90.予測不可能!? 波乱の戦い!
第6章完結まで連続投稿します!
追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!
【ルミネスゲート】と【ゴッドウッド】の第一試合が、ついに決着を迎えた。
エルフ族のA級冒険者アイグノール。
そして、心を入れ替えて強くなったA級冒険者ビリー。
両者のぶつかり合いは凄まじく、戦場の中央に、二人は同時に倒れた。
──つまり、結果は引き分け。
しかし【ゴッドウッド】側にはもう戦える冒険者がいない。【ルミネスゲート】の勝利となった。
「うぉぉぉぉおおおおお!!!」
会場が割れんばかりの歓声に包まれる。
勝利の興奮、そしてビリーの奮闘に、観客たちは拳を突き上げた。
「はぁ…負けてしまったか…」
床に座り込んだアイグノールが、深く息を吐いた。
肩は落ちているが、その瞳には悔しさよりも、むしろ喜びが宿っている。
「あいつら…冒険者らしくなって…。初めて会った時はただのチンピラだったのに」
頬を緩めながら、敗者の誇りを滲ませる。
「よし! 明日からまたトレーニングをきつくしよう!」
「もちろんです!」
仲間のエルフたちは一斉に拳を突き上げた。
悔しさを力に変え、再戦を誓う。清らかで誠実な戦士たちだ。
「まさかの去年2位のギルドが脱落!! ルミネスゲートの圧勝!! 今年はどうなるかわからないぞ!!!」
実況のロムの声が、魔道スピーカーを通じて会場全体に響き渡る。
俺は「さすがプロ」と呟きながら頷いた。
──そして、第二試合が始まる。
鉄壁のギルド【アイアンタートル】。
対するは、犬族だけで構成された誇り高きギルド【バスターウルフ】。
砂煙を上げながら両陣営が入場する。重厚な鎧と、獣のような咆哮。観客席の空気が再び張りつめた。
攻撃とスピードで押す【バスターウルフ】。
鉄壁の防御で受け止める【アイアンタートル】。
ぶつかる剣と牙の音が、金属の雨のように響く。互角の戦いの末、主将同士の一騎打ちへと発展した。
【バスターウルフ】の主将、A級冒険者ルゥ・ブルク。
獣化し、風を裂く速さで突進する。
対する【アイアンタートル】の主将、A+2のシルト・クレーテ。
彼の固有魔法【ゲーゲンアングリフ】が発動する。
半透明な結界が瞬時に張り巡らされ、ルゥの拳を受け止めるたび、倍の衝撃を跳ね返した。
まるで攻撃そのものが裏返るように。
次第にルゥの身体は傷だらけになり、やがて地面に崩れ落ちた。
「勝利したのは!!!アイアンタートル!!!!」
ロムの実況が轟き、観客席が大きく揺れた。
試合の行方を見届けた観客たちは、息を呑みながらその強さを讃える。
「誰がノロマの亀だとーー!?!?!?」
「いや、言ってねぇよ!」
シルトの空耳に、仲間が即座にツッコミを入れる。場内は笑いに包まれた。
「あー見えても実力は本物だよ」
ブルガンリルム王国最大規模のギルド【ブレイブハート】、S級冒険者・氷剣の貴公子レオン・スティーブが静かに言った。
「彼とは戦ったことがあるけど、ギリギリでなんとか勝った。間違いなくS級の実力はある」
隣には、二刀流の魔法剣士キーファ・コッカーが立っていた。
「え?じゃあなんでS級冒険者になれてないんすか?」
「彼の魔法の特性さ。固有魔法【ゲーゲンアングリフ】は強力だが、攻撃されなければ反撃できない。Sランクの魔物は本能的に【攻撃すると危険】と察する。だから倒しきれないんだ」
なんて切ない理由だ。と思うキーファ。
「さぁ、雑談は終わりだ。キーファ、テリーサ、準備して」
レオンが声をかけ、四人が立ち上がる。
次の戦い──【ブレイブハート】と、むさ苦しい野生の男たちのギルド【ワイルドダディー】が始まる。
試合開始と同時に、戦況は一方的だった。
先鋒の女性武道家テリーサ・ワイラーが、軽やかな動きで敵を圧倒。拳が閃き、男たちは次々と沈んでいく。
「勝利掴んだのは!!! ブルガンリルム王国最大規模のギルド【ブレイブハート】!! 圧倒的強さで見事完勝だ!!」
「いやーむさくるしかったな!」
余裕の笑みを浮かべながら、テリーサが戻ってくる。
その姿を見ていたビリーとテンテンは、静かに頷いた。
「…さすがだ」
「…強いアルな」
彼らもまた、その力を素直に認める。
そして次の戦い。
褐色美女だけで構成された美しきギルド【ブラックアマゾネス】。
対するは、全身黒フードに身を包んだ謎多き黒魔導士集団【アトモスロード】。
近接戦闘を得意とするアマゾネスたちが有利と思われた。
だが──
「く…こんなはずでは…」
【ブラックアマゾネス】の主将が【アトモスロード】の先鋒の前に倒れた。
「これは大番狂わせ!! ブラックアマゾネス、全員まったく歯が立たない!!! 【アトモスロード】に為す術もなく倒れていく!!!」
その異様な試合展開に、観客たちがどよめく。
ブレイブハート同様、【アトモスロード】も先鋒だけで全勝。しかも、一歩も動かずに。
「いったいあれは何したアルか?」
テンテンが首を傾げる。
「何かの固有魔法かもしれませんわね」
リーズが鋭く分析した。
「さぁ、第四試合が終わり次の戦いが決まったぞ!」
ロムの声が響く。
【ルミネスゲート】VS【ブレイブハート】
【アイアンタートル】VS【アトモスロード】
「今年も【ブレイブハート】の優勝かと思いきや、【ルミネスゲート】も【アトモスロード】もダークホース!!誰が勝つかわからない戦いを見逃すな!!!」
俺たちの次の相手は【ブレイブハート】。
S級冒険者を相手に、勝つすべはあるのか──。
「俺たちだって優勝狙ってるの忘れんな!!!…って誰がウスノロの亀だとーー!?!?!?」
「いや、言ってねぇよ!」
再びシルトの空耳が響き、場内は爆笑に包まれた。
激戦の熱気が残るまま、次なる戦いの幕が、ゆっくりと上がろうとしていた──。
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