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73.冒険者武道会【ギルドバトル】

第5章完結まで連続投稿します!

追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!

 今回の魔物騒動は、レオン曰く――首謀者は楽園の使徒【ラプラス】だという。


 ウェルはこれまで何度も交戦してきた。だが、組織の実態はいまだ霧の中。所在も目的もつかめない、まるで幻想のような過激宗教団体だ。


 ――ヒュドラ戦のときに対峙したラプラスの一人。【アザトース】が語った言葉だ。


 【ラプラスの目的は現実からの解放。人々を夢へと誘う(いざなう)ことだ】と。


 それは、耳にした瞬間には理解できない狂気だった。だがアザトースは笑いながら続けた。

 【そのためには多くの魂が必要なのだ。ゆえに、我らは人を殺す】と。


 ラプラスはその行為を【魂の救済】と呼び、死を終わりではなく【楽園への渡航】だと信じている。


 ――救済の名を借りた大量殺戮。



「そういえば、【ルミネスゲート】のギルドマスター・ゲルドが言っておったのう。ウェルくんがラプラスと戦ったと。あとで話をしてみよう」


 ヴィヴィアンが、思案げに呟いた。


「ウェルくんがラプラスと……。なるほど、私も同席させてください」


 氷剣の貴公子【レオン・スティーブ】が静かに頷く。


「ふぉっふぉっふぉ! もちろんじゃ! 【ブレイブハート】のギルドマスターにも声をかけておくぞ! 他のギルドマスターたちもな!」


 重々しい笑い声が部屋に響いた。

 ブルガンリルム王国の全ギルドマスターが一堂に会し、ラプラスに関する会議を開くことになったのだ。


 そして、その日程は――近々。



「ラプラスの会議は、冒険者武道会【ギルドバトル】が終わってからにしようかのう」


 ヴィヴィアンがそう提案すると、レオンはうなずいた。


 冒険者武道会【ギルドバトル】。

 それは王国各地の冒険者ギルドから強者たちが集い、己の腕を競う大規模な合同演習だ。


 優勝したギルドには名誉と報酬が与えられ、冒険者個人にも知名度が爆発的に広がる。指名依頼が殺到し、一気に名を上げる者も少なくない。


 ゆえに、どのギルドもやる気満々で参加するのだ。


「ふぉっふぉっふぉ! 今年は特に楽しみじゃのう!」


 ヴィヴィアンは年齢を忘れたかのように目を輝かせた。

 今年はとくに、凄腕の冒険者たちが名を連ねているという。



 そして――。



 ウェルとテンテンは【エクストラテレポート】の光に包まれ、王城の中庭に姿を現した。

 石畳の上には夕陽が伸び、風が白い旗を揺らしている。


「先にエリスお嬢様たちが心配だから、様子を見に行こう」


 ウェルの声には、どこか安堵が混じっていた。

 戦いのあと、優しそうな女性兵士に二人を預けたのだが、どうしても気になっていた。


「わかっているアル!」


 テンテンが小さく頷く。


 二人は兵士に尋ね、エリスとリーズの部屋へ案内された。


 ガチャリ、と扉を開けると、薄いカーテン越しに柔らかな光が差し込んでいた。


「こちらに、エリス……小族の少女と聖女が寝ていると聞いてきましたが、いらっしゃいますか?」


「はい、こちらでお休みですよ」


 案内された先――そこには、白いシーツの上で寄り添うように眠る二人の姿があった。


「ぐっすりアルな!」


 テンテンの声が少し弾む。

 安らかな寝顔に、ウェルも思わず微笑んだ。


「なんだかアタシも疲れたアル……ちょっと寝るアル」


「そうだな……俺も寝たいけど……。まずは換金して【ブレイブハート】に行かなきゃな」


 ウェルは大きく息をつく。

 全ギルドの換金を任されている以上、休んでいる暇はない。


「わかったアル……じゃあよろしくアル……」


 テンテンはそのまま床にごろんと転がり、すぐに寝息を立てた。


「さて、行きますか」


 ウェルは、兵士に声をかけて案内を頼んだ。



 案内された先にあったのは――巨大な建物だった。


「ここが冒険者ギルド【ブレイブハート】だ」


 白い石造りの壁、金色の紋章、行き交う冒険者の喧騒。

 ウェルは思わず見上げた。


「これが……ブルガンリルム王国最大規模のギルドかぁ」


 その規模は、ルミネスゲートの倍はある。


「じゃあ、俺はここまでだ! 仕事に戻る!」


 案内してくれた兵士が笑顔で敬礼する。


「こちらこそ案内してくれてありがとうございます!」


「礼を言うのはこっちだぜ! 俺のダチを助けてくれたんだ、ありがとな!」


 そう言って兵士は背を向け、走り去っていった。夕陽が彼の鎧を赤く照らし、どこか温かかった。


「……正確には、助けたのはエリスお嬢様たちなんだけどね」


 苦笑いを浮かべつつ、ウェルはギルドの扉を押し開けた。




 中は意外にも静かだった。広いロビーには冒険者が三人と、受付嬢が一人。


「すみませーん! レオンさんたちはまだ帰ってきていませんか?」


 声をかけた相手は、長い金髪を揺らす美しいエルフの受付嬢。

 その微笑みと同時に、ふんわりと甘い香りが漂った。


「ボク、見かけない顔ね? レオンさんたちは魔物の討伐に出かけているわよ?」


 やはりまだ戻っていないようだ。

 ウェルは【エクストラテレポート】で先に帰還したため、少し待たねばならない。


「その魔物討伐、もう完了しました! レオンさんたちはもうすぐ帰ってきます!」


「あら、そうなの? あなた、レオンさんの遣いかしら? ボクはレオンさんとどういう繋がりなのかな?」


 疑われるのも無理はない。


「レオンさんたちと一緒に戦っていました。魔物の死体を換金しようと思って、先に戻ったんです!」


「?? 本当なの?」


 細い眉が上がる。少年の姿をしたウェルが、S級魔物と戦ったと言われても信じられないのだろう。


「証拠に、今から魔物の死体を出します! 【アイテムボックス】!」


 ――ズドォォォォンッ!!!


 轟音とともに、床がわずかに揺れた。

 現れたのは、巨大な影。角を持つ巨獣の亡骸が、三体。


「ええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!?!?!?!?」


 受付嬢の悲鳴と、近くの冒険者たちのどよめきが同時に響く。


 その光景はまさに――静寂を切り裂く衝撃だった。



「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


と思ったら


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