632.闇のウェル VS ショタワンコ(2)
追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!
「……っ!!」
俺は後方に弾かれ、そのまま地面を転がった。
(さすが深淵の闇魔法だ。魔導気じゃ相手にならない。それなら!)
「深淵の闇魔法!!」
ゴオオオオオ!!
「…まぁそうくるよな」
俺は黒いオーラをまとい、闇のウェルと同じ姿となった。
「《アイテムボックス》!」
俺はアイテムボックスで空間を開き、《魔導霊気刀》を取り出した。
心象世界でも使えるんだな。レナは呼び出せないみたいだけど。
「行くぞ! 深淵の戦法《闇夜の一閃》」
黒い斬光が走り、夜空を裂くように一直線に放たれた。
地面が割れ、闇の奔流が前進する。
ドゴォォォォン!!
だが。
「なっ…そんな…!?」
闇のウェルは刀身を片手で掴み止めていた。
その握力は大地をも砕くはずの斬撃を完全に停止させている。
「…お前は覚えてないだろうが、俺は何度もお前の仲間を救ってきた…」
「…!?…何の話だ!?」
「この異世界で初めて俺が表に出てきたのは、《ギルドバトル》の時だ。あの時は意識も完全に近い状態だった」
(ギルドバトル…みんなから聞いていたが、俺が初めて深淵の闇魔法を使った時…俺はまったく覚えてないが、口調も別人だったらしい)
「その後、ピエール、シュラムとの戦いでお前に力を与えた。お前が死んだら俺も死ぬから仕方なくな」
闇のウェルの声音は淡々としていたが、その奥に確かな苛立ちが混ざっていた。
「…!」
言葉を失う俺に、闇のウェルは見下ろすようにして、俺に告げた。
「わかるか? 深淵の闇魔法をある程度コントロールできても、結局のところお前は仲間を誰一人助ける事ができていない」
何も言い返せない俺を、嘲笑うかのように闇のウェルは話を続ける。
「それでもお前は、自分の力だと思い込んでいる。笑えるだろう?
薄っぺらい勇気と、曖昧な理想だけ握りしめて……俺がいなければお前は何度も死んでいた」
黒いオーラが足元で爆ぜ、空気が震える。
闇のウェルの目が、獣よりも冷たく細められた。
「お前は無能だ…それを証明してやろう!!」
闇のウェルの黒いオーラが濃縮し、刃の形を取る。
漆黒の剣だ。
刃の輪郭は常に揺らぎ、波打ち、世界の境界線を切り抜いている。
まさに、世界そのものを断ち切る闇の剣。
「《闇夜の剣》」
闇のウェルの低く、静かな声が響き、静かに、刃が振り下ろされた瞬間。
——ドオオオオオオオオンッ!!
黒い衝撃波が一直線に走る。
闇が、空が、地面が、境界線が——
全てまとめて《無》へと叩き込まれる。
世界が一枚の紙なら、その紙ごと真っ二つどころか、粉々に裂かれていくような光景だった。
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