95.王国一の冒険者
第6章完結まで連続投稿します!
追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!
ルミネスゲートVSブレイブハート――激闘の末、ついに大将同士の戦いが始まる。
ブルガンリルム王国最強の冒険者、レオン・スティーブ。
その鋭い瞳は、剣を握る者すべてを威圧するかのように光を宿している。
そして、ルミネスゲートの期待の新人、飛び級で一気にA級冒険者となり、わずか数か月でA+2(エープラスツー)のランクにまで登り詰めたウェル・ベルク。
その正体は、かつて無能と蔑まれた異世界転生者のおっさん。
転生からわずか三年で、こんな光景を目にすることになるとは、想像もしていなかった。
王国一の冒険者と、同じリングで剣を交える――それだけでも胸が高鳴る。
しかし――
「勝つ!!!!!!!!」
勝利以外、考える余地はない。
観客の歓声とともに、レオンと俺は会場の中央に立つ。
言葉は交わさずとも、互いに全力を尽くすことを確認し合う。
目と目が合うだけで、その思いが伝わる。
「始め!!!!!!!!」
合図と同時に、俺たちは一気に間合いを詰め、剣をぶつけ合った。
ズガガガガガガガガガ!!!!!!!!
激烈な剣戟の音がリング全体に響く。
観客席からは割れんばかりの歓声と興奮の声が湧き上がる。
レオンさんに比べて身長の低い俺は、二刀流で身軽に動き、小さな隙を突く。しかし、レオンさんはすべてを受け流し、反撃に転じる。
お互い、一瞬たりとも引かない――まさに火花を散らす戦いだ。
「……ウォーミングアップはこのくらいでいいかな?」
「はい、探り合いはもう十分です」
その瞬間、観客席から悲鳴にも似た驚嘆の声が上がる。
「ええええええええええええ!?!?!?!?」
先ほどまでの戦いは、まだ遊びに過ぎなかったのだ。
この本番の剣戟に、会場全員が目を丸くした。
「なんということだーーー!!! 今の攻防がウォーミングアップだとーーーー!? スゴすぎるぞ! この二人!!!」
実況者のロムも興奮を隠せず、声を震わせる。
その間に俺は剣を一本納め、次の攻撃の準備を整えた。
「氷属性を使うなら炎属性で攻めてやる。ラーニング3つ同時発動!!!
【ファイヤブレス】【剛剣】【獣豪腕】合成!【火炎獣剛剣】!!!!」
炎と剣、魔力と剛力を組み合わせた必殺技――【火炎獣剛剣】。
グリーンドラゴンのファイヤブレス、ギルドマスターゲルドの剛剣、オークロードの怪力を融合させた一撃は、文字通り火柱となり天井へと登る。
「なんという巨大な火柱!!
ウェルは魔法剣士なのか!?」
ロムが目を見開く。
魔法を行使しつつ剣術を扱うのは、魔法剣士の戦法だ。
ズドーン!!!!!!!!
火柱はレオンさんに直撃した。
「おーーーーっと!!!! 巨大な火柱がレオンに直撃してしまった!! 大丈夫なのか!?!?」
氷属性の剣士であるレオンさんにとって、炎は明らかに弱点。
しかし――
ピキピキ
レオンさんは片手で炎を掴み、そのまま凍らせた。
「素手で炎を凍らせたーーー!!! しかも無傷のようです!!!」
レオンさんはメガネをクイッと上げ、冷静に説明する。
「氷には炎。確かに弱点をつくのは定番の戦略だ。だが私の魔力がはるか上ならば通用しない」
魔法には10種類の属性があり、氷には炎、水には雷――それぞれ弱点が存在する。
しかし、魔力の差があれば、弱点も通用しないのだ。
つまり、俺の魔力はレオンさんには遠く及ばない。
「くっ!! それなら!! 【魔導気】制限時間10秒!!」
俺は身体能力を大幅に強化する魔法――【魔導気】を展開し、レオンさんへ斬りかかる。
「ラーニング発動! 二刀流【迅剣】!!」
二刀を駆使し、素早い剣撃を連打する。
ウォーミングアップ時とは比べ物にならない速度と手数。
「は!!!」
ズガガガガ!!!!
それでもレオンさんは一本の剣で、ギリギリのタイミングで対応する。
10秒が経過すると――
「…な…魔導気について来れるなんて…」
俺の魔導気は、S級冒険者を凌駕する力をもつ。
しかし、レオンさんは一度見ただけでその強化の全貌を見切ったのだ。
ピキーン
俺の二刀は、氷で覆われて凍りついていた。
「え!?!?」
全く気づかぬうちに、レオンさんに術中にはめられていたのだ。
「氷剣【グロスブレイド】。冷気を纏った氷の剣で斬る魔法剣だ。この状態で打ち合えば、剣は凍りつき砕け散る」
パチン
バリーーン!
指先一つで、二刀は粉々に砕かれた。
「まだやるかい?」
圧倒的な実力差――いや、差は戦略と経験の差だ。
俺はA級冒険者になったばかりの新人。
対するレオンさんは、G級冒険者時代から剣を握り続け、S級冒険者まで駆け上がった天才だ。
「……まだ…奥の手があります!!!」
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