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ロリ巨乳美少女にTSしたら、Vtuberなお姉ちゃんにVtuber界に引きずり込まれました  作者: 九十九一
2023年 11月

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#111 保護者競技、やっぱバケモンなシスコン

 それから柊君と楽しく話している内に、お昼休みもあと少しというところに。

 みんなを起こしたんだけど、みまちゃんとみおちゃんだけはぐっすり眠っちゃってるみたいで、起きませんでした。


「二人は見ておくから安心してね」

「ありがとう、お母さん」

「いいのいいの、大事な可愛い可愛い孫だもの! ところで、愛菜は?」

「お姉ちゃん? お姉ちゃんならついさっき起きてどこかに行ったけど……あ、戻って来た」

「いやー、ただいまただいまー」


 ちょうどお姉ちゃんのお話をしていたところで、お姉ちゃんが戻ってきました。


「愛菜、どこへ行ってたんだい?」

「んー、なんかこの後の保護者が出場する種目に呼ばれちゃってねぇ~。なので、この後行って来る所存よ!」

「あ、そうなの? じゃあ、応援するね!」

「椎菜ちゃんの応援とか、それはもう勝つしかないのでは? いや勝利以外にありえぬぅ!」

「……愛菜さん、マジで勝ちそうなのがなぁ……」

「……仮にマラソンで周回遅れからスタートしても勝てそうな感じはあるよね」

「さ、さすがのお姉ちゃんでもない、と思う、よ?」


 いくらお姉ちゃんでも、周回遅れで勝つのは……どうだろう?


「え? 椎菜ちゃんに応援されれば、それくらい余裕ぞ? というか、椎菜ちゃんという世界一可愛い妹が応援してくれてるのならば、どんな場面でも勝利する、それがお姉ちゃんというものです」

「なんというか、すごい娘に育ったものね~。まあ、私は途中からだからあれだけど、あなたとしてはやっぱり感慨深い?」

「感慨深いというか……正直、どうしてこうなった、が正しい所ではある。まあ、毎日が楽しいなら、親としては何よりだよ」

「やったぜ。というわけで、私は折角なので参加してくるね! それに、久しぶりに会う先生も多いし!」

「そう言えば、愛菜さんって姫月学園が母校でしたっけ」

「そそ! 三年の担任の田崎先生には何度も助けられたものよ! あ、何か困ったことがあったら、田崎先生に相談するといいよ! あの人、その辺りは本当に助けてくれるからね! っと、それじゃ、私は行ってくるねー」

「頑張ってね、お姉ちゃん」

「おうよ!」


 にこっと笑って、お姉ちゃんは行っちゃいました

 応援しないとなぁ。



 というわけで、椎菜ちゃんのモノローグから変わって、私のモノローグ!


「快く引き受けてくれてありがとな、桜木姉」


 競技に参加する保護者が集まる場所へ移動する途中、私の人生で一番の恩師であり、尊敬する人は誰? と訊かれたら、間違いなく名前を即答する人物、田崎先生が私にお礼を言いながらこちらへ来た。


「いえいえ! 田崎先生の頼みなら、私はなんだってしますんで! あ、誰か消したい人とかいます? 秘密裏に消せますよ?」

「いるわけないだろう……というか、仮にいるって言ったらどうするんだ」

「え? まず、相手の生活パターンを把握して、ベストな消し方を模索。その後は実行のために入念な下準備をして、予行演習をして……それで、完璧になったところで処します」

「……ほんと、変わったな、お前は」

「いやぁ、照れますなぁ」

「褒めてないぞ? 今のに関しては褒めてないぞ? というか、桜木妹が関わったら本当にやりそうだから笑えないんだよ」

「椎菜ちゃんに危害を加えようとする時点でギルティです。処します。問答無用」


 椎菜ちゃんという世界一可愛い妹に危害を考える時点でクソだし、実行に移そうとしたら万死。故に処す。


「あの頃とは大違いだな……いや、ある意味こっちが本質なのか?」

「いやぁ、どうでしょうねぇ。私でも、あの頃の私はやべーなー、死ぬなー、とか思いますが、まあ、今はクッソ楽しいのでね!」


 いやぁ、今思い返してみても、あの頃は人生のどん底だったなぁ。

 しみじみ……。

 ま! 今はこうだけどねぇ!


