164.多重魔法障壁
第10章完結まで連続投稿します!
追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!
「さて、たかが女子供の冒険者。これだけの魔物では一溜りもないだろう。俺自身が出向くことなく始末できるな」
村の外れに広がる森の中、高みの岩場に腰を下ろす魔族――【マルディ】。
周囲には背の高い樹木が生い茂り、森のざわめきと小鳥の鳴き声をものともせず、マルディは悠然と森を見下ろしていた。
中級魔族であるが、その力は人族の一流魔導士を凌駕する。
ウェルたちの実力を知らぬまま、余裕の笑みを浮かべている。
「八極気功拳!! 【鉄山靠】!!」
大地が震え、樹々の根をも抉るような轟音と共に衝撃波が森を突き抜ける。
「滅魔流めつまりゅう【鋼魔巣閃】!!」
鋭利な光の刃が風を切り、周囲の木々を斬り裂く。葉が舞い、枝が折れる音が耳に痛い。
「ラーニング3つ同時発動!! 【雷炎聖砲】」
極太の光線が空間を引き裂き、地面に深い溝を刻む。
俺たちの攻撃で、魔物たちは瞬く間に倒される。
八極気功拳は【気】を練り込んだ体当たり。
鋼魔巣閃は斬魔巣閃の強化版、高速乱れ斬り。
雷炎聖砲は炎魔法【フレイムバースト】と雷魔法【サンダーボルト】、上位精霊アレクディアの【ホーリーレスフリー】を組み合わせた極太光線だ。
「!? なんだと!?」
小者だと思い込んでいたマルディの表情が変わる。
「お前が魔族だな!!」
俺は風魔法【エアウォーク】で空を滑空し、マルディに向かって直進する。
「【エアウォーク】解除! ラーニング4つ同時発動!! 【火炎聖獣剛剣】!!!」
炎と雷、光と力が渾然一体となり、極太の斬撃が森の空間を裂く。
グリーンドラゴンのファイアブレス、アレクディアのホーリーレスフリー、オークロードとゲルドの怪力を組み合わせた必殺の一撃。
確実に命中したはずだったが――
「ここまでやるとは思わなかったぞ」
マルディの前に複雑な魔法陣が次々と展開され、攻撃は彼を貫けなかった。
いや、最初から発動していたのだ。
「俺たち魔族は常時、【多重魔法障壁】を展開しているのだ。その程度の攻撃など俺には通用せん!!」
彼は悠然と手を伸ばす。
「闇魔法【アビスキャノン】!!!」
漆黒の極太光線が轟音と共に放たれ、俺の身体を真っ直ぐ襲う。
「うわ!!」
直撃こそ避けたものの、周囲の空気が裂けるほどの魔力の塊だ。
木々の枝が吹き飛び、土埃が舞い上がる。
空に向かって発射されたため地上の被害は免れたが、圧倒的な力を肌で感じる。
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