50.公爵家の娘を救え
第3部完結まで連続投稿します!
追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!
「貴殿がウェル・ベルク! 貴殿にクエストを依頼したい!」
なんと!?
「イーニアス様、順を追って説明しましょう。彼も混乱しますので…」
「あぁ…すまない…。私としたことが気が動転していた」
イーニアス様、それ、もう2回目だ!
イーニアス様の話を聞くと、こういうことだった。
イーニアス様の長女、リンジー・ロッドフォード様が長らく寝込んでいるらしい。
あらゆる医者、魔法専門の治療師に頼んだが、どうにも手が付けられない状態だという。
そこで、ここ最近活躍している新人冒険者――ウェル・ベルク――のウワサを耳にして、なんとかならないかと願い、ギルドに足を運んだのだという。
剣も使え、魔法も使え、武術もこなし、しかも凄腕の治療師だとか……。
あー、それはたぶん……。
「私は治療師としてはあまり活躍していません。恐らく、私のパートナーのことですね」
そう、治療師として活躍しているのはエリスお嬢様だ。ウワサというものはごちゃ混ぜになりやすく、当てにならない。
「そうであったか…。して、その方はどちらに?」
「申し訳ございません。私のパートナーは、今別の仕事に出かけておりまして…」
残念ながら、すれ違いのようだ。
「そ、そんな…」
イーニアス様は少し落ち込み、肩を落としている。
まぁ、明日には帰ってくるだろう。エリスお嬢様が戻れば、話はスムーズにいくはずだ。
「イーニアス様、提案なのですが、ウェル・ベルクは優秀な人材です。一度リンジー様の様子を見てもらうだけでも、進展があるかもしれません」
「それはまことか!?」
なるほど。
エリスお嬢様が戻る前に、俺がラーニングで分析し、リンジー様の状態を把握して情報を伝えれば、治療もスムーズに進むだろう。
さすがクラーラさんだ。
「私にできることなら全力でやらせて頂きます」
俺は、このクエストを受けることに決めた。
「かたじけない!」
「では早速、お嬢様の元へ移動しましょう。馬車はあちらですか?」
ゲルドさんは、善は急げと言わんばかりに行動を始める。
「そうだ! 馬車は俺のアイテムボックスに入れましょう。移動は【テレポート】で行きます! そのほうが早く着きます!」
馬車での移動は時間がかかる。空間魔法【テレポート】を使えば一瞬だ。
「ウェルくん…大丈夫か? 公爵家様だから、一番安全な方法で移動した方が…」
ゲルドさんは少し心配そうだ。そりゃそうだ。公爵家の当主を魔法で移動させるなんて、余程のことがない限りしない。
「いや、私は構いません。一刻も早く娘が良くなるなら!」
イーニアス様の許可を得た。では遠慮なく行こう。
外にある馬車をアイテムボックスに入れて準備を整えた。
「では、早速参りましょう。イーニアス様、僕の手を握って、お嬢様のいる屋敷をイメージしてください」
「む? こうか?」
「はい! ……見えました!」
俺はイーニアス様の頭の中に浮かぶ屋敷と、空間魔法【テレポート】の移動位置をリンクさせた。
「ラーニング3つ同時発動!
【トリプルテレポート】!!」
シュン!!
瞬間、俺とイーニアス様は消えた。
【トリプルテレポート】――空間魔法【テレポート】を3回同時発動することで、通常の3倍の距離を移動できる。
魔力が上がったおかげで、1回のテレポートで1km移動可能になった。
つまり、3kmを瞬時に移動できるわけだ。
これを繰り返せば、屋敷までもすぐに到達するだろう。
イーニアス様の頭にある屋敷まで、50回分の【トリプルテレポート】が必要だ。
しかし魔力が十分あるので、問題ない。
「……ウェルくん…どんどんすごくなるな…」
「……え…えぇ……」
見送ったゲルドとクラーラは、俺の成長スピードにただ驚くばかり。
そして【トリプルテレポート】50回目で、シュン!!
「着きました!」
ついに、イーニアス様の屋敷に到着。
「あ…あぁ…到着したか…凄いな!」
早すぎて言葉にならない様子だ。
「さて、魔力をかなり使ったので補給します。少し失礼…」
俺はイーニアス様とは別方向に手を掲げた。
「【アイテムボックス】!」
アイテムボックスからマナポーションを5本取り出し、一気に飲み干す。
「ふ〜、回復したー」
ラーニング複数同時発動にはかなりの魔力が必要だ。
一種類のラーニングを複数同時発動するなら、消費はまだ抑えられる。
だが、3つ同時発動を連続で使う場合は、それなりに消費が大きい。
マナポーションの大量準備は欠かせない。
「アイテムボックス! なんと素晴らしい魔法だ!」
ゲルドさんだけでなく、イーニアス様も感嘆する。
便利すぎる魔法だ。
「ははは…さて、イーニアス様! お嬢様の元へお願いします!」
「そ、そうだな!」
俺とイーニアス様は屋敷の敷地内に入る。
「お帰りなさいませ、旦那様。
もうお戻りになられたのですか?」
使用人たちが整列して迎える。魔法で一瞬にして戻ったとは、誰も思うまい。
広大な庭、整備された花壇、大勢の使用人――そして豪奢な屋敷。
どれも、グランベル家とは比べ物にならない。
さすが公爵家だ。
グランベル家の当主だったエリスお嬢様の父は伯爵で、伯爵の次に侯爵、公爵と爵位は2段階も高い。
なるほど、スケールが違うはずだ。
イーニアス様に案内され、俺たちはリンジー様のいる寝室へと足を踏み入れた。
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