「そうか。まあいいがな。……ところで、桜木姉」

「なんですかね?」

「あー……お前、その格好のまま走るのか?」

 先生はマジで? みたいな表情で私の姿を見ながらそう尋ねて来た。

「着替えないし」

「言えばジャージとか貸し出せるぞ?」

「いやいいですよー。どうせ、何着ても私が勝つからね!」


 ちなみに、今の私の格好。

 黒のブラウスに薄手のカーディガン、あとは白のロングスカートかな。

 うん、普通。

 正直、私はファッションにこだわりはない。

 というか、らいばーほーむ内でも皐月ちゃんと杏実ちゃんくらいじゃないかなー。他全員、適当って言うのもあれだけど、そこまでこだわってるわけじゃないし。


「お前って、そんなに運動が得意だったか?」

「何言ってるんですかー。三年生の途中から得意だったじゃないですかー」

「……あー、そういやそうか。お前、あの頃は中の下くらいだったのに、ある日を境にトップになったもんな……」

「頑張ったぜ」

「あの頃から別人過ぎないか?」

「努力って何でもできるんですよ、先生」

「努力で何でもできたら、お前のようなバケモンが量産されまくってるよ」

「はは! 言うじゃないですかー、先生!」

「そりゃな。配信も見てるぞ」

「え、見てくれてるの!?」


 なにそれすっごい嬉しい!

 椎菜ちゃんから推しって言われた時も嬉しかったけど、尊敬する先生が見てくれてるとかメッチャ嬉しいんだけどぉ!


「あれがお前だって知ったのは最近だがな。あと、普通に投げ銭もしてる」

「マジで!?」

「面白いしな」


 ふっと笑みを浮かべながらそう言ってくれる先生。

 本当にいい先生だぁ……。


「っと、あまり長話をするのもあれだな。そういう思い出話は、明日だな」

「だね! いやぁ、先生とお酒飲むの、実は夢だったんだー」

「ん、そうなのか?」

「そりゃもう! あ、どうせなら奢らせてくださいね! あの時のお礼も兼ねて!」


 まあ、あの頃してもらったことに比べると、たった一度奢るだけじゃ釣り合わないけどね!


「ははっ! なら、ありがたく奢られるとするかな。尚更楽しみになって来た」

「私もです! じゃ、私は向こう行きますね!」

「あぁ、頑張れよ」

「おうともさ!」


 よーし、お姉ちゃん頑張っちゃうぞー、っと。

 心の中で意気込みつつ、保護者の人が集まる場所へ行くと、そこにはいかにも運動が得意だぜ! みたいな人がそれなりにいた。


 んー、あの人、筋肉の付き方、体格からして、陸上経験者……いや、現役っぽい? あっちは何か格闘技をやってた感じかなー。

 そう言えば、姫月学園って地味に運動部が強いんだよねぇ。

 それに、プロの子供も普通に入学して来てるし……あー、そう言えば、オリンピックに出るような化け物がいたこともあったっけー。

 記憶が正しければ、その人の子供、今学園に通ってるっぽいけど。


 まあ、どうでもよし。

 私からすれば、椎菜ちゃんに応援してもらい、そして勝つことのみ。

 むしろ、他の有象無象などどうでもよかろうなのだ!

 フハハハハハ!


 ……っと、ついかませみたいな思考になってしまった。

 いけないいけない。


 しかし、今の私は椎菜ちゃん特製体育祭の日限定のお弁当を食したことで、気力は1000%よ! そして、椎菜ちゃんの応援があれば、私の性能は何倍にもなる。

 ふふふ、負ける気がしない!


 ……とはいえ、さすがの私も本職相手だったらちょっと厳しいかもなー。

 縮地で20メートルは一瞬で移動できるけど、あれ、結構疲れるし、負担も大きいし。というか、負担が大きすぎてあまり使わない技術なんだよね、あれ。

 まだまだ改善の余地があるし、一応20メートル以上の移動も可能だけど、それしたら私の下半身がとんでもないことになっちゃうからしないわけで。


 なので、私が出来る縮地は正確に言えば20メートルじゃなくて、最大射程が30~50メートル。

 けど、それをしたら私の足が死ぬから、現実的には20メートルが限界というだけ。

 柊君は最大5メートルが限界だけどねぇ。


 本音を言えば、いつでもどこでも椎菜ちゃんを守護るために、こう、瞬間移動とか、舞空術とか、そういうのを覚えたいんだけど……なさそうだし。

 やはり、異世界か? 異世界に行けば、最強になれるか!?

 ……なんて、まあ、さすがにないよねぇ。


 …………いやでも、椎菜ちゃんがすっごいファンタジーを引き寄せまくってるんだし、それに天使とか神様もいるんだし……異世界、ワンチャンある? なら、どうにかしてそっちへ行ってパワーアップすれば、不安はある程度解消できる気が……んー、ま、行く方法とかちょっと探そっかなー、面白そうだし。


『えー、それではお昼休みも明けましたので、午後の最初の種目と行きましょう!』


 おっと、今は目の前のことに集中しないとなー……って、ん? なんか、視線が随分私に来てる気が?

