。

 でも、楽しみに来てくれる人がたくさんいるんだし、頑張らないと、だよね。


「あとは……あー、冬休みの開始時期だな。冬休みは、12月21日からになる。それまでは学園もあるので、病気になることのないように。風邪とかインフルエンザも流行ってるからな。以上だ。今日も一日、しっかり頑張れよー」


 そう言って、先生は教室を出て行きました。

 それと同時に、クラスのみんなが動き出す。

 次の授業の準備だったり、お友達とおしゃべりしたり、やっぱりまだ落ち込んだり。

 僕は一時間目の準備をしてから、始まるまでの間は二人とお話をしていました。



 その日は特に大きな出来事があるわけでもなく、緩やかに一日が終わって次の日。

 今日は約束していた藍華お姉ちゃんとの配信の日。

 久しぶりの出張みたま家事サービスなので、実は気合が入ってます。

 だって、藍華お姉ちゃんのお家も汚部屋だって聞くもん。

 あとは、まだ一度も藍華お姉ちゃんと一対一でコラボをしていなかったから、それもあって。


「それじゃあ、僕は行って来るからね。二人も、気を付けて遊びに行くんだよ?」

「「はーいっ」」


 なんて、玄関でみまちゃんとみおちゃんの二人にそう言うと、二人は可愛らしい返事をしました。

 実は今日、二人はクラスのお友達と遊ぶ約束をしていたみたいで、今日は寂しそうにはしないで、楽しみな様子で僕を送り出してくれました。

 これでまたぐずっちゃったらどうしようか困ってたから、本当にありがたいです。

 一応、男の子と女の子で一緒になって遊ぶらしいけど。


 あ、心配だからーってお母さんも一緒に行ってくれるみたいで安心です。

 神様とはいえ、二人は子供だからね。

 やっぱり、保護者は必要なのです。

 こういう時、お母さんがいるととても助かります。

 やっぱり、子育てを経験しているからか、すごく慣れてるしね。


「じゃあ、お母さん。二人お願いね」

「任せて。たとえ槍が降ろうが隕石が落ちてこようが、二人は守るわ!」

「その時は二人を連れて逃げてほしいかなぁ……」


 神様って死ぬのかわからないけど……。

 ともあれ、藍華お姉ちゃんのお家へ向かう。

 藍華お姉ちゃんが住んでいる場所は、実は以前恋雪お姉ちゃんのお家があるマンションと同じみたい。

 というより、あのマンションってらいばーほーむが関係してるみたいで、二人以外にも住んでるとか。

 それに、お姉ちゃんも一室借りてるみたいだしね。

 普通に一般の人も住んではいるみたいだけどね。

 恋雪お姉ちゃんのお家はすごかったけど、藍華お姉ちゃんのお家はどうなのか……すごく戦々恐々としてます。


 電車に乗って、浜波市へ。

 そこから歩いて目的のマンションへ移動して、中にあるエレベーターに乗る。


 そう言えば、前に来た時はここで小夜お姉ちゃんと会ってるんだよね。

 今日はいないのかな?

 ……って、考えてみれば、小夜お姉ちゃんはイラストレーターさんだもんね。

 基本的にお家にいるはずだし、いないのかも。


 なんて思いながら、藍華お姉ちゃんのお部屋がある階へ到着。

 そこから事前にLINNで教えてもらっていたお部屋へ向かっていると、


「――!!!???」


 ふと、すごく綺麗なお姉さんとすれ違いました。

 そのお姉さんは、僕の顔を見るなり、なぜかびっくりしたような嬉しそうな、そんな不思議な表情に。

 どうしたんだろう?


 ……あれ? そう言えばこのお姉さん、体育祭の時にいた様な……?


「あの、大丈夫ですか?」

「……は!? あ、いえいえ、お気になさらず! 少々、予想だにしていないことが発生しただけですので!」

「そうですか? あの、もしも体調が悪かったら、すぐに休んだ方がいいですからね? あんまり無理すると、余計に酷くさせちゃいますから」


 にこっと微笑みながらそう言うと、お姉さんはバッ! と顔を背けた。

 あれれ?


「あの……?」

「い、いえ、これは、その……不意打ちの笑顔が私の琴線に触れてしまい、少々鼻血が出てしまっただけです」

「あの、大丈夫じゃないですよね? えっと……よかったら、ティッシュをどうぞ」

「いいのでしょうか!?」

「あ、はい。色々あって普段から常備してまして……よかったら」

「家宝に致します!」

「そこまで大袈裟にされると困っちゃいますよぉ!?」


 ドラッグストアで売ってるようなごくごく普通のポケットティッシュだよ!?

 そんなに価値があるわけじゃないよぉ!


「あっ、これは失礼致しました。家宝にする、ではなく、この瞬間から家宝でしたね」

「そう言う意味じゃないですよ!?」

「あっ、申し訳ありません。これから少々遠出をする用事があり、ここで失礼致します」

「え、あ、はい。えっと、お大事に?」

「ありがとうございます! それでは!」


 そう言って、お姉さんは去っていきました。

 なんだろう、すごく不思議な人だったなぁ。

 でも、鼻血は大丈夫なのかな?


「っと、それよりも藍華お姉ちゃんの所へ行かないと」


 不思議な出会いだったけど、僕は配信をするために藍華お姉ちゃんの所へ足早に向かいました。



「こんにちは、藍華お姉ちゃん!」

「ん、いらっしゃい。とりあえず上がって」


 インターホンを鳴らしてからすぐに玄関の扉が開いて、中に招き入れられました。

 藍華お姉ちゃんは意外なことにジャージ姿でした。

 藍華お姉ちゃんって綺麗系の美人さんだから、なんだか意外……。


「配信の準備はできてる。椎菜は、大丈夫?」

「もちろんだよっ! 今日は、たくさんお世話しちゃうからねっ!」

「んぐっ……今のセリフは通い妻みたいで反則……」

「どうしたの?」

「んっ、なんでもない。じゃあ、準備しよう。冷蔵庫はあっち。材料はそこに入れて」

「うんっ! それじゃあ入れちゃうねー」


 先に買ってきておいた材料を入れて、だぼっとしたパーカーを羽織って、その上からエプロンを着けて準備万端。


「じゃあ、配信しよっかっ!」

「了解。じゃあ、始める」


 今も流れるコメント欄を見ながら、僕と藍華お姉ちゃんは配信をスタートさせました。

 次回、久しぶりの配信且つ出張みたま家事サービス!

 最近は配信の話を書かなさすぎて、ちょっと忘れ気味だけどね! バレンタインの残した爪痕は深い……。

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― 新着の感想 ―
家事サービスが懐かしく感じる(笑)
あー、ここにもいるんか (いやでもまだそうとは決まってないけども いちおう、「神ぃ!ここにおるぞー!!」) ん?ということは?? というか配信自体ひさしぶりですねぇwww さぁいるかおねぇたまはどんな…
エンカウントしちゃったw
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