#81 ほのぼの母娘、死を振りまく
いつもより短めです。
お洋服を買ったので、早速みまちゃんの着ている物を巫女服から買ったばかりの物にお着替えしています。
服装は、最初に着ていた狐さんのイラストがプリントされたTシャツに赤と白のチェック柄のスカートです。
すごく可愛い。
そんな僕たちと言えば、お洋服屋さんの次にやって来たのは、フードコート。
歩いている途中で、くぅ~、と可愛らしくお腹を鳴らしたみまちゃんが、
「おかーさん、おなかすいた……」
って言ってきたので、すぐにお昼ご飯にすることに。
お腹の音も可愛いのってすごいと思います。
というわけで、早速お昼ご飯をどこにしようかという段階で色々見みました。
一階のレストラン街も行ったんだけど、みまちゃんは、
「あっちのいっぱいおせきがあるところがいい」
って言ってきたので、フードコートに。
早速とばかりにフードコートにやって来ると、みまちゃんはいろんなお店がある様を見て目を輝かせていました。
レストラン街もあったとは思うんだけど、こっちの方がいいみたいです。
「みまちゃん、何が食べたい?」
「んぅ~、なにがあるの?」
「そうだねぇ……丼もの屋さんとか、中華料理に、ラーメンに、うどん、あとはタコ焼きとか、ハンバーグ屋さんとかかなぁ」
「んーと、んーと……おうどん!」
可愛らしくうんうんと唸った後、ぱっ! と微笑んで、おうどんがいいと言って来ました。
「ふふっ、じゃあ、おうどんにしよっか」
「うんっ!」
『『『ぐはっ!』』』
あれ? 突然周囲の人が倒れた様な……?
気のせいかな?
ともあれ、早く買わないとね!
「みまちゃん、何が食べたいかな? 色々あるよ?」
「おろしがいー!」
「おろし……あ、おろし醤油かな? うん、じゃあ僕もそれにしようかな」
「おかーさんといっしょ!」
「ふふっ、うん、一緒だね~」
僕と一緒が嬉しいのか、はしゃぐみまちゃんがとても微笑ましいです。
表情はまだまだ乏しいかもしれないけど、こういう時はすごく可愛らしい笑顔を浮かべるのでとても可愛い。
『『『んぐふぅっ!』』』
「えーっと、おろし醬油の冷たいのを並で二つお願いします」
お盆を二つ置いて少し進んでから注文。
「かしこまりました!」
久しぶりだなぁ、このうどん屋さん。
天麩羅もあるし、なににしようかなぁ。
そんなことを考えている内に、注文していたおろし醤油うどんが二つ来ました。
僕とみまちゃんそれぞれのお盆に乗せて、更に前へ。
「みまちゃんも天麩羅食べる?」
と、その前に天麩羅を聞かないと。
「おいしー?」
「うん、すごく美味しいよ~」
「たべるー!」
「うんうん、もちろんいいよ~。じゃあ、なにがいいかな? いっぱいあるよ? かき揚げ、エビ、イカ、かしわ天に、ちくわ、レンコン、さつまいも、かぼちゃ。なにがいいかな? 好きなだけいいからね?」
「んーと、んーと……かきあげと、エビ!」
「お稲荷さんもあるけど、食べる?」
「たべるーっ!」
「はーい。じゃあ、お稲荷さんだね~。僕は……イカとレンコン、それからお稲荷さんかな。うん、これでおっけー。お会計お願いします」
「2,030円になります」
「あ、ちょうどです」
「2,030円ちょうど、お預かりいたします。レシートのお返しです! ありがとうございます!」
「じゃあ、行こっか。あ、みまちゃんは重いよね。任せて」
みまちゃんはまだまだ小さいし、ちょっと重いかもと思った僕は、右手にみまちゃんのお盆を持って、左手で僕のお盆を持って移動。
アルバイトをしていた時、こういうことはよくやってたので慣れてます!
それに、今の体になってから力持ちになったからね! これくらいは余裕なのです!
「だ、大丈夫ですか?」
「はい、大丈夫ですよ。ご心配、ありがとうございます!」
「はうぁっ!」
「行こ、みまちゃん」
「うんっ」
両手にお盆を持って移動。
どこかいい席がないかな~、なんて思っていると、丁度いい場所を見つけたのでそこに着席。
テーブルに乗せると、ちょこんとみまちゃんが僕のすぐ横の椅子に座りました。
「みまちゃん、向こう側じゃなくていいの?」
「おかーさん、となりがいーの」
「そっか。じゃあ、隣で食べようね」
「うんっ」
『『『ごはぁっ!』』』
うーん、今日はよく人が倒れる日だなぁ……風邪が流行ってるのかな? 気を付けないと……!
「じゃあ、食べよっか」
「「いただきます!」」
二人でそう言ってから早速うどんを一口。
「ちゅるちゅる……んむんむ……んっ、久しぶりに食べたけど、やっぱり美味しい。みまちゃん、どう?」
「ちゅる~……おいひぃ……」
うどんを小さなお口で一生懸命食べる姿は、すごく癒されます……あと、笑顔がいいです。
「それはよかったよ。あ、天麩羅も食べようね。揚げたてだったみたいだから、美味しいよ? でも、熱いからふーふーしてから食べるんだよ?」
「うん! ふー、ふー……はむっ! ……おいしぃ」
かき揚げをふーふー冷ましてから一口齧ると、みまちゃんはすごくほっこりするような可愛らしい笑顔を浮かべました。
子供が美味しそうにご飯を食べる姿はやっぱりいいよね。
「ふふっ、よかったね~」
「うんっ!」
『『『おぐはぁっ!!!』』』
あ、レンコン美味しい。
……そう言えば最近お家で天麩羅作ってなかったなぁ。
久しぶりに作ろうかなぁ。
さすがに今日じゃないけど……土日でやろうかな?
