76.魔物の換金の結果は凄かった
第5章完結まで連続投稿します!
追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!
朝にひと騒動あったが、ウェル、エリス、テンテン、リーズの4人は、冒険者ギルド【ブレイブハート】に昨日討伐した魔物の報酬を受け取るために訪れていた。
朝霧の残る石畳を踏みしめながら、街の中央にそびえるギルドの重厚な扉へと近づく。
ちなみにエリスとリーズの治療クエストの報酬は、すでに受け取っていた。
ギィィッ……。
軋む音とともにギルドの扉が開く。そして朝から活気に満ちた冒険者たちの笑い声が響いてくる。
「やぁ、待ってたよウェルくん」
最初に顔を合わせたのは、柔らかな笑みを浮かべるレオンさんだった。
「レオンさん! 換金は終わりましたか?」
「あぁ、終わったよ。いくらかは今から発表する。ウェルくんが来るまで、まだ発表しないでくれって私が頼んでおいたんだ」
さすがレオンさん、できる男は違う。
「そちらの方々もウェルくんのパーティーかな?」
テンちゃんは顔見知りだが、エリスお嬢様とリーズは初対面だ。
「初めまして! わたくしは聖女【リーズ・アクィルス】と申しますわ。以後お見知り置きを」
「妾はヒーラーの【エリス】じゃ。よろしくなのじゃ」
「よろしく、リーズさん、エリスさん」
レオンさんは深々と頭を下げ、丁寧にあいさつを返す。
「さぁ、ウェルくんたちが来たから、今回の魔物討伐の換金結果を発表してくれ!」
レオンさんの声がギルド全体に響くと、空気が一気に張り詰めた。
「うおおおおおおおおおおおお!!!!!」
待ち構えていた冒険者たちが、興奮したように歓声を上げる。木造の梁が揺れそうなほどの熱気だ。
「では、僭越ながらギルドマスターである私が発表しよう」
威厳に満ちた男が姿を現す。
ブレイブハートのギルドマスター――【デューイ・スターク】が全体を見渡せる場所から現れた。
「コホン。今回の魔物騒動。みな、ごくろうであった!」
低く響く声に、ギルド中が静まる。
「換金結果……報酬は……」
冒険者たちが息を呑み、沈黙が降りた。
ゴクッ――。
「白金貨320枚、金貨5枚、銀貨4枚、銅貨9枚だ!!!」
「うおおおおおおおおおおおお!!!!!」
怒涛のような歓声が再び湧き上がる。テーブルを叩く音、杯を掲げる音、口笛が鳴り響いた。
危険度Sランクの魔物討伐は、白金貨100枚が相場。
今回、ジェネラルベヒーモスを3体も討伐したため白金貨300枚。
さらに危険度G~A+1ランクの魔物討伐報酬として、白金貨20枚、金貨5枚、銀貨4枚、銅貨9枚が加算されている。
この世界の通貨と日本円の価値は――
銅貨:100円
銀貨:1千円
金貨:1万円
白金貨:10万円
合計にして、3205万4900円。とんでもない額だ。
ブレイブハートの冒険者は100人近く参加していた。
通常の山分けなら、一人あたり30万円程度――それでも十分な報酬だが、今回は違った。
「山分け……と言いたいところだが」
レオンさんが一歩前へ出て、ギルド全体を見渡す。
「ウェルくんは、ほぼ単身でジェネラルベヒーモスを討伐している。テンテンさんも危険度Aランクの魔物を多数撃破し、討伐に大きく貢献した。よって、白金貨105枚をウェルくんとテンテンさんに与えたいと思う」
「ええええええええええええええええええええええええ!?」
俺は耳を疑った。あまりにも多すぎる。
「い、いや! それは悪いですよ! だってレオンさんがジェネラルベヒーモスにトドメを刺したし、あれがなければ危なかったですし…!」
「私が手を貸さなくても、あの状態からいくらでも対処できた。違うかい、ウェルくん?」
――バレていた。
確かにラーニングの力を使えば、対処する方法はいくつもあった。
「で、でも……」
「ウェル! ありがたくもらうアル! お金は取れる時に取っておくアル!!」
テンちゃんの瞳は、すでに金貨マークになっていた。
「そ、それじゃぁ……お、お言葉に甘えて……」
俺はおそるおそるアイテムボックスを開き、白金貨105枚を収納する。
「妾たちの金貨20枚がかすむ大活躍じゃな。主として誇らしいのじゃ!」
「わたくしたちが寝ている間に大変でしたわね」
エリスお嬢様は誇らしげに胸を張り、リーズは穏やかに微笑む。
まるで太陽と月のように、対照的な二人。
「さて、帰ろう! 俺の魔法を使えば一瞬だ! みんな手を繋いで!」
エリスお嬢様とテンちゃんが手を取り合う。
俺はリーズの手を取ろうと伸ばした――が、
バシッ!
なぜか手を弾かれた。
「いけませんわ! ウェル!」
え? どうしたの?
手を繋ぐことぐらいで拒否られたら、おっさん傷ついちゃうよ?
「殿方と手を繋いだら、子供ができてしまいますわ!!」
「いや、できないからね!?!?!?!?!?」
再び勃発するリーズの純真すぎる誤解。
今朝のやり取りが再び!
俺はなんとか説得して、指先をそっと差し出した。
「じゃあ、行くよ! 空間魔法【エクストラテレポート】!」
空気が震え、魔法陣の光が足元に広がる。
ギルドの喧騒が遠ざかり、眩い光に包まれた瞬間――
次に目を開けた時、俺たちは静かな風の吹く【ルミネスゲート】の街に立っていた。
青空の下、4人の影がゆっくりと揺れている。
「面白かった!」
「続きが気になる、読みたい!」
と思ったら
下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。
面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!
ブックマークもいただけると本当にうれしいです。
何卒よろしくお願いいたします。




