180.子どもの遊び相手は難しい
追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!
「どうしたユガレイ? ウェルのことが気に入ったのか?」
アーサーが足元の小さな子どもに問いかけると、
銀髪の少年――ユガレイはコクッと首を縦に振った。
「はっはっは! そうかそうか! よし! 遊んで来い!」
アーサーの朗らかな声が大広間に響く。
その瞬間、ユガレイは嬉しそうに笑顔を浮かべて、またコクッと頷いた。
俺、疲れてるんだけど!?
「すみません、今は子どもと遊ぶのはちょっと…」
魔力も気も霊力も、全部使い果たしてフラフラだ。
全身に重りを付けられたように体が重い。
トットットッ……。
お構いなしにユガレイがこちらへ歩いてくる。
「仕方がないな…少しぐらいなら…」
そう思った矢先――
ギュン!!!!
ズドン!!!!
「ぐえ!?!?」
次の瞬間、ユガレイが音速の勢いで腹に突っ込んできた。
空気が一気に抜ける。
そのまま俺は吹き飛ばされ、石の壁に激突してめり込んだ。
ズドーン!!!!!!
「ウェル!?!?!?」
全員の叫び声が重なる。
視界が揺れて、床に崩れ落ちる俺。
……子ども、だよな? なんだこの馬鹿力。
「はっはっは! ユガレイは俺でも手を焼くほどだからな!」
アーサーの豪快な笑い声が響く。
早く言ってよ!!!
痛みに呻きながら見上げると、ユガレイがしょんぼりと肩を落としていた。
どうやら、俺が遊び相手にならなかったのが残念らしい。
「…今日は疲れているからまた明日ね…」
そう告げると、彼はまたニコッと笑い、トコトコとアーサーのもとへ戻っていった。
喋らないが、感情が表情にそのまま出る。
わかりやすい子だ。
「さて! 恩人たちには丁重なおもてなしをしないとな! ギザール! あとは頼むぞ!」
アーサーが声を張り上げる。
丁重なおもてなしって……。
俺、壁にめり込んだんだけど?
もう手遅れ感があるんだけど!!
「…すみませんね。隊長はガサツを通り越したガサツなので…」
ギザールがため息をつく。
ガサツを二度言うほどガサツなのか……。
その後、俺は一度休ませてもらうことになり、
その間、女性陣たちだけで今後の作戦会議が開かれた。
円卓の上には地図が広げられ、ランプの光が彼女たちの横顔を照らす。
窓の外は薄紫の夕暮れ。街の鐘が静かに鳴っていた。
「レナは精霊界に戻れますの?」
リーズが問いかける。
2000年前に来たとはいえ、もし精霊界の時間の流れが違うなら、戻れる可能性があるのでは――そう考えたのだ。
「いや~精霊界に戻れてもこの時代の精霊界だと思うね~。つまり2000年前の精霊界なら戻れるよ~」
レナはふわりと宙に浮きながら、肩をすくめるように答えた。
光の粒が彼女の周りに舞う。
やはり、2000年前に来てしまった以上、精霊界も同様に過去の時代のようだ。
「そもそもアタシたちは魔族のことあまり知らないかもしれないアルね! だから魔族の情報をもっと集めた方がいいアルね!」
テンテンが机の上で拳を握る。
彼女の瞳には戦略的な光が宿っていた。
「わたくしもそうしますわ!この時代の本にも興味ありますし!」
リーズが嬉しそうに微笑む。
2000年前の文献――そこには失われた歴史の断片がきっとある。
「それなら妾もリーズと分担してこの国の図書館を調べ尽くすのじゃ。妾も本を読むのは得意じゃからな!」
エリスが誇らしげに胸を張る。
「では私とブランは城の中で情報収集をします」
ココが静かに手を上げた。
ブランも隣で無言のまま頷く。
「それならアタシとサヤで街の情報収集アル!」
テンテンが勢いよく宣言し、サヤがにこりと笑った。
「アタシはこの時代の精霊界に行って情報収集するね~」
レナが軽やかに回転し、光の粒が散った。
エリスとリーズは図書館で歴史と文化の調査。
ココとブランは城内での情報収集。
テンテンとサヤは城下町での探索。
レナは精霊界へと向かう。
それぞれが動き出す。
驚愕する事態が待っているとも知らずに。
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