うん、そうしよう。
今後はお母さんが家事をするみたいだけど、僕もお料理したいし、みまちゃんにも美味しい物をいっぱい食べてほしいからね。
そうして、うどんと天麩羅を食べ終えてお互いに残ったのはお稲荷さん。
この数日でわかったことと言えば、みまちゃんは好きな食べ物は最後に食べることかな。
その辺りは僕と一緒みたいで、しかも、みまちゃんと僕の好きな食べ物って同じなんだよね。
なので、みまちゃんはえんがわとネギ丼、それからお稲荷さんが大好きみたいです。
そう言うところを見ると、僕の娘なんだなぁ、なんて思っちゃいます。
血のつながり自体はないけど、僕の娘というすごくこの、不思議な状況ではあるけど……そもそも、神様と人間が親子であること自体が相当珍しいらしいね。
というより、みまちゃんがすごくイレギュラーだとか。
まあでも、可愛いので全然OKです。
可愛いので。可愛いので!
「はむっはむっ……おかーさん、おいしーね?」
「そうだね~。みまちゃん、好き? お稲荷さん」
「だいすきー!」
「そっか、おかーさんも大好きだよ~」
「じゃー、みまとおいなりさん、どっちがすき?」
「それはみまちゃんだよ」
さすがに食べ物とは比べられないです。
みまちゃんの方が大事……!
「えへへぇ、みまも、おかーさんがだいすきっ!」
「ふふっ、ありがとう、みまちゃん」
「えへぇ」
そう言いながら、僕はみまちゃんの頭を撫でると、みまちゃんは嬉しそうに目を細めました。
『『『尊死ごぶぁっ!』』』
こういう小動物っぽいのって、やっぱり神薙みたまがお狐様って言う設定があるからかな?
それにみまちゃん、狐さんの姿になれるみたいだし……って、そう言えば、みまちゃんってどっちの姿が本当の姿なんだろう?
「はむ、はむっ……ごちそーさまでした」
「僕もごちそうさま。って、みまちゃん、どうしたの? まだ足りない?」
「んぅ~、もうちょっとだけたべたい」
「そっか。んー、そうだなぁ……あ、じゃあ、タコ焼き食べよっか?」
「たべるー!」
「うんうん、じゃあ買ってこないとね。ここで一人で待ってられる?」
「だいじょーぶ」
「じゃあ、ちょっと待っててね。すぐ買って来るからね!」
「うんっ!」
と、僕は先にうどん屋さんの方にお盆と丼などを返却してからタコ焼き屋さんへ。
やっぱりシンプルな物がいいので、シンプルなタコ焼きを一つだけ買って席に戻ると、みまちゃんはちょこんっと座って鼻歌を歌いながら待っていました。
可愛い。
「はい、買ってきたよ~」
「わぁい」
「あ、熱いからふーふーしないと……ちょっと待ってね~。ふー、ふー……んー、まだ熱いかな……もうちょっと、ふー、ふー…………ん、これくらい。はい、みまちゃん、あーん」
「あむっ! んんっ、ん~~~~っ! おいしーっ!」
『『『げふぁっ!』』』
タコ焼きを一つ食べると、みまちゃんはすごく嬉しそうに動いたかと思えば、ぱぁっ! と笑顔を咲かせました。
みまちゃんの反応がすごくいいなぁ。
「じゃあ、もっと食べる?」
「うんっ! おかーさんもいっしょに、たべよ?」
「もちろん」
「じゃー……ふーっ、ふーっ……あーん!」
「あはは、じゃあ……あむっ。ん、熱いけど美味しいね~」
「おかーさん、みまも、たべたい」
「ふふ、大丈夫だよ~。ふー、ふー……はい、あーん」
「はむっ! おいひぃ……」
『『『ぶるっはぁっ!』』』
なんて、お互いにあーんをしながら食べるなんてことをしていると、みまちゃんも満足したようで、お腹いっぱいになっていました。
「おいしかったー」
「よかったね。それじゃあ、そろそろ行こっか。次はどこに行きたい?」
「んっとねー……げーむっ!」
「ゲームセンターだね。うん、いいよ~。じゃあ、行こっか」
「わぁい」
次に行く場所を決めてから、僕はゴミを片してから荷物を持ってみまちゃんと一緒にゲームセンターの方に向かいました。
それにしても、今日は疲れてる人が多いのかな? フードコートで倒れちゃってる人がいっぱいいたなぁ……。
なんか、フードコートが店も席も、かなりの箇所で大量の血痕が見つかったらしいっすよ?
この母娘は自分たちの破壊力が凄まじいってことを理解してほしいよね!
あと、お互いにあーんをしあう母娘ってよくない? 可愛すぎじゃない? 尊くない?