 まあいっか。

 椎菜ちゃん相手じゃなければ問題は無し。


『えー、午後最初の競技は、保護者及び来場者参加型の競技です。教師と戦う的な感じの競技です。ちなみに、出場する教師の方々は体育系の教師だったりします。あ、ブーイングはやめてくださいね? というか、それを見越して、こちらもあ、いいかなー、的な方々に声をかけてますからね! というわけで、早速ルール説明! 今回、保護者・来場者からは合計で12名ほどおります! 4グループに分かれてもらい、保護者・来場者が4名、教師側が2名の、合計3レースで戦ってもらいます! 競い方は、300メートルトラックを1周してもらうだけの、簡単な物ですね』


 あー、そう言えばそんなルールだったっけ。

 あの時の私は……あぁそうだ、椎菜ちゃんという最高の弟が出来て、守るべく鍛えてた時期だっけねぇ。

 で、その身体能力で大暴れしたっけ。

 その後、なんかやろうとしてきたバカもいたけど、まあ返り討ちにしたなー。

 というか、あの頃から私は無敵だったからね。

 うんうん、懐かしい。

 今頃、あのクズたちは何してるのかねぇ。

 そう言えば、先生が何か知ってそうだったけど。


『グループ分けはくじ引きで! ちなみに、1位になった方には、ちょっとした賞品がありますので、是非是非頑張ってくださいね!』


 賞品ねぇ……私としては、椎菜ちゃんの応援と椎菜ちゃんの労いの言葉さえあれば、十分だし、賞品はいいかなー。

 とはいえ、勝てると決まったわけじゃないけどねー。


「えー、それではくじ引きをしますので、こちらに集まってくださーい」


 おっと、私も引かねば引かねばーっと。



 それからくじ引きの結果、私は3番目、つまり最後のレースになった。

 んー、さっさと終わらせて、椎菜ちゃんの所へ戻りたかったけど、まあいっか。

 目の前では、意外といい勝負になっているレースが繰り広げられているけど、私としてはあまり興味があるわけじゃない。

 まあ、面白いからいいけどね!


 というか、今走ってる人、現役じゃないとはいえ、元陸上系の人っぽいなー。フォームとか綺麗だし。

 んー、私はいろんな武術の歩法を混ぜ合わせた独自の歩法とか走法をしてるけど、スポーツの走法とかも混ぜればもっといいものになりそう。

 今度、学んでみようかなー。

 速いに越したことはないし。


 結局、第一レースは僅差で先生が1位、第2レースでは、圧勝と言うべきか、体育科の先生が余裕の1位だった。

 そんなこんなで、最後のレース。

 私の出番である。


「お、桜木じゃないか」

「山田先生。まだこの学園に残ってたんですね?」

「おうよ! 随分と明るくなったな!」

「いやぁ、椎菜ちゃんのおかげですよー」

「そうかそうか! 例の弟……今は妹か! まあ、あの頃は大変だったからな。だがしかし、今日は負けるつもりはないぞ!」

「私は椎菜ちゃんの応援があれば十分なので!」

「なんだ、張り合いの無い。というか、その格好で走るのか?」

「お姉ちゃんというのは、いついかなる時でも、100%以上の走りができるようにするのです」

「それは姉関係なくないか?」

「いいんです!」


 なんて、隣にいる私が在学時代にも体育科の先生として在籍していた山田先生と軽口をたたき合う。

 ちなみに、この先生も普通にお世話になっていた人でもある。

 田崎先生には負けるけど、それでも恩師にはなるのかな。

 あ、どうでもいいことだけど、私の走る第3レースでは、明らかに本職の方々が多かった。

 というか偏ったね、これ。


 明らかにその道のプロだろ、って感じの人ばかりだし、全員戦意がギラギラ。

 負ける気はねぇぞ! と言わんばかりの不敵な笑み。


 というか、女性私だけじゃん。

 一応私以外にもいたんだけど、みんな第1、第2に行っちゃったからなー。

 だからだろうねぇ、なんかこう、同情する視線がやたら多い。

 うぅむ、複雑。


 とはいえ、私がやることに変わりはない。


 だって……


「お姉ちゃーーん! 頑張ってーーーー!!」


 椎菜ちゃんの応援があるのだから!


 マイエンジェルの応援でたぎらないお姉ちゃんなど存在しない!

 つまり、私は無敵という事!

 なので、私が勝ったあかつきには、椎菜ちゃんに膝枕してもらうんだい!

 だから……戦意に満ち満ちている参加者のみなさん。悪いけど、私が勝たせてもらうからねぇ!


