604.封印されている悪魔の正体
追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!
静寂を破るように、俺は口を開いた。
「ルシファー、試練の前に――まずは、令嬢たちによって封印されている《世界を滅ぼす悪魔》を見せてくれ。俺たちは、そのためにここへ来たんだ」
その名を口にした瞬間、空気がわずかに重くなる。
古の魔法が満ちるこの部屋が、呼応するかのように微かに低く唸った。
ルシファーの金色の瞳が細まり、黒翼がゆるりと揺れる。
彼は少し間を置いてから、口を開いた。
「……そうだな。だが、その前に、お前たちがいう悪魔が、どういうものなのか教えないといけないな」
その声は淡々としているが、どこか試すような響きがあった。
ルシファーは一瞬、何かを計るように俺たちを見渡し、やがて静かに頷いた。
「まず、悪魔と分類される魔物はいない。全ての悪魔は《ラプラスの悪魔》だ」
「な、なんだって!?」
俺たちは驚き息を飲み込んだ。
《ラプラスの悪魔》
今までラプラスを信仰する大量虐殺宗教団体と戦ってきた。その中でも幹部クラスで権限を握っている魔物が、ラプラスの悪魔。
交戦したことがあるのは、第一級使徒。第十二級使徒。第八級使徒。そして、目の前にいる第三級使徒。
どの悪魔も強敵で特にピエールは、100分の1の実力の傀儡相手だったという。
「……ということは…世界を滅ぼす悪魔っていうのは…《ラプラスの悪魔》だっていうのか!?」
「そうだ」
ルシファーはゆっくりと目を閉じた。その動き一つで、空気が震えるのを感じる。
「……封印されているのは、ラプラスの悪魔第零級使徒。ラプラスにも手に負えない失敗作だ」
ルシファーの声が、神殿全体に低く響く。
天井の水晶柱が明滅し、封印の間に重苦しい気配が漂った。
第零級使徒…。
この悪魔が令嬢たちが封印した悪魔か。
待てよ? 零級というのとは、ピエールよりも上の強さなのか?
悪魔といえば13。
アモスデウス曰く、十二使徒が1番下っ端なので、十三使徒がいないのは、そのためか…!?
「……失敗作…それはいったいなんですの…?」
リーズが小さく呟く。その瞳が怯えと好奇の狭間で揺れた。
ルシファーは静かに頷き、黒翼を一度だけ広げる。
「ラプラスの悪魔は、どのように生まれるのか知っているか? いや、作られるといっていいか」
「作られる!? ラプラスの悪魔は、人工的に生み出されたっていうのか!」
俺は息を呑んだ。
まさか、あの魔物たちは人工の産物だったというのか。
「そうだ。詳しい方法は、俺も専門外だからわかならいが、《ある怪物》のDNAとラプラスのDNAを使うことによって、悪魔を作るらしい」
「ま、待つアル! こんがらがってきたアル!」
テンちゃんが困惑した表情で、頭を抱える。
「その…でぃーえぬえーとやらはなんでござるか?」
サヤも目を大きく見開き、息をのむ。
「人の手で生き物を作っているなんて信じられませんわ!」
そうか。この世界には、DNAとか科学は進んでいないんだ。それならば犯人は…。
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