「位置について、よーい……」


 パァン! と、スターターピストルが鳴ると同時に一斉に走り出した。


 尚、周りの人たちは普通にクラウチングスタートの態勢だったけど、私は前に出した右足に体重を少しかけただけの態勢だった。


 全員が普通に走り出す中、私はと言えば、


「ふっ――!」


 縮地でスタートダッシュを決めた。

 とは言っても、10メートル程度だけど。


『え、はやぁぁぁ!? なんか、一人とんでもない速度で走り出したんですけどぉ!? え、なに今のぉ!?』


 縮地の移動が終わると同時に、そのままの速度を維持して、グラウンドを駆ける。

 ロングスカートだろうが、ハイヒールだろうが、私には関係ない。

 まあ、今日履いてるのは、普通のパンプスだけど。

 運動向きじゃない靴だけど、そんなこと知らん!

 私は走る!


 私は少し姿勢を低くして走る。

 本来なら、ちゃんとした姿勢があるんだろうけど、私の場合は少しでも空気抵抗を減らすために、気が付けば姿勢を低くして走る癖が付いた。

 まあ、普通に走ろうと思えば走れるけど。


『ちょっ、本当に早すぎません!? というか、なんでロングスカート且つパンプスでそんなアホみたいな速度で走れてるんですか!? え、すげぇ!? なにそれすげぇ! なんか知らない内に、2位にかなり差を付けてるんですが!?』


 あれ、思った以上に速すぎたかな?

 んー、本職っぽいからまあ大丈夫だろ! くらいの気持ちで10メートルにしたけど、やりすぎたかな?


「お姉ちゃん、すごいっ! 頑張って!」

「椎菜ちゃん応援ありがとうっ! あ、あとで膝枕ね!」

「うんっ! いいよっ!」

「ヤッタァァァ! ならもっと速く走るぅぅぅぅ!」


 椎菜ちゃんがいる所をすれ違う際に、椎菜ちゃんに膝枕を頼んだらOKが出た! これはもう勝つしかねぇ!

 椎菜ちゃんの応援+膝枕に更にやる気を出した私は、更にギアを上げた。

 そうして、


『ゴーーーール! なんと、1位でゴールしたのは、若い大人の女性! というか、ロングスカートとパンプスなのに、アホみたいな速度でゴール! 半周近くの差をつけてゴールしております! 人じゃねぇ!』

「ちゃんと人だよー」


 とはいえ、1位は1位。

 これで椎菜ちゃんからのご褒美膝枕が得られるぅ!


「お前、化物過ぎないか?」

「あ、田崎先生。1位取ったぜ☆」

「ああ、うん。何も言わん。……というか、お前もういっそ、陸上選手なれよ」

「いやぁ、さすがにそれはちょっと。椎菜ちゃんと一緒にいる時間が減るし」

「だろうな。というかお前のグループ、普通にオリンピックに出たレベルの人いたんだがなー」

「え、そうなんですか? まあ、どうでもいいですね。椎菜ちゃんの方が大事」

「ほんとぶれねぇなぁ……。ああ、ちなみにその人、普通に今はコーチとかもやってるっぽいからこの後、スカウトされると思うが」

「え、絶対断る。じゃ、私は椎菜ちゃんの所へ行くので! グッバイ!」

「はいよ。……我が教え子ながら、随分と化け物になったなぁ……」


 よーし、椎菜ちゃんの膝枕だぁ!

 あ、ちなみにだけど、なんかやたらスカウトされたけど、私は全力で拒否りました。

 ものっすごい食い下がられたけど、全力で拒否りました。

 椎菜ちゃんと一緒にいる方が大事なのでねぇ!


 この後、私は椎菜ちゃんのご褒美膝枕をしてもらい、無事に昇天した。

 やったぜ☆

 これでもまだ本気じゃないシスコンです。

 シスコンの頭のおかしい走りで、会場内はそれはもう湧きましたが、椎菜の膝枕が大事過ぎて、キレかけた。多分、シスコンが本気出したら世界最速は余裕です。どこ目指してんの? あの邪神シスコン……。

 まあでも、シスコンの性能はいくら盛っても許されるからね! シスコンだからね!

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― 新着の感想 ―
本気でやったら身体がもたないから五割ぐらいに抑えてるよとか、今更生身の人間っぽさ出されても。 ついでに弟子は私の本気の半分の四分の一程度だしとか言われても、そっちも十分おかしいから
見事にシスコンしてるなあ
あの…瞬間移動とか舞空術ってどこぞの戦闘民族じゃないですか!(いや待てよ?…この姉ならワンチャンスーパーナントカ人みたいに髪の毛の色が変わって戦闘力が跳ね上がっても違和感がない…というか椎菜ちゃんが関…
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